Labo 28 / que


今年dipのライブは3回観たけど、一番良かった。振り返れば3月は異動決定、6月は終始雨の日で、個人的に日和が良くなかったね・・・。11月30日、晴れ。お馴染み下北queにて。


まずヤマジさんと細海魚さんが先にステージに上がり、アンビエントな音色を静かに奏でる。そして1曲目は「krauteater」〜「Duel」〜「Labo」と続き、「Self Rising Flower」 怒涛の駆け上がりが凄まじかった。珍しく冒頭から高速最強重厚で唸った。ギターとリズム帯のバランスが良く、3人の熱量がガッチリ塊になって低音の切れ味も良く、聴いてて楽しい。そしてなんといっても新曲と思われる「DeeDee Gordon」〜「Wolf」!すっごくカッコいい。ニューウェイビーでサイケデリックで変な曲!思わず前のめりになって盛り上がった。そこからの「hollowgallow」美しい混沌な熱狂の渦。中盤の変化するとこ、今日は特にカッコいい。
いつもこの感じの、三位一体の音熱波を聴きたい。場内の盛り上がりも一体になって、こういう「双方向なライブっぽさ」はdipに珍しい。


そしてひさ子さん登場。最初のギター、ジャーーン!でハッとする。そうこれは「Serial」!キャー!ひさ子ギターが重なって、更に強靭。ひさ子効果で歌に専念できるからか、シリアルキラーの名前をハッキリと。「closet land」の切なさっぷりに心滲みながら「The place to go」もまた切なっぷりで、そしたら「空に揺れたい」、2018年のJUST FOR ONE DAYでのひさ子さんの完コピっぷりに泣けたけども、あれから6年(!え、もうそんなに?!)存在感タップリに引っ張っていく。「Il faut continuer」でいったんひさ子さんハケて「Eva」、ヤマジギターの轟音の波が鼓膜を覆い尽くして心地よかった・・・。それから再びひさ子さんで「human flow」!「waiting for the light」!儚さや危うさはなく、懐古もなく、今ここに居る確かな強さ。歌声が昔よりもずっとシッカリしてるのが印象的。「Lust for life」カニシさんのドラムドコドコドコドコが胸にドッと来た。全体的に破滅するよな壮絶さはなく、明日へと力を繋いでいるような。だからか本編最後でもいい意味であっさりしてた。


アンコール1 「my sleep stays over you」、ただでさえ凄みのある曲にひさ子ギターが加わればそりゃ凄いでしょ。アンコール2「I wanna be your dog」これは鉄板ソング。
鳴り止まないアンコールで再登場、「豊田利晃のリクエストで」というから勿論13階段への荒野」!、カラカラの荒野で死に向かうのではなく、これまでを踏まえながら明日へ3人で向かう強さが込められていてとても素晴らしかった。


ツアー最終日ということでバンドアンサンブルとしてのまとまりがあり、3人の熱量も高くハードな演奏で聞きごたえたっぷり、ひさ子さんに任せられることもあってかヤマジさんも最初からリラックスしてたように感じた。ひさ子さんの堂々とした逞しいギターの音色は圧巻、魚さんのキーボードは細かなトーンでダークになりがちな音に彩りを加えてくれた。作り込んだアルバムの音がライブで再現された感じ。

魚さん全面参加で、アンビエントでドラッギーでサイケデリックなトーンだけのアルバム制作して欲しいな。ロックンロール禁止で。
今年最後のdip、サイコーで嬉しい。


01.krauteater
02.Duel
03.Labo
04.Self Rising Flower
05.DeeDee Gordon
06.Wolf
07.hollowgallow


08.Serial(ひ)
09.closet land(ひ)
10.The place to go(ひ)
11.空に揺れたい(ひ)
12.Il faut continuer(ひ)

13.Eva

14.human flow(ひ)
15.waiting for the light(ひ)
16.Lust for life(ひ)

アンコール
1. my sleep stays over you(ひ)
2. I wanna be your dog
3. 13階段への荒野(予定外)

*(ひ)ひさ子さん参加


今回、ツアー自体が珍しいのに前半:福岡・京都、後半:ひさ子参加で名古屋・大阪・東京(東京のみ細海魚参加)でセットリストが違う!

え、過去曲は前半の選曲のほうが好みじゃんか・・・ノーマンブレーク最近やらないなーと思ってたのに・・・そして号泣ソングのナガッタサン・・・さらに6c・・・そして痺れソングの地下鉄・・・うぐぐ。


MCは全然なくて最後に「今度は春に」 ヤマ誕でしょうか。(ここで50代最後の?!と気づいてしまった)
生き延びるよ。生き延びようぞ。


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12月10日追記。CDジャーナルのライブレポが、ファンの人なのかなと思わせるほど細かな部分にまで行き届いた愛と知識があって、嬉しい!
www.cdjournal.com