ヤマジカズヒデ 対 百々和宏

代々木Zher the zooにて「ヤマジ対決」シリーズ2回目*1は「カズヒ」対決。ベースは穴井仁吉さん、ドラムはクハラカズユキさん。いい企画です!

<モモカズヒロ>

「今日は百々和宏ワンマンにようこそ(なんでそんなこというのかって?)だってホラ、対決だからね」などと冒頭からツカミはOKなモモさん。「Teenage Kicks」は途中からテンポが早くなってカッコヨカッタんだけども、この曲をやるとUKPのスタッフに伝えたところ「ミッシェルがカバーしてるver.がカッコイイんでこれでやってください」と動画を教えられたそう。

こういうの見ると売れたの解りますヨネ・・・カコイイ。
ビートルズでも"I'm Down"を演るところが百々さんなのだと思う。ヤマジさんは"tommorrow~"あたりやるのかなーと思ったけど今日の流れには合わないか。ほかはwho、ジョニー・サンダースロッカーズで締め。

ヤマジカズヒデ

続いてヤマジさん。neil young「cinnamon girl」、pink floyd 「lucifer sam」、 gang of four「I found that essence rare」、MC5「skunk」って並びにちょっと前のdipぽさも感じつつ、ヤマジさんがやる「ロック」が好きだって100回頷いた。私はロックンロールよりも「ロールするロック」が好きだ。skunkイントロでのキュウちゃんドラムソロが超絶カッコよくシビレ湧き上がり、ギターがジャキジャキに入ってウワーーーってなった。穴井さんのベースもバキバキ気持ち良い音で響いてて、あー至福。Trans Amの「play in the summer」もこのリズム隊在りきの極太且つタイトでスリリングな展開で頭の中オカシクなった。

<ヤマモモ>

一緒に弾き語り。モモさんはジョニー・サンダース「sad vacation」、ヤマジさんはニール・ヤング「heart of gold」。この選曲にわかりやすく二人の個性が出ているなあ。ヤマジさんはブルースハープを使用したのでビックリ、しかもモモさんにいきなり借りたらしい(あれ、ヤマジさん風邪引いて……笑)。歌い終わると返されたハープに「じゃあ、1000円から〜」とのモモさんの言葉に笑う。モモさんは話上手で(ヤマジさんいわく「司会」)モーサムが初めてdipと対バンした時の話をし*2dipを知ったキッカケは「田淵ひさこちゃんがカッコイイって教えてくれたのが、UKPから出てるやつで」って、ワーウレシイ。私が一枚上げるとしたらコレ! そしてヴェルベッツ「pale blue eyes」。ヤマジさんの唄声の切なさと寂しさと優しさとともに全てを包括するギターの美しい鳴りを堪能。唄も会話もいい塩梅で、ヤマモモでツアーやればいいのにな。(受け手としてのヤマジさんの演奏は勿論、交わす言葉が絶妙でウマイなーと)

<モモヤマ穴Q>

バンドサウンドで。stooges「search and destroy」をモモさん、そしたらヤマジさんは「I wanna be your dog」贅沢なこと言うと最近コレが鉄板になりすぎでちょっとツマラナくて(すみませんすみません)、「T.V. Eye」が聴きたいヨ・・・。んでダムドのあとの、穴井さんvo.曲がとても美しくて気持ちよかったなあ。続いてのモモさん楽曲、ロックンロールな生き様を吐露する率直な歌詞は胸に滲みる唄心*3、そこに入り込むヤマジさんのギター・ソロに「生命力」を感じて、ヤマジさんに”生命力”て!と自分でも吃驚してしまった。後で考えるとそう思わせたのは「ネバーダイ」と唄うモモさんに対しての「自分の解釈を込めた返答」なのかもしれなくて、言葉ではなく「ギター」で痛烈に伝えられるのはヤマジさんだからこそであり、「ギタリスト」としての真摯な姿勢が素晴らしいな。昔からカバーワークも多彩で魅力的だけど、最近特に「原曲を汲み取り自身の想いを込める」表現力が深く広がったように、聴き手としては思えます。モモさんも相当気持ちよかったようで、即「決めた!このメンツでツアーやろう」と叫んだのが嬉しかった。是非是非です。最後はルースターズの「good dreams」。

<アンコール>

モモさんが「オレ弾かなくてもいいよね、だってギター、ヤマジカズヒデだよ?」って言うからオオ〜ってなって「セルナンバー8」で盛り上がり、続いてのイントロでウワアアアアアアア・・・!「T.V. Eye」・・・!!!!ありがとううううううううううう(卒倒)すっざまじい轟音吹き荒れ、最後ヤマジさん、ギター置いてからのドラムダイブをしたそうですが見えず…無念。そんで起き上がってマイクスタンドへ戻り咆哮、ああカッコイイ…としか言い表せない。


モモさんは赤のジャズマスターをヤマジさんに憧れて使い始めたと以前読んだけど、ヤマジさんをベタ褒めしないのが良かった。ヤマ暗黒時代にされた仕打ちをネタにしつつもリスペクトしてるのが伝わってくる。セッションで見るにつけモモソロは良くも悪くも泥酔グダグダではないかと予想しますが、ヤマジさん・穴井さん・キュウちゃんの演奏でシャキッとして楽しそうだった。
ヤマジさんはこういうロックンロールなセッションものやると、培ってきたことが花開いている印象。なんでもこいみたいな。王道ものやりつつも、本人の気質がそこに安住せずに、更に突き進む道を見つけたかのようでバランスが良くて素敵だな。
モモさんはロックンロールスターだなあ。キラッキラしてて、甘い声で唄い、トークやアオリもこなれてて、フロントマンとしてちゃんとしてるんだけど危ういとこがあって。褒め言葉として、ロックなアイドル。
ヤマジさんはギターヒーロー!堂々とブレない構えをしつつもスリリングで若々しくて、どんな場でもギターの音色でココロ持ってかれてしまう。淡々黙々と徹しつつ、プレイだけで盛りたてる職人。だけど唄もシャウトもとってもいいのだなあ・・・。

「対決シリーズ」次回はどなたとでしょうか。楽しみです。

*1:1回目はコチラ→ http://d.hatena.ne.jp/mikk/20160904/p1

*2:前もしてた、「ファンだったし、挨拶をと楽屋に行ったところ鍵をかけられてて中に入れなかった」ってやつで、もはやネタである…

*3:コレ書くときにPV(https://www.youtube.com/watch?v=BOu-l0dtwjI)見たらアレは実家の自室(って設定)? 壁に「メシ喰うな!」と並んで「dip 1st」があってびっくりしたー!人生の1枚に選ぶ程だったのッ?!「〜 (イズヒアトゥステイ)" 」って曲と合わせてロケが地元である福岡のせいか、青山真治の映画を思い出した。めんたいロックな風土を感じるのだ。