金土日祝

もう1ヶ月以上映画を見ていないのは、フィクションを敢えて我が身に投入せずとも、仕事で目にする事柄を消化するだけでいっぱいなんだろな。今週は会社帰りに思い立って、髪を切りに初めてのお店へ出掛けてみたり、金曜夜には以前生活圏だった街へ出向き、最近出来たお店でご飯を食べた。どちらも店主プラスαで切り盛りするよな小さなお店で、結果としてカットがよいとかおかずが美味しいとかもあるけども、その店自体にホッとしたのだった。繁華街から出発する私鉄の途中駅の街。駅前に並ぶ商店の一角の、扉の向こうに繰り広げられるあれやこれが滲んできて、私もこの店のストーリーに加わるのかな。


土曜日は東京都現代美術館にて、オスカー・ニーマイヤー展。ブラジルのモダニズム建築の父であり、首都ブラジリアの主要な建物設計を手掛けた建築家の仕事を紹介。建築物の展示はなかなか難しいけれど、模型で造形を/写真で空間を把握する構成は、写真のチョイスも含めて企画側の意志を感じ取った。最後の公園の展示は、吹き抜けをうまく使いつつ、こう来ましたか!な細工が楽しかった。
それにしてもスケール感タップリのああいう建築物は、だだっ広い土地とスコンと抜ける青空の元だからこそ映えるし建築可能なのであって、東京の狭っ苦しい土地のなかでは似合わないとわかるだろうに、街を歩かないからスッポ抜けてるんだねえエライ人達は。というか強行突破と同時に餌にしちゃうことが腹ただしい。

外に出て、雨まじりの帰り道。のっぺりとした住宅街の合間にはコーヒーショップがあちこちに出来ていて、どの店も混んでいるという報道通りの光景に驚いた。移動して浜松町。線路沿いのクラシカルなビルには工事予定の看板が付いていた。


その先の角を曲がると、超高層マンションの足元に瓦屋根の家屋がぽつんと。金色に光る文字をよく見ると船宿だった。ああ、この界隈のかつての風景が目に浮かんでくる。


日曜日も朝から暑かった。馴染みの店へ向かう。会計時、店主さんから思いがけない言葉をいただき嬉し恥ずかし。扉を開ける。陽盛り。歩く気も無く、帰宅して「メロウな音楽」とは何ぞ、と考えて答えが出ぬまま夜になった。


月曜日、朝から汗だく。蛸のビンダルーはやっぱり目が覚める美味しさ。都内に新たなスタイルのカレー屋さんはこの数年で随分増えたけれど、それぞれ個性があって良いな。帰宅してレモングラスティーを淹れた。体がすっとする。