ヤマひさ 誕生の巻

2018.11.24 STUDY HARD! presents EXAM Vol.3 EIFUKU NIGHT ~永福的夜晩~

新宿JAMが37年の歴史を幕をしゅっと閉じたかと思えば、するっと移転、それもなんと西永福!全然文化圏も違うし、井の頭線なのに音楽の匂いがあまりしない地味〜〜な街に、何故・・・。しかも西永福といえば、ウミネコカレー!……があった場所。カレーを食べに行ったある夏の日、駅前で開催されてる盆踊りのお囃子聞きながら、ああいつかここで野外ライブやればいいのに!カレー屋台も出してさあ…と夢見たのもつかの間、オシャレタウン幡ヶ谷に移転してしまったという・・・。そんな西永福にライブハウスが、しかもまさかのJAMがオープンするなんて!!駅からすぐの好立地、1階はパチンコなので出番待ちのバンドマンがいそうです……。入口〜バーカウンターとライブフロアが別、喫煙スペースあり、天井は程よく高くてジャンプしても天井に頭をぶつけないヨ!uminecosounds凱旋公演待ってます!

ちなみにひとり暮らしをしてたトコからほど近かったので、週末は西永福〜永福町に自転車でよく行ってた馴染み深い街なのである。この日主催のバンドSTUDY HARDのゆかりの地も、ここ永福エリアだそうで、界隈のおいしい名店MAPも配られたのでした。エントランスにはフリーフードまであってビックリ。後で知ったけどチオベンだったなんて・・・ライブハウスでチオベン・・・(フレンドリーな雰囲気のアウェイ感にビビって近づけなかった……)




さてはて。ここからがライブのはなし。
ヤマジさんはいつもの、田渕ひさ子さんはアコギで、座りスタイル。ガガン!(お姿ガッツリ見えず……)
和やかな雰囲気で始まり、爆笑トークでドカンドカン場内を沸き上げてからの〜〜ギターと唄はとても素敵で、ひさ子さんは透明で愛らしく、深く広がる円熟味のヤマジさんはリラックスしてるようにみえた。「スカート履かないの?って言ったんだけど」とちょっとからかい気味のヤマジさんに「高校のときはミニスカート履いてモモさんのバンド見に行ったりしてましたけど、20歳くらいからこの最終形態ですねえ」というひさ子さんの返しが見事で、こういうふうに乗り切ってきたんだろうなあと思ってしまった。
television「Little Johnny Jewel」最近のお気に入り? この曲のときのヤマジさんは艶と渋味が混じる魅力的な声色。今日はひさ子さんのアコギも相まってかニューヨークのライブハウスにいる雰囲気になった。行ったことないのに、そう思えた。ほんとかっこよかったなあ・・・。
その後カバーした甲斐バンドに、ルーリードを引き合いに出すなどヤマジさんらしい選曲に切れ味トーク
ニューヨークからベルリン、新宿。頭の中で散歩したけど、ここは西永福なのだった。

STUDY HARDのギタリストである岡 優太郎さんは3年前に亡くなっている。この日は命日前夜だったそうだ。不思議顔な猫「まこ」の飼い主として有名だけど、dip the flagの初代ボーカルであり、バンド名の名付け親でもあるということを以前ヤマジさんがツイートしていて本当に驚いた。ヤマジさんは岡さんがやめて”仕方なく”ボーカルもやることにして、残った3人で続けたのだという。そして解散後に続けたバンドにその名を継承した。
ということは、”ギター/ボーカル” ヤマジカズヒデを世に送り出した人でもあるのだな……。そのまま岡さんがボーカルを続けていたらヤマジさんは歌わなかったかもしれないし、その後の音楽活動はどうなったのかななんて、ファンのたられば話はしょーもないものだけど、dip the flagという名を生み出し、ヤマジさんと音楽活動をしてくださって、ありがとうございましたと空に向かって伝えたい。