dip ・戸川純

新宿loftにてこの対バン!先攻のdip、「krauteater」から続く前半の流れは最近の定番で、4つ目の新曲の、ベースの弦の響きがブインブインと美しかった。そこに落ちるドラム、ギュルンとさらうギター、カッコイイなー。続いて「不規則な断片の反復の地下鉄」!やったー!ウネウネ進む様が更にカッコよくなってる!
そしてなんとビックリ、「諦念プシガンガ」のカバー!……素晴らしかった。ヤマジさんが女性Vo.の歌詞唄うの、好き。そんな気持ちで終わると思われた後半、追加されたギターソロ。ブワッと湧き上がるワケワカラナイこの感情はいったいなんなのだろう。動揺した。音色が胸の奥にズドンと落ちて、泣けた。切なくて強くて美しくて、諦念が昇華してく。今だから鳴らすことの出来る、ヤマジさんの返答のようだった。終わったときの拍手と空気にもぐっときた……。
「sludge」のキレは分厚くて「fry by wire」でスイッチがバチッと入って「break on through」はアンプのボリュームぐいっと上げて轟音凄まじく、これまでより更に進化してまた違う音になってた!脳ミソがイカれて狂ってしまう危険度タップリの音、音、音。場内盛り上げるだけ盛り上げて、ブチッと終わったとこもすっごく良かった〜〜。カッコよかった〜〜。惚れ惚れ・・・・。

さて戸川純さん。ライブをこの歳になって初めて見ることになるなんて。
彼女の登場以来数多ある、安易に彼女の名前を引き合いに形容として用いてきた人たちは、即刻正座だよなとつくづく。自分というものが最初っから確固としてあって、若さゆえの刹那なものでも作為的なものでも決して無く、ずっとずっと自分の姿そのまま戦い生き抜いてきて、「今ここ」で唄っていることの誠実さ!その凛とした強さとともに愛らしさが同居していて、素敵だなあ。
カノンな「蛹化の女」の、静かな水面の深い深い底から立ち上がってくる感情に震え、ヤマジさんが参加したパンクな「蛹化の女」の、渦巻くカオスな激情に痺れた……。ヤマジさんの速弾きも凄まじかった。それと2曲めの「ヴィールス」だったかな、ギターのリフに「virtual war」思い出したのは、弾いてるのがベラさんだから?と思っちゃって良いかしら。

ハアアア、いいライブだったー。歌舞伎町を下むいて疾走して即帰宅。


もらったチラシ見て声あげちゃった。妄想してた対バンを見れる日が早々とやってきて嬉しい。4月震えて待つ。