「今年のベスト」って

映画についても他の何についても何が正しいのか誰も分からない時代です。こういうときこそどこかで聞いたような調子のよい言葉ではなく、自分の言葉で綴っている言葉を信じたいなと思います。知識の広い狭いの話ではなく、それぞれのパーソナルな映画史というものは誰にでもあって、それが重なったり重ならなかったりするのが面白いのだと思います。だから若い方や映画に興味を持ち始めたばかりの方には、大文字の映画史や発言力のある(とされる)誰かが作った映画史なんてどうでもよいから、まずは自分の映画史を作っていくのがいいんじゃないかと思います。人の地図と人の地図がまさかのタイミングで重なり合うところ。ウェス・アンダーソンの作品が教えてくれるのは、そういうことです。
2018年ベストシネマ - maplecat-eve’s blog

晦日に拝読したmaplecat-eveさんのこの言葉は、音楽にしろ映画にしろ、2018年ベストを目にしてちょっともやもやしている私の背中を押してくれました。
もちろん、私が上から目線でジャッジする筋合いはないですが、映画ベストの定義を「映画館」に絞った場合、配給会社と映画館の選択に依る部分が非常に大きく、そこへ自分の時間・金銭・生活圏・精神的都合等に折り合いを付ける必要があり、その選択にはこれまで培ってきた「自分の生活」が反映されているわけで、まさに「自分の映画史」に他ならないわけです。
また、音楽の場合は盤・サブスクなど入手方法も増え、聴く場所が家か外か、スピーカーかヘッドホンかなどの聴き方は「自分の生活」が反映されたゆえの成り行きであるし、新たな音楽に出会う方法も広くあるのだから、挙げる盤にばらつきがあってもいいのではないかなあ。
「人の地図と人の地図がまさかのタイミングで重なり合うところ」に出逢いたいな。

個人的には、今年のベストを考えて挙げることが単純に好きです。ああこの作品見たなあ聴いたなあと、その日の自分やこの一年の自分が浮かび上がったりするのは楽しい。ただ、今年のベスト2018更新は言葉の書き込みが少なすぎたことを反省しています・・・。あとなんとなく5枚だけにしちゃったので、sugarplantとかもちゃんと挙げれば良かったよー。