Michael Rother × OGRE YOU ASSHOLE "DELAY 2016"

オウガの自主企画にミヒャエル・ローター登場で、めちゃくちゃ楽しみにしてました。この企画はまだ数回なのに遂に大師匠を呼んでしまうとは、彼らの意志とスタッフの尽力には頭が下がります。会場には往年のプログレオジサマも多々いらっしゃり、neu! Tシャツ着た外国人の方だとか、いい感じです◎

さて先発はオウガ。相変わらず勝浦さんのドラムは素晴らしいナア。空間の導き方にグッとくる。2曲目は新曲?清水さんのベースが利いていてこれまでとはまた違う展開にニンマリ。そんで「素敵な予感」の凶悪暗黒ver.、キターーーーー!コントレックスのような超硬質の水の中でズムズムと沈み漂っていく。彼岸なノイズだけど音が潰れていないところがPA含めたオウガの音作りで素晴らしい。出戸くんの淡々とした唄に馬渕さんのギターがぎゅわーーーんと入ってくるところとか、全体通しての抑揚の付け方が見事で、分厚く重い音像ながらも昂揚感あり、いい意味で体が疲れないところも良く練られているのだと思う。

続いてMichael Rother! ドラムはHans Lampeで、ギターのFranz BargmannはCAMERAの人だった。
サンプラー使いつつ奏でるギターはキラキラ眩く、Neu!とHarmoniaの曲を交互に演奏(ソロ楽曲もありつつ)、ハンスさんはひたすら反復反復ハンマー・ビート。ああハンマー・ビートは永遠……。
ミヒャエルさんの、鮮やかに次から次へと繰り出されるシュパシュパしたギターの切れ味は鋭利さを感じさせずにあくまでも軽く、でも確実にこちらを刺してくるから参りました……。これはハンスさんの匠なパスパスドラムとの重量バランスが絶妙なのもあるはず。フランツさんもおじいちゃんに挟まれてサイドで頑張ってた。
まさかこの歳になってNeu!やHarmoniaを生で聴くことになるとはと吃驚だけど、部屋で聴いてきた音と当然ながら違って、音の質感に「ライブってスゴイ」って当たり前のことにしみじみさせられる。MCでは優しげなお人柄を感じるけど、ひとたび音を出せば今もコレ、ってスゴイことだ。時代はどんどん変化していったけれど、ひたすらずっと頑固にやり続けた音楽家であるのだ。そして彼が与えた影響の広さと深さに改めて気付かされた。


オウガは大先輩を遠く日本まで呼び、臆すること無く今自分たちに可能な演奏をガッツリ作り上げた。ミヒャエル・ローターは長年のキャリアを懐古にはならず、だからこそ今この音が鳴らせるんだよとカカカカと笑うような様が素敵だった。
素晴らしい一夜をありがとうございました。
余談:近いうちにogreとdipの2マン、是非お願いします。dipにはdelayって曲ありますし……