台風と思い出し散歩

現在台風19号接近中。この影響を踏まえた対応に追われ続けて1週間、ヘトヘトよ。今日は臨時休業の店舗も多く、こういう選択が可能になった時代なのだと思うとともに、それでもこういうときだからこそ休まず、いつも以上に稼働せざるを得ない業務の方もたくさんいて、どうか報われますように。私は連休明けの職場の大混乱が目に見えて、震えています。10月の連休のため各種イベントも多く予定されていて、長期間その準備で尽力されていた人々の苦渋の想いも伺える。
それにしても、ある一定の人々の猛威でホトホト疲弊しづける日常のなかで、「このために頑張れる」という願いが込められた非日常が自然の猛威で失われ、日常がますます疲弊する悪循環。生きる道がズムズムと沈んでいくような気分。
でも、だからこそ、日々歩く楽しさを見つけていこう。


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いつもと違う街でZZZooのライブ。対バンはThe Silence、ヤマジさんと馬頭さんが同じステージに!2組堪能してフクフクとした気持ちで川を渡り、そのまま30分程夜散歩。
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古い店舗を使用したライブイベント?かな。こんな発見も楽しい。
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ひっそりと神社もあった。
日中幾度も歩いていた道なりであっても、夜になると灯りがともり呑みで賑わう店が多く、普段の散歩とは異なる景色。ライブのあとに散歩もまた楽し。

給水塔 比留間幹写真集

給水塔 比留間幹写真集

銀座キャノンギャラリーにて、比留間 幹さんの写真展「watartowers」 今回も素晴らしかった。給水塔が街に屹立しながら見守るように景色に溶け込む姿。一枚一枚に物語が生まれてくる。

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久々に通りかかった道。この店も既に外観のみになっていた。
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なんてかわいらしい看板。
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有山達也「音のかたち」。
有山達也展「 音のかたち」|展覧会・イベント | クリエイションギャラリーG8
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レコードの溝やレコード針を超拡大して聴こえてくる、音。アンプのなかの小さな部品。作り手たちの言葉。さまざまな再生機。それらはどれもかっこよく美しい。とても楽しくて見入って聴き入ってしまった。「ku:nel」のアートディレクションでおなじみの方だけど、写真や文章にku:nelの巻頭特集感を思い出したり。楽しかったから、最終日にもう一度伺った。良いスピーカーで聴くボサノバとクラシック。音のかたちが空間に浮かび、そのかたちのままきちんと聞こえ、楽しかったなあ。

音のかたち

音のかたち

針と溝  stylus&groove

針と溝 stylus&groove

この二冊の展示でした。書籍のほうもオススメ。
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友川かずきのレコードの、溝。このガリガリっぷりが!

ある日。神保町から歩き始めて、神田日本橋銀座新橋内幸町虎ノ門赤坂。スクラップビルドの連続だった。そういえば何年か行ってなかったお食事処は行列の出来る店になっていたし、周囲の景色がまるで変わっていた。駐車場も閉鎖中のビルも多かった。
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暗渠の上に建てられた店舗続きの一角は、解体されるところだった。
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川幅にキッカリと家屋が並ぶ様も凄いなー。

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またある日は、小石川のPebbles Booksさんへ初訪問。とても素敵だった。
そもそもこちらの本屋さんを知ったのは、二子玉川で「本屋博」というイベント開催のお知らせからだった。個人経営の本屋さんが集う試みは素敵と思った反面、文化な匂いが薄い二子玉、しかも町の本屋を潰してきた感のある大企業も絡んでいたので驚いた。でも大企業側が個人の美味しいところをいただこうとするよりは、むしろ逆な挑戦を感じたのだった。
store.tsite.jp
さて、Pebbles Booksは住宅街の角を曲がった先の白い一軒家で、期待感が膨らんだ。中へ入ると街の本屋さんとして素晴らしく行き届いた品揃え。一階は雑誌や子供向け書籍。二階に上がると声を上げてしまった。サイズ感、棚の並び具合、外の光の入り方、すべてが空間として素晴らしく、なおかつ各棚の書籍のあれもこれも気になる感たら!欲しい本いくつもあったけど今回はここまで。
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また散歩途中に伺おう。店を出るときに小学生3人組がやってきたことにも、グッときた。いいな。

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ビルとビルに挟まれた子を発見。
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おしゃれ。
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とんかつ のバランスがすばらしい。


台風が通り過ぎたら、秋の日差しの中、歩き出そう。

LABO 6

9.15 with PLASTICZOOMS . WBSBFK at FEVER
この日のdipはとにかく、ヤマジさんが一番最初に鳴らした弦の響きに驚いた。こんなドローンをロックなライブで聴くなんて。美しくて不可思議で心地よくて、会場全体をギターに見立てたようにその響きに包まれた。ヤマジさんの実験と発見の日々を感じて嬉しくて仕方がなかった。中盤に新曲、ド・シューゲなポップだったのでまだビックリ。13flowersあたりのテイストの。冒頭のような方向性に留まらないのはヤマジさんらしい。
観客もアツク盛り上がっていて、かつてからこんなふうに声あげて盛り上がっていたっけ?こういう素直な発散ではなかったはず。なんだかそれは、ヤマジさんの「開放」を受けてファンも自然と開放されたのではないか。ある意味バンドとファンは合わせ鏡で、ステージから伝わる雰囲気をファンは投影する。へんなコダワリを捨てられるほど、歳を経ったせいもあるかもしれない、彼らもわたしたちも。


その2週間後、フェス「夏の魔物」にて、ヤマジさんがヤプーズのギターで参加したステージの感想をSNS上で見かけて、ひどく胸に響いて泣けた。ライブで感じ取ったものを客観的な視点で自分の言葉で丹念に綴り、読み手に響くって凄いなあ。そういうものを読めたから震えてしまった。ネットに上がっているとはいえ、リンクして良いものかなんとなく躊躇してしまい、勝手ながら一部引用を「 」表記しつつ記すと、「人の生の複雑さを超え、今ここに於ける最上の輝きをみせようとする」「人生の、年を経ることのややこしさ。それも全部込み込みで、力強く披露する」ーーー ヤマジさんがヤプーズに正式参加するキッカケはベラさんの急逝に拠ることを思うと、殊更に、ステージで音を鳴らし続けられることは奇跡であり、惰性にならずに、年を経ることのややこしさを受け入れ、今ここで出来ることの全てを力強く高らかに投じる意志があることを、痛感するのだ。
dipの更新続ける最高っぷりが、本当に嬉しく逞しい。そしてヤマジさんに”逞しい”という形容を付けるようになるなんて、な!(エラソーですんません)来月はワンマン!やったー!


対バンのWBSBFKはまだ若いバンドで初々しくふてぶてしいポストパンク!な音。 バンド名なんて呼べばいいのかなーってずっと思ってたんだけど「侘寂風景」なのね! FILE-UNDERを発信源とした名古屋周辺のバンドっておもしろいなー。PLASTICZOOMSは前見たときよりも初期SOFT BALLETっぽく感じた。なんというか、ギラついたコマーシャルな感じは妙に抗えないんだよな……。