1月の終わり、2月の初め

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1月の終わり際、水曜日のこと。このところの雨続きがようやく晴れたから、昼休みに外へ出た。樹々の枝が手のひらの血管のようだった。


昨日は二子玉へ行き、溝の口から南武線で北上、国立へ出て、バスで北府中下車。「三億円!三億円!」と言いながら東へ東へと歩き、府中の森と米軍基地跡のあいだを抜けて、気がつけば石材店が林立しており、多磨霊園を過ぎても少し進むと、府中の森公園、広大な敷地に驚くもここも基地跡なんだよねえ。隣接の調布飛行場の彼方には味スタが見え、なんだか遠くへ来たものだねえと見渡しながら、野川公園入り口という名のバス停で乗車して、三鷹までの道のりは寝てしまった。
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二子玉へは「本屋博」というイベントに行ったのだった。二子玉という根付いた文化がまるで無い街の商業施設の入り口で、蔦屋という大資本と街の個人経営本屋が手を取り合って開催されたチャレンジな試みは、テン年代を経た2020年代(にーまる年代)を占うものだったのではなかろうか。予想以上の混雑ぶりは物見遊山ではなく、ガッツリ買ってる人がわんさかいることに驚いた。「住む街の本屋にふらりと立ち寄って買う」行為が日常では無くなった今、非日常を過ごす魔法がそこにはあったのだ。アマゾンで買うよりもこんな場で買ってSNSに上げるほうが楽しいよねが今だとしたら、ビジネス的な話だと「どうしたら物が売れるのだろう?」という疑問への回答なのかもしれないけれど、手紙舎的な手慣れにはならずにいてね、なんて心配は不毛だろう。イマドキの本屋さんはみな、クレバーゆえに今回のイベントが始まったはずだから。個人的にはひとつひとつのブースでゆっくり品定めして見つけるほどのゆるりさが無かったのが、残念ではあった。



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20200202 
にーまるにーまるまるにーまるにー
きもちよいひかりのにちようのあさ。


今日は表参道から原宿へ、ヴィンテージポスター展を見にでかけた。単純にカッコいいねえ。
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人出を避けるように脇道を逸れただけで喧騒から離れてしまい、辺りの建物は新し目のテナントビルになっていて、どこも空洞のままだった。こうやって街は血が通わないわからないものになっていくのだろうか。


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桑沢の裏の水道局跡地のギャラリー。この場所、浅本さんが大きな会社絡みになる前にコーヒーショップを開いてて、あの小さな空間好きだったなあ。最近また変わったようで久々に行ってみたら、オシャレ度合いの世代が2廻りは違ってて、でも何者でもない、何かの途中の、とまり木のような感覚は残っていた。渋谷みたいな変わり続ける土地にぽっかりと空いた場所として、在り続ければいいのにな。


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歩く道すがらのおうちの庭に梅が咲いていた。暖冬と言われる今年の2月、どんな日々になるだろか。