もいちど「little women」

ユニオンで見かけて購入したのだけど、発見がいっぱいあって、あの素晴らしき映画の扉が新たに開いた気分。

『どの世代にも、その世代特有の〈若草物語〉というものがあってしかるべきだ。』


邦題「ストーリー・オブ・マイライフ  わたしの若草物語」、本作のプロデューサーは1994年制作版の「若草物語」にも携わっていたことにまず驚いた。あの頃はジョー役がウィノナ・ライダーでローリー役がクリスチャン・ベイル、そういう時代だったよねー。。。だからこそ、今ならばシアーシャ・ローナンティモシー・シャラメ
そんな配役もさることながら、『前作の制作当時とは、世界ががらりと変わった』ことで、『原作の意図にもっと忠実な映画が作れる』との思いの中、「フランシス・ハ」の脚本を読んで『ジョーというキャラクターは、わたしにとって、まさに彼女が描いた女性像そのもの』と、プロデューサーの1人であるデニーズ・ディ・ノヴィはガーウィグに声を掛けたのだ。


そこで素晴らしいのは、ガーウィグによる「若草物語」への『斬新な視点と、自分のアイデアを明確に述べる情熱』で、期待以上のそれこそが、『その世代特有の〈若草物語』だ。ラストのくだりには舌を巻く。あとルイ・ガレルの起用が見事すぎる。。。ふと思い出すように、ここに至るにはあの頃があったからなのだ、とかつてが語られる手法にも心揺さぶられるし、ダンスシーンや海のシーンの生き生きとした描き方には、当時にもあったであろう喜びを感じさせてくれて、好きだ。


斬新な視点を持ったとしても、『セリフはすべて、小説のなかか、(オルコット自身の)手紙や日記からとったもの』ということにも驚かされた。ハッとさせられたセリフがたくさんあり、ガーウィグらしいなと思ったけれど、1868年に生きたオルコットが書いただなんて。


ダンスシーンの裏話など、他にも驚かさせる箇所が多く、それはこの映画を見て、この書籍を読む人のお楽しみにしておきます。というか、もっといろいろ知りたいな。そう強く思わせる映画だなあ。
  *『 』内は「グレタ・ガーウィグの世界」より引用しました。
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