再活動とか再結成とか、90's

突如の「小沢健二 新曲リリース」。1998年1月「春にして君を想う」以来であり、その前月1997年12月には「ある光」をリリースってことを振り返り、ああそういえばと抽斗から出したのは先日発掘した昔のスナップ写真で、渋谷HMVで撮られた日付は「97年12月20日」だった。ピチカートの「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」宣材看板の前にいる私は前髪眉毛ギリギリのおかっぱで、幼い顔つきをしていた。小沢くんのCDS買いに行ったわけではなく、永い青春の終わりの日だった。I'll gladly realize it's the end of youth?
Y氏の帰宅を待ってMステーションの録画を見た。一人じゃコワくて見れないからね! ごくりとしながらオープニングで一番に登場、ひと目見て「うわ、おじさんだよぅ!」頭の中の画像がぶわっと現在に更新された。なんだか「日曜のお父さん」だった。ああ、顎肉ってどうしたって付くのねえ。Y氏もそうだもんねえ。私も97年は遥か彼方すっかり疲れた顔のおばさんなのだ。番組最後にようやっと演奏。係長が社内有志のバンドで演奏しているような雰囲気だなーと眺めていたら、ああ、同窓会に出るとこういう気持ちなのかなとも思えてきた。「生徒会長の小沢くんの今」、みたいなね。空白の20年といっても、随時目に入ってくる活動状況にはどんどん突き進んじゃうのねぇと思わざるをえなかったのに、歌詞も楽曲も拍子抜けするくらい「国民的スター」時期の延長線の、野暮ったさがあるステージングにやみくもな多幸感満載で、ああそっかー。ド真ん中に突入して消費されて消耗して立ち去って。歳を経て子を持ち、混沌が抜け落ちて、再び「同じ場所」に戻ってきたのかな。この数ヶ月のアメリカ暮らしで何を思うかはさておき(日本の明日を危惧した啓蒙だったりして)、シングルだし「多数決で求められる自分」を敢えて放ったのか、こういうものは手癖なのか、いろいろありながらもこれが自分なんだと改めて発見したのか、わからない。フジにも出るそうで、苗場でみんなでブギー・バックにドアノックダンスかー……と光景を想像して無言で震えてしまうけど、小沢くんの(表現したい)本質はここにあり、フリッパーズのときの発言や歌詞は若さゆえのってやつなのだろうが、そのなかでぐるぐる回ったままなのが私なのだ。恥ずかしくも言い切ったよ!へへーんだ。
→ 10年前、こんなの書いてた。http://d.hatena.ne.jp/mikk/20070601/p1


その次の日にはぺニーアーケードの28年ぶりの再結成ライブがあり、デボネアとフィリップスも出演していた。スゴイ時空間…と感慨深いけど(クロコダイルあたりじゃなくて、下北queってとこが当時と違う)、ぺニーアーケードで小山田くんがギター弾いて、シークレットでbridgeが再結成ライブをし、更にもう一回ライブやるってことにホントにホントに驚いた。小沢くんのよりもずっと驚いた。
http://www.cinra.net/news/20170226-bridge


RIDEだのローゼズだの、「再結成ホイホイ」が遂にやってきたな感。
カジくんの「(再結成は)かつてのネオアコシーンへの友情と敬意のため。ただそれだけです。」っていう言葉を読み、この間ヤマジさんがdip the flagの再結成を「人間関係云々ではなく、今ああいう音は良くも悪くも出せないし出来ない」って言葉を思い出した。どちらの理由も”らしい”し、誠実な態度だなあと胸が熱くなる。小山田くんも今年新譜やっと出しそうなタイミングだけど、ロリポップ・ソニックフリッパーズ(初期も含めて)も絶対再結成は無いだろうし、してほしくないよ!(心狭くてすみません)にしても小沢くんより歳上のカジくん、今年50歳。超人。