10月の終わり、11月の始め

結局のところ何も変わらないし変わりたくないし、今のこの一瞬だけで行動するしかない世の中で生きている。



10月4日 これくらいのことで疲れるしやる気ないのは人としてどうなんだとどんよりする日


10月5日 昼休み、外へ出ると真夏並みの暑さと日差しにウッとなりながら数日ぶりに公園に向かうと、金木犀が薫り、葉の色はオレンジ色が進んでいた。季節を感じる器官がおかしくなりそう。/ そしたら帰宅後お腹を下す。


10月6日 モネ、終盤なのに主人公は媒介で家族それぞれのターニングポイントを描いてる。当初の丹念に繊細に心情を描く演出が好きだったけど、家業という問題の描き方を楽しみにしている。


10月7日 pat fishさんがお亡くなりになったと知る。悲しい。訃報のたびに思うけれど、今までもこれからも聴き続けるよ、素晴らしい曲をありがとうと思いながら。

Scandal in Bohemia

Scandal in Bohemia

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10月8日 昨夜地震で目が覚めて、即思うのは明日の仕事……ってことで、ガチャピンそーぶくんや小さなお友達が倒れていたので直してあげて、また寝て、いつもより早く会社行って、怒涛のごとく時間が過ぎてった1日だった。


10月9日 パンク展を見に北千住、ライオットガールの映像見ることできて嬉しい。その後は界隈を散策、久しぶりに来たので歩き回った。/ 高齢女性の4人組がわちゃわちゃーと来て騒いで出ていった。そういやこういうの、久しく見てなかった。ああ、帰ってきちゃったんだな。撲滅してほしかった。人は変わるのではなく、その機会を待っているのである。


10月10日 朝から元気出なくて、昼はどこか外で気分転換をと思ったものの、①静かで②写真撮影する人いなくて③音楽のセンスが良くて④話しかけてくる接客ではなくて⑤美味しい食べ物がいただけて⑥でもお米や麺類食べる気なくて⑦コーヒー飲みたくないから紅茶ちゃんとしてて⑧近場で⑨狭くない⑩外の光が感じられる・・・店なんてねえわ!!(我儘)/ そんな私の心中を察して、Y氏がりんごのタルトを買ってきてくれた。


10月11日 クワイエット・コーナー2。並ぶ盤とキャプションを読みながら、HMV渋谷の一角を思い出して楽しい。落ち着いたブックデザインも素敵。これまでとの変化は「試聴を配信ですること」と「本の級数が小さくて時々読むのがツラい……」



10月12日 時々在宅勤務の日。お昼は営業再開した近所の中華屋へ。変わらぬ「いらっしゃいませー!」の声と丁寧な接客にじん、とする。野菜スープに半チャーハンを頼む。野菜スープはタンメンの麺抜きといった塩梅の一品で、この組み合わせは私にちょうど良い。チャーの味付けとパラパラしっとりに心の中でンマーイ!と叫ぶ。


10月13日 ヤマジさんとコンビで出演予定のライブの直前に怪我をされた田畑さんのピンチヒッターに、zzzooのメンバーでもあるサックスの若林一也さんが登場。そのときの演奏がアップされた。いい意味で意外な展開、幻の映画を見たような気持ちになる音楽だった。シネヴィヴァンでレイト見た後、車のテールランプ見ながら渋谷まで歩いたことを思い出した。
youtu.be


10月14日 会社休んで医者に行く間に久しぶりに立ち寄った街で約30年ぶりの再会。


10月15日 会社終わり立ち寄った街はビジネス街と学生街が混じっていて、大層賑わっていた。餃子屋にはサクッと入れてカウンターでビアリーと餃子。ビアリーは案外ビールっぽく呑めたものの炭酸がお腹に溜まり、餃子は皮がべちょっとしてて美味しくなかった……。それから音楽喫茶へ。立派なスピーカで聴く音楽は、レコード盤に閉じ込めていた空気がそのまま再生される。時と土地を超えて今この空間にやってきたのだなあと感激した。


10月16日 外は明らかに人が増え、飲食店も2人でお喋りエンドレス組ばかり。みんなやっぱり休日は友達と出掛けて喋りたいんだなあ。はあ……。人疲れなのか帰宅後明らかにテンション低くなってしまった。けどtdさんのDJでアガった!


