メスキータ Samuel Jessurun de Mesquita

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東京ステーションギャラリーにて。駅のホームに貼られた告知ポスターのインパクト!(写真はチラシです)日本初の展覧会であり、著名とは言えない作家の宣伝として、見事な仕事ぶりではないでしょうか。私もメスキータのことは全く知らなかったけど、とてもよかった!すごく好き。単純にカッコいいんです◎
木版画が中心で、同時代のウィーン分離派らへんの装飾性も感じさせつつ、黒と白でカッキリと単純化された作品が好き。痺れる。デザイン仕事も手掛けてて、雑誌「ウェンディンゲン」の表紙はレコジャケに使いたいかっこよさ。誰かパクって・・・。(つーか、某ギタリストY氏はこのひとの作風、好きなはず)
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※会場最後の、写真撮影用複製。こういうのを用意するのがイマドキの展覧会だねえ。


書き逃してるのを思い出したので今更だけど、目黒区美術館での「世紀末ウィーンのグラフィック-デザインそして生活の刷新にむけて」も良かったな。この時代の作品は惹かれるものが多い。

原田治 展「かわいい」の発見

原田治さんで思い出すのはミスドのグッズだったり、Mc sisterだったり、短編小説集「ベッドタイムストーリー」だったり。子供の頃の傍らに必ずいたのは、あの子やあの子たちだった。
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世田谷文学館で開催中の「原田治 展「かわいい」の発見 」は、記憶を懐かしむ展示ではなかった。古臭さはなく、洗練されたタイムレスな雰囲気があった。

子供の頃に描いた絵の、子供らしからぬ上手さに驚き、パレットクラブが何故築地にあるんだろうと思ってたけれど生家だったからとわかったり。70−80年代は誌面ごとに求められるテイストに合わせたイラストを描いていたり、ご遺族が提供された蔵書にコリン・ウィルソンが多数あったのは意外だったり。はてなダイアリーで書いていらっしゃったなんて知らなかったし、アトリエで描いていた抽象画のシンプルさはとても素敵だったし、お菓子のパッケージ案の指定紙に綴られた言葉は、やわらかで丁寧だけど強い意志があった。「かわいい」に至るための、道筋を辿った。
「かわいい」、は美しかった。

会場の途中、天井近くの壁面に掲げられた言葉に気づき、しばらく見とれてしまった。
『終始一貫してぼくが考えた「可愛い」の表現方法は、明るく、屈託が無く、健康的な表現であること。そこに5%ほどの淋しさや切なさを隠し味のように加味するというものでした。』

「かわいい」が、消費されず、「在り続ける」秘密を教えてもらった。