ShowBoat 25th Anniversary「Labo」

2日土曜日の夜。dipが高円寺showboatに出演は初めてだそう。意外!近年ヤマジさんが出演してたのはセッションだったか。qybも!
showboat25周年ということは開店は1993年。dipは91年結成となってるから、ちょっと先輩。そしてオープニングアクトのtawingsのvo.g.のコニーさんもshowboatと同じ93年生まれだと知りました。ヤマジさんいわく「お母さんがdipファンだそう、お母さん…!」・・・ぎゃー!そ、そういう年回りよね(無言)


tawingsは動画や配信で聴いていて、好きだなーと思ってたけどライブ見るともっと好きになった。いい具合の気怠さとストレンジなウネリが好き。カッコよさと愛らしさが同居してる佇まいにヴェルーカ・ソルトを思い出したり。やはり若い子たちには90年代前半キテるわね・・・。邦楽バンドにはイントロでカッコイイと思っても、唄メロや唄い方が途端に歌謡曲的でガックリくること多いけど、そういうのが一切ないのも嬉しい。随所に影響を受けた音を感じさせながら、今を生きる彼女たちの音になっていて、聴きながらワクワクした。


続いてdip。ヤマジさんも「最初のバンドがすごく良くて。スリッツぽかったり初期ブリーダースみたいなところがあって……」と言っていた。一時期はなかなかハマる対バンが無いような記憶があるけど(特にゼロ年代)、今tawingsやKlan Aileenのような若手バンドとリンクする部分が多いのは、「時代は巡る」なかで続けてきたゆえなのかなと思ったりもする。またdipトリビュート的なお祭りライブがあっても良いのではないかなー。
1曲め「krauteater」は出だしから音の響きがとても美しかった。中西さんのドラムも、スタッと落ちる重みが増したように思えた。この曲は既に幾度も聴いているけれど、反復反復な展開がちょっと物足りなさを覚えたときもあった。しかし今日の演奏は反復を繰り返すなかで異なるレイヤーが生まれ、重なり、違う表情を作り出していく様に目が覚めた。他の新曲ももう一度練られたかのようなアレンジで日本語歌詞が付いていたり、ああライブで新曲聴くたびに変わっていく様が楽しいんだよねえ。
あと「perverse」の後半、長尺ギターソロ。言葉はないのに、音だけなのに、訴求力が凄まじくて胸の奥を動かされてしまう。もちろん昔からギターソロのメロディアスなフレーズは美しかったけれど、確実に印象が変わった。繊細で曖昧な映像が流れていくようだったのが、もっと深い、言語化出来ない部分で語られるシッカリとした響きがある。思い返すと去年の戸川純さんとのライブでの「諦念ブシガンガ」カバーが発端ではないだろか……。MCでヤマジさんは「P.I.Lのリズムの上でケヴィン・シールズが弾いてるような感じ」と言ったけれど、そういう「なにかからの影響」を超えたところで鳴っているように、私は思えるのです、よ。(エラソーなこと書いてスミマセン)
久しぶりの「no man break」もあったり、嬉しかったのは「vicious」のカバー!イントロのあのリズムで震え上がった!ああカッコいいなあ!バシッとハマって気持ち良い!そんでもって「break on through」のカバーの渦!熱気!
今日は観客の熱の高さと男性の歓声がいい雰囲気だった。この頃は会場全体が「楽しい!」って素直な高揚感でイッパイなのが感じられて、今までとはまた違う気持ち良さがある。男性の歓声に私も嬉しくなってしまって、声を上げてしまった!


アンコールでは「faster,faster」アンコールでやるの珍しい!歌詞も含めてアレンジされてた。そして「lust for life」ヒリヒリした焦燥感とか吐き捨てる感覚がなく、逞しかった。
ここでハケたものの鳴り止まないアンコールの声!一番にヤマジさんが出てきてドラムセットへ!キャー!続いてナガタさんがヤマジさんのギターを持つ!キャー!「え?このギターどうなってるの?!」「あ、一弦切れた」「マジかよ!」
そして中西さん登場。ヤマジさんにホラ、と促されて「唄います」キャー!「で何やるの」ってなってナガタさんが「じゃあ宿命の女で」と言い、( ・∀・)ソレダ!!と、そのまま演奏が始まった。ヴェルヴェッツの「femme fatale」。さっきまでガシッとしたライブを繰り広げていたのに、突発的なアンコールをシャッフルで、ラフに、でもかっこよくやってくれるなんて、サイコーだ!
やー、一杯やりたいねえ!なんて気分になりながら、電車に乗った。