この数日また暑さがぶり返してきたけれど、二十世紀梨を食べ、虫の声が聞こえる夜。8月9日のことを思い出す。
http://d.hatena.ne.jp/mikk/20150809/p1 ← 夏盛り。根津から湯島へと展示に立ち寄りながら歩き、丸ノ内線で中野坂上に移動、東高円寺まで歩いたあとのことだった。
狭いUFO CLUBはギッシリ満員で、いつものヤマソロと客層が違うなあとちと思いながら、ステージのカーテンの向こうからリハの音が聞こえてくるのだった。そうして開演。前回よりも慣れたからか、3人の演奏にコミュニケーションが感じられた。リズム隊にいろんな表情があって、ギターが豊かに鳴っていて。「実験と実行」って潔さが感じられて好き。カバー曲だけど「あ、リズム隊がspoonの“アレ”を弾いてる!」と思った曲が移行していって、spoonのイントロのギターが入ったとこ、シビれたなあ。。。1曲目の「hypnopedia 〜 in heaven 〜 hypnopedia 〜 in heaven」のコンボはまだしっくり来てない?と思ったのだけど、、、曲が進むに連れて馴染んでいった。
こんなふうにつくられていく楽曲にはCDで聴いたときよりもグッと奥行きが生まれて、音に複雑で豊かな表情があった。そして押し付けがましくなく、確信に満ちていた。この三人で演る意義があったなあ。シンプルな唄モノでありながらウネリ変容していく、更に実験と冒険を突き詰めて欲しいです。
対バンは山本精一さん。バックの演奏は同じく須藤俊明さんと山本達久さんで行なうという試みが興味深かった。
山本さんの演奏は始まった途端にウッと体のなかに来た。なんだかもう、音の根本の、血が違った。サイケデリック云々とはもはや気軽に使用される言葉だけど、後付のそれらとは違い、持って生まれて育ったものそのものが表出されていて、ちょっと驚いた。ライブを見るのは久しぶりだったけど、相変わらず飄々としながらグッと深みに落ちて侵食していく、けれどそれに気がつけない。真似しようとしても出来ない音だった。但し唄メロがチョット苦手かな・・・スミマセン。
最後にアンコール、ヤマジカズヒデ+ 須藤俊明 + 山本達久 + 山本精一で「marquee moon」!あのイントロが奏でられた瞬間に、わあああああ!と身震い&歓声!!!完璧なまでのカバー、最後まで美しかった……。更に「sister ray」!!!このメンツでヴェルベッツ!シビレル!
サイコウにウヒョーっとなって、そのまましばらくずっと歩いた。車しか通らない道をテクテクと。今日は朝から随分歩いたのに、ちっとも疲れてなくて、どこまでも夜道を歩いたのだった。