「PLATFORM2010」寺田真由美ー不在の部屋/若林砂絵子ー平面の空間

5月の終わりに見た展示の話を今更で申し訳ないのだけど、書き留めつつアップできなくて今に至ります。練馬区美術館にて。
寺田真由美さんの写真は以前ふらっと入ったギャラリーで初めて見て、その独特の世界感に強く引き込まれました。久々に見るけどやっぱり好きだなあ。誰もいない部屋。ガランとした部屋。ただそれだけが映し出されている。静謐で空虚で孤独で潔癖で、”希薄な”「存在感」にゾクッとする。ずっと眺めていたい。

明るい部屋の中で―寺田真由美作品集 (新・求龍堂グラフィックス)

明るい部屋の中で―寺田真由美作品集 (新・求龍堂グラフィックス)


若林砂絵子さんを知ったのは、同じく芸術家であるご両親の作品が好きだったから。彫刻家/版画家のお父様の作品はキリキリと闇に住んでいるし、油絵画家のお母様の作品は鮮やかに光を放っている。どちらもスゴく魅力的なのです。そして2人の血を受け継いだ砂絵子さんの作品はどちらの作風をも感じさせるものでした。しかし次第に「混乱」した様が感じられる作風になり、最後のコーナーの数枚は、声にならない悲痛な叫びを感じて、心がチクチクしてザワザワして、痛くてたまらなかった。

2人展にするには方向がかなり違う作風だけど、意気込みを感じさせる内容でした。これからも楽しみ。
http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/event/bunka/platform2010.html