THURSTON MOORE + 灰野敬二 + 吉田達也

私はこういう音が聴きたかったんだ……!と心の奥底から体全体から喜びと嬉しさと楽しさが溢れ出すひとときだった。
当初は「THURSTON MOORE + CHARLES HAYWARD」のセットだったものの、CHARLES HAYWARDが直前キャンセルのVINYLクオリティを発揮、ああこの組み合わせだから見たかったのに……と結構ガッカリしてたのにはごめんなさいと素直に謝ります。

2日目の新宿MARZでの公演。最初はTHURSTON。30分ほど一人でのギターノイズ大会、この目を見開くほどの、耳が蕩けるほどの、美しき音ったら!弦の響きは果てしなく澄んでいて、醸し出される佇まいはカッコよくって、惚れ惚れとしてしまう。多彩な音色は盛りすぎずにスキマがあって、こちらがそのなかに入り込んでしまうような錯覚があった。

2部は3人でのセッション、ぐっと「音楽的」になった。サーストンと灰野さんはそれぞれ自分の個性を充分に出しつつもお互いが共鳴しあうことで、不協和音なのに協和音になっていた。吉田さんのドラミングの圧も入り方も絶妙な重さ。この3人で作り出される流れは緩急が巧みで聴き飽きることがない。だれかが立つこともなく、攻防を息を潜めて見守るのでもなく、フラットで極めて自然に展開されて心地よさがあった。こんな演奏を聴くことが出来て、ああ幸せだなあ。。

休憩が入りもう1セットあったけれど9時近かったし、今の時点で大満足だったので、これにて退出してしまったけれど後悔しないくらい、ほんとうに素晴らしかった。