映像

狼煙が呼ぶ

「狼煙が呼ぶ」豊田利晃監督最新作は、たった16分間の作品。今年の春、拳銃の不法所持による逮捕がセンセーショナルに報道されたものの、拳銃は祖父の形見であったため、程なくして無罪・釈放されたことはほとんど報道されなかった。その返答として、準備期…

アマンダと僕

久しぶりに映画を見に出かけた。夕刻、外へ出たら、湿り気ある風の匂いが夏だった。ああそうだった、この匂い。 パリの街の空気を含みながら、この街で暮らす彼らの心の動きに寄り添う音楽とともに、彼らの「これまで」と「これから続いていく」日々の "あい…

「イングランド・イズ・マイン」を見た日。

今日は午後お休みして、映画を見ました。「イングランド・イズ・マイン」。スミス結成前夜までの若き日のモリッシーを描いた作品。なるほどこの手もあるのか!な切り取り方。音楽映画的エモーショナルは弱めで、苛立ちを抱えながら日々を過ごすこの青年が「…

ノーザン・ソウル

今日はあんまり寒くないねーって外へ出た午後は新宿シネマカリテで「ノーザン・ソウル」を見た。'74年 イギリス北部での”ノーザン・ソウル”シーンを描いた物語。音楽とダンスを目の当たりにしてパアッと開いていく世界!身も心も踊らされるこの曲は一体なん…

「ロシュフォールの恋人たち」とピンク色

先日ミシェル・ルグランが亡くなった。90年代昔話になるけれど、oliveに載った「ロシュフォールの恋人たち」の上映広告を部屋に貼っていた。洗練されたカラフルな画は殺風景な部屋を彩り、憧れを乗せてくれた。サントラが今までと違う切り口で語られて、”映…

「今年のベスト」って

映画についても他の何についても何が正しいのか誰も分からない時代です。こういうときこそどこかで聞いたような調子のよい言葉ではなく、自分の言葉で綴っている言葉を信じたいなと思います。知識の広い狭いの話ではなく、それぞれのパーソナルな映画史とい…

今年の音甘映画館 【映画編】

「泳ぎすぎた夜」ダミアン・マニヴェル & 五十嵐耕平 今年はこの作品に尽きます。大好き。現実からちょっとだけ浮かび上がった、でも現実と地続きの、ちいさな掌につかんだ雪のような、なにか。今もふと、2匹の犬にわんわん!て無邪気に吠えるたからくんの笑…

PLANETIST

有楽町。マリオンがルミネって未だに把握できない。スムーズに繋がらないエスカレーターを登りきるとキラキラした宇宙に放り込まれ、ワクワクしながら素晴らしき映画に出会える空間があった。日劇はいまはもうない。 久々の朝日ホールでフィルメックス、何度…

ア・ゴースト・ストーリー

書きたいことはいくつかあるのだけど今ザザーッと書くことにのめりこめず、リハビリという気持ちで綴る感想ゆえ、頭につけるタイトルはあくまでも便宜上且つ内容に触れるので諸々お許しください。 渋谷シネクイント。シネパレス跡に移転後初。 デヴィッド・…

カーマイン・ストリート・ギター

今年のtiffはこれ一本。会社帰りに六本木へ駆け込んだ。昔ほど「映画祭然」しなくなっちゃったなあ。監督:ロン・マン。NYのグリニッジビレッジで工房を営むギター職人を題材にしたドキュメンタリー。市内で建物を壊した際に出る廃材を利用して制作されるギ…

あみこ

昨日今日ともんのすごい暑さだった。久々に熱波を浴びた。茸や栗や梨に葡萄と、秋の味覚を目にしながらもこの真夏の暑さ。異常だと思うことはいつのまにか当たり前になるのだろうか。 *** 「あみこ」鑑賞後居ても立っても居られない熱意あるツイートをい…

泣き虫しょったんの奇跡

今日は大型台風が上陸する報道により、家にこもった。先日見た映画について綴ります。:豊田監督の最新作が「将棋映画」であると知って胸の中がどよめいた。奨励会在籍経験のある豊田監督が遂に「かつての場所」へ手を伸ばしたのだから。しかも松田龍平主演…

「寝ても覚めても」「きみの鳥はうたえる」「贋作 桜の森の満開の下」

少し前の日。平成30年の傑作として刻まれるであろう3作品をハシゴ見した一日だった。強烈で濃厚ですんなり消化されることを拒むような作品ばかりを同じ日に見たわけだけど、どういうわけだか自然と吸収された。(以下、シーンに触れますので未見のかたはご注…

1999年の夏休み

先月のこと。「1999年の夏休み」を2018年に再びスクリーンで見るとは!ケーズシネマでのリバイバル上映にほんとうにびっくりした。しかもモーニングショーのみにのけぞったけど、鑑賞者の年齢層を考えると適切かもしれず(ぞぞぞ)。館内は私が一番若いかも…

鑑賞記録

今月は久々に映画をいくつも見ることが出来た。ほんとうは日記的に書きたいのだけど、結局備忘録でこんな形で。 「30年後の同窓会」 リンクレイターらしい会話と小物が映し出す空気感で語られる時代が移り変わっても、自身も息子世代も戦争に翻弄される不条…

