鑑賞記録

今月は久々に映画をいくつも見ることが出来た。ほんとうは日記的に書きたいのだけど、結局備忘録でこんな形で。


30年後の同窓会
リンクレイターらしい会話と小物が映し出す空気感で語られる時代が移り変わっても、自身も息子世代も戦争に翻弄される不条理。私の生活は私の掌だけで留まるのではない。「レディ・バード」同様に00年代初頭が舞台であることに、アメリカにおいて911の衝撃を改めて実感させるし、漸く客観的に語ることの出来る時間が経過したのだと思う。シャンテへ久々に行ったけども、目の前は「頭頭頭」…。画面下の字幕も読みづらく、「アタック・チャンス」状態……。上映館が極めて少ない故か土曜日満席なのは喜ばしいけど、辛かった。システムはシネコンだけどハコ自体は旧来のままなのよね、映画興行も料金変動性にできればいいのに(ムリなのはわかりますが)


「それから」「夜の浜辺でひとり
ホン・サンス作品は何年か前には特集上映されたし新作が早い段階で上映されたのだけど、2年前くらいの東京国際映画祭で上映後ピタッと公開されなくなってしまった。ところがその穴を埋めるが如く、一気に4作品連続上映されることになり、一体どうなっているのだ…配給会社さんありがとうございます!相変わらずホン・サンス ワールドなつくりで、ワイドショーネタのような自分の現状をこんなふうに映画にしてしまうなんて、ワルイヒトだなあ……。とはいえ、キム・ミニには魅力を感じないし、特別ココ!と指摘したくなる箇所は無いんだけど見終わるとああ良かったなあとじわじわ来るのが「ホン・サンス」マジック。ぽっかりと空いた穴にぞくりと来る。達観なのか不穏なのか疲弊なのか開き直りなのか、何が現実で嘘なのか夢か現か、ないまぜになってぐるりと渦を巻く。ホン・サンスといえば「酒を呑む」シーンですが、「夜の浜辺でひとり」では自家焙煎珈琲なカフェが登場、ハンドピッキングする場面を映画で見ることになるとは!