10月17日 朝から雨が降りとても寒くて驚いた。遂にあったか素材に手を出し、夕飯は今季初きのこ鍋。早いと思ったけど、去年の記録見たら10月10日だった。その日も寒かったみたい。秋はどこへ行ったの?

定盤もまだ聴いていないのに、もう冬へ歩き出しているの?


10月18日 Tシャツの人もダウンの人もいる寒さを感じる朝。


10月19日 朝から左側ピリリと頭痛、気圧も急降下の警戒マーク。だけど一日仕事頑張ったよーーーーー。


10月20日 帰路はいつもと違う道を月を追いかけるように歩いた。


10月21日 目が覚めるとまだ暗くて、でももう起きる時間なのでエイヤーと起き上がってカーテン開けた時の空がとても美しいので、今日一日頑張ろうと思える。でも窓を開けると風が冷たくてちょっと萎えるけれど。今日も怒号上げながら仕事頑張りました(どんな会社よ


10月22日 LUNAのbewitched ・ pent house 再現ライブ見に行きたい / 夜ご飯、よく行く店は賑わいが戻っていた。ご近所と思われる高齢の方もちらほらと。ずっと変わらずに“まちのあかり“を灯し続けたこの店に感謝をしたいなあ。


10月23日 今電車内は高齢者層が目立つ。これから年末に向けて街中はどんな様子になるのかな(不安) / 秋の空気と光をたっぷり吸い込んでから、薄暗い小さな小屋に入るとヴァシュテイ・バニヤンが流れていて、客はみなひとりで来訪し、静かに過ごした。穏やかな店内だけど味はピリリと体に染みわたる 続いて向かった珈琲店では坂ノ下典正が流れていて、ここでも静かに時が流れる。かかる音楽とやってくる客が同じ波長の店は幸せだ。


10月24日 久しぶりに多摩川を渡り向かった街で珈琲講座。同じ豆と量でも抽出の道具が違うと全く違う味わいになる。ペーパーフィルターだと飲み慣れていることもあり、フラットな味。ネルだと奥行きが複雑だし、金網はガツンと強い味。ペーパーでもドーナツドリッパーとハリオ一つ穴では全然違う。珈琲の面白さを再認識。/ 新譜。店で出逢うことが楽しかったけれど、今はなかなか難しい。配信でジャケ買いのように目についた盤を試聴する楽しみを漸く感じるようになってきた。


10月25日 今日は会社着くなり事件の連続で疲弊。昼は空気入れ替えようと外出たけど寒すぎた。/ 「ゆっくり帰ってきていいんだよ」とY氏が言ってくれて、そうだよな仕事終わって疲弊した心身で混雑した電車乗ってスーパー行ってって、イライラしながら夕飯の支度するからダメなんだよな。早く帰宅してご飯作れだなんて誰も言ってないのに / 寝る前に聴いた曲

adelinehotel.bandcamp.com



10月26日 帰宅直後に蕁麻疹発生、首周り、お腹周り、足の付け根、左足足首。仕事のストレスということにしておこう……


10月27日 蕁麻疹は回復した朝。/ イラッとさせられる報連相ばかりで、ついつい嫌味な言い方で返答してしまう。


10月28日 胃カメラ。コテっと寝てる間に終わってしまうので楽だなあ……。「とてもキレイな胃ですね!」と太鼓判を押される。 / すっかりお腹が空いてるので新米と豚生姜焼を食べて、よく晴れた天気の下ガンガン歩いた。/ 松濤美術館へ向かい「白井晟一 入門」を見る。写真と図面と模型という一般的な建築展示だけど、白井さん設計の建物内で鑑賞出来ることが素晴らしいのだ。


10月29日 夕方にガクンと疲れた上に、重い荷物を持たされてしまい、うんざりしながら立ち寄った店では緩いtelevisionに気持ちが解れ、座席の前に置いてあった本に彼方への想いを馳せた。
youtube.com
www.seibundo-shinkosha.net
モネ最終回。光と間を丁寧に映し出す演出は人々の心の描き方に通じる。朝ドラの主人公は「元気で明るくて勝気で、喜怒哀楽がハッキリ」してるイメージがある。幸せな時代と不幸な時代の違いが強調されていて、家族や好きな人との離別があったり……。モネの、わかりやすく伝える代わりに、ささやかに小さく漣のように、見えないあのひとへ伝えようとする描き方が好きだ。サヤカさんや菅波先生、同僚との関係性も誠実だった。


