カヒミ カリィ&佐久間裕美子 新刊発売記念 トーク&サイン会

にきたま

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My Little New York Times

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HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEにて。まさか本屋(つーかHMV……)でのこういうイベントにカヒミさんが登場するとは、そして私参加しちゃうとは……。会場は私と同世代の、SPURでもリンネルでもない女性ばかりが集っていて、こういう感じいいな。
カヒミさんは相変わらず美しく、凛とした様に柔らかな雰囲気が感じられました。佐久間裕美子さんは著作は読んだことがあるものの、お姿を拝見するのは初めてで、とても朗らか、笑顔がステキな方で失礼ながら驚きました。というのも経歴などから真逆な印象を想像していたのです。「2017年7月5日から365日書き続けた日記をまとめた」という新刊を読むのが楽しみです。


NY在住の日々を語りながら見えてくるお人柄やアメリカの現在。お二人とも頭の良さと品性、そこに表現の豊かさが加わって、こういったトークにありがちの間が一切なく、ずっと聞いていたかった。日常生活を語りながら、聴衆の知らない世界を伝えてくれる姿勢がありました。カヒミさんが語る、ニキちゃんの学校の様子からNYは如何なる街であるかが伝わってくるし、「NY市民は政治を自分ごととして考える」という佐久間さんの言葉が印象的。



カヒミさんの今現在の最新アルバム「it's here」は初めて作曲・編曲も手掛け、レコーディング中には妊娠されていたそう。そして新刊書籍の特典CDはニキちゃんと唄った楽曲を収録。暫くは子育てを中心にしたいと仰っていたけれど、思えばカヒミさんの音楽は生活とリンクしていたから、自然なことなのでしょう。かつての研ぎ澄まされ構築された世界感とは真逆の、幸せなひとときが詰まっていて、とても良かった。2人で選曲してニキちゃんが選んだのが、クロディーヌ・ロンジェも唄った「happy talk」(ミュージカル「南太平洋」より)って・・・恐ろしい子!(笑)ニキちゃんが作ったストーリーを語るカヒミさんの声は「カヒミ・カリィ」ではなく、「ニキちゃんのお母さん」の響きがあったことにもグッときました。


カヒミさんの活動は「ファブギア」からリアルタイムで追ってきたものの、憧れという気持ちを持てないほど全く違う星に住む人な印象だったし、アルバム単位でとても好きになったのは「nunki」が初めてでした。(あ!「My Suitor」も大好きだ!)静謐な空気が閉じ込められたこの盤はいつ聴いても心が震えるのです。鎌倉での、カヒミさん由縁の寺院で行われたライブを思いだす。

サインをいただく日が来るなんて。緊張しながら僅かでも言葉を伝えようとフガフガ話す私の目を見つめる、カヒミさんの慈愛に満ちた(心配そうなとも云う…)表情が忘れられない。
年を取るっていいことね。