トラスト・ミー

ハル・ハートリー作品、再びのリバイバルは前回なかった「トラスト・ミー」「ヘンリー・フール・トリロジー」を上映。今回はSNSでの公式サイトが熱心だし、クラウドファンディングによるソフト化もあったせいか、「観客が自分より上の人ばかり…?」なことも…

あの頃の私を描くこと

映画を見ることが出来るくらいの状態になったところで、続々気になる新作が公開されて(実のところ名画座でも素敵企画が目白押しなのだけど)、よしッとまた映画を見に行った。グレタ・ガーウィグ監督作「レディ・バード」だ。この如何にもな情報量を持つ映…

フロリダ・プロジェクト

先月の中旬の土曜日。全くノーマークの作品だったけれど、見よう、とピンと来たのはSNSで見かけた言葉がきっかけだ。褒め称えてるわけでもなく、どういう映画なのか説明しているわけでもないのに、心がゾワゾワして「見たほうがいいよ」と体が伝えているよう…

映画音楽に起用されたロックな曲

ヤマジさんがアラバキで「Soundtrack Cinema Show」と称した企画に出演したので、どんな楽曲やるのかなーと気になっていた。元々、”007/ユア・アイズ・オンリーYou Only Live Twice”(某さんのツイートで間違えに気づいた!)、”Crying Game”等映画主題歌の…

「泳ぎすぎた夜」

15日日曜日。朝からウチでダラーっとしてたところ、14時になってハッ、映画見に行こう、とポケットにサイフとスマホ突っ込んで渋谷に向かって(イメフォだからウンザリするほうの渋谷じゃないのもよかった)、サクッと見てきた。79分のささやかな、でも豊か…

「しあわせの絵の具」と、あれこれ。

今年は些細な事でもここに書き留めようと記したというのに、今月はかなり途絶えてしまった。 思い出すのは11日、朝からくしゃみが猛烈な勢いで止まらなくなり、すわ一大事、いよいよ遂にKAFUNSHOWか?!と震え上がったものの、次の日からくしゃみはどこへ行…

今年の音甘映画館 【映像編】

この2年ほどの懸念が更に進行、今年はこの作品を見るために時間を使おうと思うことがほぼ無くなった。会社帰りは勿論、会社を時間休み取ったり、土曜日の数時間を使って、映画館で過ごす選択をしなかった。ちょっと見ようと思っても、まあいいか……となるのだ…

「パターソン」を思い出しながらあれこれ。

久々に晴れた朝、今日は人間ドックだった。血圧が初めて上100を超えたし、呼吸機能検査「息を吸って吸って吸って、ハイ一気に吐いてーーーーー」は1度で終わったし、炭酸粉末+バリウム飲用はツラくなかったし、ぐるぐる廻るとき左右間違えたのは1回だけだっ…

20センチュリー・ウーマン

公式サイト右隅にこっそりある” http://1979.fm/ ”、プレイリストがとっても楽しいので、これ聴きながら読んでいただけるとうれしいです。 母との会話の中で母の若い頃の姿をふと垣間見たときの、祖父の若かりし日の写真を思いがけず見つけたときの、私の知…

「PARKS パークス」

4月の終わりのこと。午後休して電車乗ってカレーを食べてから散歩。晴れ渡る空、休みにして正解の日。気温は上昇、暑い、眩しい。 夜はテアトル新宿へ。久々の映画鑑賞は、瀬田なつき監督最新作「PARKS パークス」。瀬田監督の作品は大好きで、特に「あとの…

「未来よこんにちは」

Bunkamura ル・シネマにて。土曜の1日に時間を得たことで久しぶりに自主的に映画鑑賞を選択し、この作品にした気持ちにしっくり来た。短絡的に強い感情を与えることなく、しなやかで凛とした余韻があとからじわじわくる、ミア=ハンセン・ラブらしい映画だっ…

記憶を映画へ

うだうだ言ってばかりの今日このごろ。マイク・ミルズの新作「20th Century Women」についての記事にハッとさせられた。 「私が今も記憶というものが本当にあてにならないものだと思っています。記憶は変化し、移動していくもので、実際私と姉二人たちとの間…

今年の音甘映画館 【映像編】

今年は更に映画鑑賞本数が減り、多分20本程度です。う、わー・・・。ブログタイトル変えようか、な(震)そもそも元旦に「電気GROOVE の映画」を見たことが方向性を決めたのであろう……。 何度か書いているけど、基本的に平日夜に見に行く前提がもはやキツく…

映画、カレー、散歩、焼き菓子、もひとつ映画の日。

日曜日は朝からひとりだった。開店直後の焼き菓子屋でレモンケーキを買い、新宿武蔵野館へ。リニューアル後初めて来た。シックな内装になっていて驚いた。上映前にさっき買ったお菓子食べて、「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」サイコーだった。1980年の…

溺れるナイフ

「5つ数えれば君の夢」で書いた感想を大々的に引用すると 「どう表現するか」ということにおいて、サブカルがメインカルチャーである時代に、岩井俊二と椎名林檎とエヴァが多数派である時代に、自意識過剰がスタンダードな時代に、自我が育った人なのだなあ…