live at unit〜trickstar volume two

アルバムafterLOUD発売、発売記念ツアーも終わり、一段落着いた dipはこの日ゲストミュージシャンを加えたセッションのみでステージを構成します。フェイバリットソングのカヴァーか?インプロか?どのような形態でやるのかは当日のお楽しみ。いつも誰かとのセッションにて今後の音の方向を占って来たメンバー達の、見逃せないセッションとなります!

というフレコミのライブは、まさに特別で贅沢な素晴らしさでした。

会場に入るとフロアの真ん中にもうひとつのステージが!周囲に柵はしてありますが、高さ50センチほどでしょうか。ドラムとギターが置いてあります。むむ?出場バンドが多いからこうやって転換するやり方はナルホドなあ。(キャパを狭められるという利点もあるかと…)これで期待が一気に膨らみました。

いつものごとく長いので、タタミます…。
■吉村由加×ヤマジカズヒデ
で、一番手のマヒルノ*1の演奏が終わるとフロア内のステージに上がったのは、ヤマジとMETALCHICKSの吉村由加さん。ビックリした!オオッ!2人のインプロ合戦が!ギャー!ヤマジの手や足の動きがハッキリ見えるよ!2人を囲んで見てる様子を眺めるのもオモシロイ。
これよこれです、私がずっと渇望していたのは!スッゴイカッコイイ!もうたまらん!ヤマジギターは重厚感ありながら火を吹いて、吉村さんのドラムはタカタカドカドカ迫り来る、かといってバトルというような鬼気迫る感じではなく、あくまでも2人で音を作り上げて行く。もうずっと何時間でも聴いていたい。最後に握手をしてたのにもぐっときました。


■YURI・VIVI(54NUDEHONEYS)+ BERATREK + ナカニシノリユキ
BERAさんギター!私が見るのSB以来だよ*2、わわわ…。エロい54NUDEHONEYSのお二人とBERAさんとナカニシさんの二人という組み合わせは、この手があったか!


dip
そして、いつもの3人です。
"garden"で始まってしばらくは、いつもと勝手が違うような?音のバランスも悪くて、なかなか引き込まれませんでした。
ここで、Buffalo Daughter大野由美子さんが登場。ということはやるよね?で、"underwater"。アルバムに参加した大野さんとの共演は初めて?だったかしら。(や、なんかであったっけ?)とろーんと沈んで漂う青い光。ぬめぬめと地底をゆく深海魚の泳ぐ音が聴こえてくる。
続いて同じく「underwater」収録曲、the vaselinesの"jesus doesn't want me for a sunbeam"。ほわーんとする。ヤマジが珍しく歌詞カード見てなかったな。この曲、なんであのアルバムに入ってるんだろうとずっと思ってたんだけど、大野さんの存在がそうさせたのかなあとなんとなく思ったりした。

そして怒濤疾風"it's late"、いやーあもう、カッコイイカッコイイ!この曲が私は大好きだ。あーそうだ、私dipをこうやって聴いてたんだ、最初の居心地悪い感じがするっと解けた。目をつぶって体を音に任せていた。荒れ狂う風にグルングルン飛ばされて、ワケわからなくなって、パッと目を開けたときにジャーンと終わる、あの瞬間たら!
更に勿論やるよね、"9souls"。大野さんのmoogがむわ〜んと回路を開く、震える!key.が入るの、picoさん以来だ、久しぶりだなあ。とろ〜んとした音色はこの曲のトランシーさを更に引き上げる。わああああああ。"underwater"とは違うとろみと、"it's late"とは違う壮絶さが合算して、トンデモナイ状況になった。演奏後、思わずヤマジも「スゴカッタね…」と呟いてた。


ここで大野さん退場、3人に戻って"to hell with it !"、オルタナ上等!なポップソングでハッとする。明らかにさっきの演奏で空気が変わった。
で、花田裕之さん登場、the roosterzナンバーが。私はthe roosterzに思い入れがないのですが、花田さんの存在感には参りました。全然変わってないし、佇まいが違う!ミチロウさんもそうだけどまるで変わらないし、且つ更にスゴくなってて、ずっとやっている人ってやっぱり違うよなあ。ヤマジも体型からなんとか戻そうよ…(あっ)。
にしても花田さんといるとdipの面々も、なんかこう、高校生のように見えて面白かった。先輩、着いて行くっす!って。ナガタッチなんて夢見ごこちな表情を浮かべていたような。ふふふ。


さて、花田さんが退場、つんのめってゴー!な"plantation"と来て、不協和音が鳴り響きコレは…と思うとやはりビートルズの"blue jay way"、唄が終わってからのインプロがもう!サイケデリックの海に深く深く沈んでいく、一朝一夕につくれない音、意識が遠くなっていく、会場内の空気が染めかわって、ああ…ずっとずっと聴いていたいなあ…浸ってたいなあと中毒になった。


そしてアンコール、「さっきスゴカッタから」と再び大野さん登場、その場で「コードはdで、あーなってこーなって、じゃーん」てな具合に説明して、the modern lovers"she cracked"! 最近またよくやってくれるからウレシイ。大野さんもパッと適応できてさすが…。
んでもって"sludge"でキメ!

やああもう、堪能しました。楽しかった!

*1:初めて聴きましたが、ポストロック以降のインストバンドで、プログレ色が強く変態な音の流れにJ-ROCKマナーな唄が乗っかるという感じ。面白く聴きました。

*2:このころのSBが一番燃えたなー