「neue welt」リリース記念 / club que 2DAYS

飛行機の音をじっと溜めて、溜めて、ガッと切り開かれた曲は「it's late」、とても鮮烈でカッコイイ幕開け! アルバムに入る前からライブで幾度も披露される度に変型していった曲。そのときから大好きで、あの一時期にあった空気を斬るよな鋭さとは違う逞しさが土台にあって、それだけでもう今のdipを痛感させられた。
前半の曲間のシームレスな流れがすごく良かったなあ。それと特に印象的だったのが「netrotic mole」で、ギターの音色がこれまでに無い響きを持っていて、聴覚の今まで使ってなかった部分が反応している感じ。食い入るように音を追っていると、最後のところで切り込まれたギターに皮膚が逆立って、ハッと背筋が延びた。なにこの感覚!!!これはチョットほんとに凄かった……。

”久しぶりの曲を”と「13階段への荒野」、ああもうカラカラの状態でただっ広い荒野をあてどなく走っていたあの頃とは違うんだな。ヒリヒリが無くなった状態でこの曲をやると普通の邦楽ロックなベタさに陥りそうになるけれど、最後の唄終わったあとの「これこそdip」な演奏で、帳消しになる。
本編最後の「blinking sun」〜「fly by wire」とアンコールの「9souls」は当然かっこよかったけれど、もっとグルーヴが欲しかったのが正直なところ。私の受信能力のせいもあるけれど、こっちへ突き抜けてくるテンションが弱く、どこか頭が冷めてる演奏に思えてしまった。
2度目のアンコール!ナカニシさんがマイクスタンド前に立ったので、わわわ〜と思って「come out」?と思ったら、ヴェルヴェッツの「femme fatale」でビックリ!唄声、良かったー。ヤマジさんの表情も柔らかくなってた。そしてドラムはナガタさん!そのドラムスタイルはモーリン・タッカーというよりは 、Jesus and Mary Chain在籍時のボビー・ギレスビーみたいでカッコよかったなあ。
ゲストの細海魚さん、期待通り素晴らしかった。鍵盤の音色が立ちすぎることはなく、3人の音階に馴染みつつ空気を作っていた。アナログシンセのツマミを操る様が素敵でした。時折ナガタさんが細海さんを見て浮かべる嬉しそうな表情もよかった!
ああ、いい夜だったナア。


帰宅して「ドライブイン蒲生」の予告編を見た。ヤマソロ収録曲が音楽に起用されているという映画。「blue bus」という私が特に特に大好きな曲のギターがぎゅいんぎゅいーんと彼方から鳴り響いて泣きそうになってたら、ラストの染谷くんのまなざしにかつてのヤマジさんを思い起こして震えてしまった。

●2日目に続く!