鑑賞メモ

7月は1本も映画館に行かず!8月に入って見に行った3本をまとめて。
・エッセンシャル・キリング
期待通りに面白かった!視界がツマミでキュイーンと変化してく感じ。突然目が覚めるよに鮮烈にカッと広がったり、コビトになったかのようにミクロにギュッと近寄ったり。そしてやっぱりスコリモさんの耳の良さ!音響設計が素晴らしい。鼓膜がゴボゴボと喜んでた。強烈にカッコいいのにドリフみたいな笑いが滲んでたり、ひゃー、参ってしまった。


ナッシュビル
次の日起きてからもぼーっと昨晩見た映像を反芻してた。帰り道にずっと抱えていた悶々とした気持ちは、2011年のこの現実と地続きだった。そして今も続いている。


イリュージョニスト
ジャック・タチの遺した脚本をシルヴァン・ショメがアニメ化。「ベルヴィル・ランデブー」にはノレなかったのでどうかしら…と思いつつも鑑賞。うーん、やはり私はこの絵柄による人物造形が好きになれない。。。背景の描き方は美しく、光と影、流れる風、ヨーロッパの風景の鈍い色合いとともにドキドキした*1のだけど、人物が魅力的に見えなくて辛かった。



このところ見た美術展のことを記しておくと、
カレル・ゼマン展。松濤美術館で開催されたことが嬉しい。使用された人形の展示、とりわけ「水玉の幻想」のガラス細工には胸がきゅっとした。絵コンテも、それだけで絵画作品のような美しさで身悶え。
ホンマタカシ展。これまでの集大成といった具合で今まで各ギャラリーで見たことのある作品ばかりではあったけれど、90年代以降の時代が見えてきて興味深かった。市川実和子のファッショングラビアから浮かぶ熱狂を過ぎて、こちらを遮断している冷めた熱。別会場で見た90年代初頭のロンドンのクラブ(セカンド・サマー・オブ・ラブ!)での写真、恐らくは頭でこねくり回していないであろうこれらの輝きが眩しかった。
川内倫子展。光。美しく何処か悲しく、胸に針を刺したよな思いに駆られた。今回で東京から去るFOILギャラリー、ここ好きだったな。喧騒を増してきた馬喰町を出るのは正解だと思う。
あとは「日本画のどうぶつ」に逢いに行ったり、ちょこちょこと。


ああ夏の夜は寄り道したくなるねえなんて思う8月だったのだけど、今日は雨が酷く涼しいくらいだった。蝉は鳴いていなくて、聴こえてくるのは虫の声。

*1:けど3Dの多用が逆にのっぺりとした印象になってしまった