旧松井田町役場と群馬音楽センター

GW後半は群馬へ行きました。高崎駅付近に宿泊し周辺を回るという、3度目の訪問。東京からのアクセスも良く(湘南新宿ライン1本で行けるのって通勤*1感覚……)、街・建築・緑・川と巡るには良いエリアです。今日から数回、群馬シリーズで更新予定です。


東京を出発して2時間ほど。まず降り立ったのは松井田町西松井田駅から暫し歩くと辿り着く殿堂。

白井晟一設計による旧松井田町役場。昭和31年 竣工。白井さんらしい「◯」使いと品格溢れる佇まい。

大きく弧を描く庇が印象的。


市町村合併により役場としての役目を終えて資料館となったものの、耐震強度不足により建物内立入禁止のまま廃墟と化している状況・・・。



確かにあの庇の荷重は相当な感じがします・・・。
にしても何故、この街に?!と思わざるを得ない。人通りが無い山の合間の小さな街。何故白井さんを起用したのかわからないけれど、わが町に美しい立派な役場をつくろうと意気込んだことはよくわかります。白井さんについて調べると、前橋にある書店「煥乎堂」の旧店舗も白井さん設計だと知りました*2。旧松井田町役場より2年前の昭和29年竣工で、今は建て替えられたそうです。竣工当時の社長は詩人でもあったようで、モダンな方だったのかもしれません。この流れで松井田役場設計に至ったのかな。


そしてもうひとつ、群馬のモダニズム建築といえば

群馬音楽センター。昭和36年、アントニン・レーモンド設計。2015年の訪問記録にも書いたけれど、やはり美しくて何度も見たくなる。


中に入れなかったので窓から・・・。ノエミによるデザインの内装もかわいらしいなあ。

こちらも老朽化・耐震等で今後の維持管理が問題になっていますが、この日も高校生の演奏会か大会かなにかだったようで、こんな美しい会場で演奏したり、音楽を聴くことが市民生活の当たり前になっているのって素晴らしいなあと思うのです。
旧井上房一郎邸は今回は寄れず。

*1:ウチの会社には群馬から通勤してる人がいる……

*2:http://www.haptichouse.com/blogdesign/index.php?ID=331