10月30日 よく晴れた秋の休日、神田川〜暗渠〜玉川上水と歩き続けて帰宅したら歩行距離まさかの全14キロ、21,000歩。遠足か。/ 久しぶりに会って話すからかお喋りのテンションと声色が高い人が目立つ。店は人数制限続行中のものの客足は元に戻っているので、行列がひどい。/ 今日で閉店のお菓子屋さんへ。この1ヶ月行列というので避けていたから、最後にご挨拶だけでも出来てよかった。


10月31日 曇天の朝、この後雨が降るという陰った空に合う。盤で欲しいな。
lewsberg.bandcamp.com
折り畳み傘を持って出かける。「ぽかん09号」と「二度と行けない下北沢のあの店で」を購入したくて下北沢へ。b&bとBOOK SHOP TRAVELLERに行く前後、昼ごはんを食べようと思った店は数名並んでいるし(通りがかりには大行列店がいくつも)小雨降り出したし、食べ損ねたまま帰路へ。途中でスコーンを買って、家で食べたのはもう15時でおやつになってしまった。
pokan-books.stores.jp
静かに紡がれる豊かな文章を読むことのできる幸せ。何処でも連れて行きやすい判型と美しい装画、読みやすい文字構成も素晴らしい。3年ぶりの発行、ありがとうございます。


11月1日 在宅勤務の日。ソファ用の低い机にPCを乗せて正座して仕事する寺子屋スタイル。/ 盛岡のカフェcarat が閉店するお知らせを見かけた。過去2回の盛岡旅で伺ったとても好きな店だ。建物の賃貸契約の終了とのこと、近くで再開予定らしく、盛岡ならば良い場所があることだろう。そしてあのお二人ならば新たな建物でも自分たちの空気で呼吸し、客を迎入れてくれることだろう。でも川沿いの大きな樹の袂にある小さなあの空間でもう一度、ぼんやりとしたかったな。
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11月2日 在宅勤務再び。変に気を遣ってしまうので私には向いてない。昼に外へ出たら気持ち良い気候で、このまま散歩していたかった。明日は祝日どうしようかな。/ 仕事前に朝ドラを見る。明るく元気でニコニコしてて勝気で同級生の男の子と言い合っちゃう主人公と仲が良く和気あいあいの大家族、という舞台設定に若干の不安。とても平和で幸せな時代を強く描くことで、後の暗く重い時代が感じられて辛い。お兄ちゃんを探しに大阪に行くのかなとか。深津さんゾーンまで見届けよう……

久しぶりの小遠足

よく晴れた日。肌寒いかなあとストールを用意するところに、季節の移ろいを感じる。
電車に乗って西へ、多摩川を渡った。1年半以上は経っただろうか、東京を出るのは。横浜郊外の駅で下車。お昼はこちら方面での定番のお店で、今日からという日曜メニューのボルシチを食べた。1人席は向きが変わっていて、配慮が感じられた。ご無沙汰ですとご挨拶すると「12周年記念で差し上げてるんです」と渡されたのは、月光荘の黄色いスケッチブック。この間の偶然の再会により、欲しいなと思っていたから驚いた。
「わー嬉しい! 12年ですか。おめでとうございます」
「○○さんでお逢いしてからもうこんなに経つんですね」
店主Aさんとは、器屋○○で行なわれた臨時珈琲屋台がキッカケで知り合った。古民家を使った店だったから縁側があって、そこに並んで珈琲を飲みながら「私、今喫茶店を準備中なんです」と教えてくれたのだ。半年後開店した場所は、前回書き留めたあのギャラリーのすぐ近くで、お家の都合で5年前にこの地に移転。久しぶりに訪れたこのタイミングで彼女からスケッチブックを渡されるだなんて、コジツケの偶然にしては出来すぎた話じゃないかしら。



それから歩き始めた。丘陵地を切り開いた住宅街は起伏に富んだ道なりで、急な坂道や長い階段が南北に走り、団地や住宅がみっしりした中に元々の地形を利用した公園がいくつもあった。


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生活圏とは離れた街並みに刻まれる豊かな緑の匂い。空は広く、薄さを増した水色にオレンジ色が混じる葉が輝き、その光を存分に浴びる。生きるエネルギーが体内に入っていく。

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ああ、やっぱり、たまにはこんな空気を吸ってこんな景色を見ながら歩かないとな。すっかり忘れていたよ。