6月サンブンノイチ


3日 自由が丘の外れで柳本浩市展を見てから呑川緑道を歩いて、都立大の2会場で福田紀子展。これまでの具象とは異なる、大判のモノクロ抽象画で驚くも、樹々のなかでフロッタージュで描いた作品で、静かに湧き上がる生命力が体のなかを貫いた。さっき見た「資本主義な物量の世界」にぐったりしていたのでやっとほどけて息が吸えた感じ。バスで移動して喫茶店。コーヒーとホットサンドが美味しくって、静かで気持ち良い空気が流れてて好きな店。思えば美術展見たあとってここに行くこと多い。この店に置いてあったハガキを見て気になり、近くの画廊へ。伊澤絵里奈写真展「しぐさをなぞる」、日常の風景が切り取られた写真はどこか感傷的な空気を漂わせ、儚くも永遠に続くようだった。画廊オーナーが「いらしてるので、よかったら質問どうぞ」と紹介された作家さんは20代後半と若く愛らしい方だった。「お若いので、携帯で写真を取ることが既に普通だったと思うのですが、日常を携帯で撮った写真とカメラで撮って焼いた写真との捉え方の違いは何ですか」とつい質問をしてしまった。伊澤さんは暫し考えて「カメラで撮ったものは、いったん自分を離れてまた選びなおすという作業が伴うので、そこが携帯で撮るのとは違いますね」と返答したその言葉が自分の胸の奥をキュッと突き、断片が繋がった気分になった。「今ピカーン!って発見したお顔されてましたよ」と画廊オーナーが笑った。







4日 鎌倉へ久しぶりに向かった。10時に到着し駅周辺を歩いていたら、台湾茶屋さんを見つけて朝のお茶を。さっぱりとした味わいで3煎ほどいただく。静かでいい時間。午前中から陽射しが強いなかもう暫し歩いてからお昼ごはんにカレー。目が見開く美味しさだった!大通りを避けて歩いた先のパン屋さんへ入り、久しぶりのご挨拶をして幾つか買う。そこから切り通しを抜けて神奈川県立近代美術館鎌倉別館へ。「建築家・大郄正人と鎌倉別館」展を見た。昨年の国立近現代建築資料館を見た後では随分とコンパクトな展示だけど、大郄正人設計の建物のなかで図面を見る楽しさったら。




5日 サラリーマンはつらいよな事象が続いて窒息しそうだったから、8日木曜は午後休した。あまり行かないエリアへ向かい、久々訪問のカレー屋さんで食べるも特に美味しさを感じなかったのがかなしい。何年ぶりなんだろかと考えて、近くの商業施設出来て以来遠ざかってたんだった。駅前は激変してるし都営APは半分建替わってるしびっくり。映画を見て帰宅後、swimmerが終了する話を知った。たぶんoliveで知って、東京へ遊びに行った時にお店に行ったときの、上京後学校帰りに立ち寄ったときの、ワクワクしたあの感じを今も思い出せる。10代後半〜20代前半の私を彩ってくれた、お守りのような存在だった。もう使っていなくても、淋しい。