「さらば、愛の言葉よ」

シネスイッチ銀座、久しぶり・・・。ここで3D見るとは思ってもいなかった。もうひとつのスクリーンが1時間以上前に満席完売で、ゴダールもほぼ満席だったのかな。盛況なハコでゴダール見るのって似合わない気もするけど、嬉しい。
「Adieu au langage」。サテこのひとが撮る3Dってどんなんだろかと誰もが思うだろうし冒頭は想定内な使い方であまりノレず、眼鏡も痛いしモヤモヤしてた。ホログラム見てるような違和感ある「これが3Dです」っての苦手だなあ・・・。ああいう作られた遠近感を見ると、人の視力ってスゴイと痛感する。でもでもいわゆる視力と、目が捉えてからの脳への伝達能力の差ってのはあるわけで。平面と立体。絵画と彫塑。現実と映像。
何か作業をしながら別のことを考えてることはよくある。ふっと頭をよぎる記憶のなかの一場面や妄想や今朝見た夢のことなどなど、そういう頭のなかと現実がレイヤーで可視化されてる3D映画はあるのかな。あ、ホン・サンスが3Dつくったらどうなるだろう?(そういやこっちでもベートーヴェン交響曲第7番が流れたよ)なんてことを考えながら見るなんて、集中してないのかもしれないけれど、考えずにはいられなかった。3D映画ってエンターテイメントの側面が強かったと思うけれど、少なくともエンターテイメントではなかった。
如何にもな3Dな場面に、やたら美麗な場面が挟み込まれ息を呑む。それからグシャグシャに場面が重なり合ったりして、戸惑った。思わず眼鏡を外してみたりして。暫くしてああ、捉える映像が異なるのか!と気づいたり。
ニントモカントモ、ヘンテコなつくりで目と耳がそして脳味噌が疲れた。なかなか飲み込めない。ゴダール爺は嬉々として新しい遊びを面白がって撮ったんだろうなあと想像すると、くふくふ笑ってしまう。あと1回は3Dで撮って欲しい。家で3D映像見ることが出来る人はまだ限られているだろうし、そう思うと映画館で見るべき映画なのだな。
見終わって人がいっぱいのロビーでお見かけしたのは、多分ジム・オルーク。このかたの感想を聞いてみたい。