Cornelius Performs Point

リマスターに合わせて開催された「Performs Point」がなんと、オーチャードホールにて。3階席まである天井の高さが気持ちよかった。
観客には我ら世代〜以上の方ばかりで、パートナーとの人も多く、あの頃から歳を重ねても今の暮らしの中にもCorneliusがあるってことが伺えて良いな。
開場時のSEはとろんとしたメロウな曲で、こういうホールで開演を待ちつつこんな音楽が聴けることが嬉しい。オープニングの、スクリーンに映る影と文字を使った恒例演出には毎度胸が高鳴る。なんてファンタスティック。「Point Of View Point」など画素数で古く感じてしまう映像も出来る限りクリアにしてあり、「point」楽曲だけではなく「Audio Architecture」までに至る最新曲も挟むことで、あの頃は出来なかった曲も今ならば演奏が可能になのがよくわかった。また、「I Hate Hate」のキレはこれまでに無くサイコーで、映像と込みでめちゃくちゃ高性能高純度だったし、「Surfing On Mind Wave Pt 2」のフィードバックノイズの進化と深化ったら!凄まじかった。ものすごく無機質なクールな、音だけがそこにあって、思えばこれまで聴いたああいう音は何処か「人」の存在が残っていたと思わされた。例えばマイブラだとケヴィン!って思っちゃうけど、Corneliusはどういうわけか小山田くんが”消える”のだ、他の3人も。そうそう、小山田くんのムスタングはライブ中もチューニング無しで一本でやりきってるから、調整してる人スゴイね……。あ、でも「Tone Twilight Zone」での堀江さんのギター、もうちょっと頑張って……(すすみません)各音が孤立しながら鳴ることで成り立つ楽曲なだけに、特に前半では全体の音のバランスがちょっとイビツなのが気になった。 
「Brand New Season」での観客をステージに上げる演出での、会場全体が温かく見守り喝采する光景とか、普通だったらエンターテイメント然となるのに、ベタベタにはならない絶妙な匙加減。90年代なスレっからしではない。
その上、アンコールで「THE LOVE PARADE」!1stもリマスターしたから何かやるかな?この曲ならば大野さんもいるしやりやすいかも?と思ってたけど、イントロでウワー!とビックリした。先日の記録にも書いたように私はあまり思い入れが無いので嬉しい!とはならなかったんだけど。
そんな狂乱な空気を最後「Nowhere」で穏やかに鎮めて、終了。

いろんなきもちがやってきた。クールなんだけど楽しくて、ほわああっとしたり痺れたり、切なくなったり高揚したり。懐かしくも今だった。ファンサービスとはいえ昔々の曲はやらなくていいかなー。そして、映像込みのパッケージ化されたパフォーマンスショウだけではなく、即興なステージや、ギターだけのソロも今後は見たいな(大野さんとヤマソロ対決待ってます!←またソレか!)。

かつては小沢くん、カヒミさんに嶺川さん。信藤さんや北山さんに辻川さん中村さんに美島さん。堀江さんや荒木さんに大野さん。昔も今も、自分が表現したいことを理解者とコミュニケーション取りながらブラッシュアップしてつくっていくんだなと改めて思った。
これから時代はどう移り変わるのかわからない。そのなかで小山田圭吾がつくりだす音世界をこれからも楽しむ自分でありたい。