荒船・東谷風穴蚕種貯蔵所跡

下仁田へ。荒船風穴を見に行きました。荒船風穴とは世界遺産となった「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産のひとつです。

明治38年、地元の養蚕農家の庭屋静太郎により建設された蚕種貯蔵施設です。
長野県を発祥とする天然の冷風を利用した風穴技術を研究し、日本で最大規模を誇る貯蔵施設として運営され、日本全国を相手に事業を展開しました。
現在でも操業当時と変わらぬ冷風環境が維持され、肌を通じて史跡を体感することが出来る珍しい史跡です。
以上、右記「下仁田町HP」より引用 → http://www.town.shimonita.lg.jp/fuketsu/m01/10.html


高崎駅から上信電鉄に乗って終点 下仁田駅へ。(上信電鉄もステキ列車なので別途記録します〜)
山の中の立地ゆえ、車の免許ない身としてはどうすれば・・・? → 駅から”観光タクシー”があるのを発見、前日に電話予約しました。
http://www.joshin-hire.co.jp/shimonita_office.html
車両規制されているため、一般車は風穴の更に上にある駐車場から急なヘアピンカーブ山道を歩いて行き来しなくてはいけませんが、観光タクシーは許可されているので間近まで運んでくれます。運転手のオジチャンがとても良い方で、走りながら周辺を適度に案内してくれて良かったです。



風穴内では観光協会の方が丁寧に説明してくださり、わかりやすかったです。

本来はこの石垣のうえに木造母屋があり、全国から送られてきた蚕種を箱に詰めて棚に保管していたそう。

「解けた雪水が岩場のなかの穴を流れて凍ったものが天然の冷凍庫状態となり、暑い夏場でも溶けないので、山の上から吹いた風が岩の隙間から穴を通り抜けると、冷たい風となって吹き出る」そうで、なんとも見事な仕組み。思いついたひとスゴイなあ・・・。

外気は23.4℃ですが、風穴内は0.9℃。

確かにヒョオオオオっと冷気が・・・

大正時代には全国一の設備として全盛期を迎えるものの、冷蔵機能の普及などで廃れるようになり、「昭和14年の統計では蚕種貯蔵がなされていないものとして扱われていた」ってエエエエ〜〜早っ。。。
建物などが一切残っていないのは、室内では水分高い冷気を始終抱えているため結露が酷く、人出が無くなると木造母屋ゆえ朽ちるのも早く、壊すしかない状態だったそう。確かに。
山の中でひっそり残っていた跡地が今、こうやって産業遺産として観光資源となったのだ。

上から見下ろすと、ふっとかつての景色が立ち上がってくる。ここで多くの人々が働き、近代日本の産業を担ったのだと思うと、グッとくる。