街の中に当たり前にあるものたちを“集めることで見えてくる”ことの面白さ。
第二弾としての今作は、「景色の解像度を上げる」という言葉に納得。この本を読んで、名前と概略を知りハッとなるこの感覚は、まさにそれだ!
たくさんの物体がぎゅうぎゅうに詰まっているので、何度見返しても新鮮な発見がある。それは外を歩いて見つけるときの喜びと一緒だなあ。たくさんの人の採取物が「図鑑」として冷静に並べられると、立ち上がってくる「何か」、形容しづらいソレは一体何なのだろう。
こういった「都市鑑賞」を「○○マニア」と称し、前作出版から数年の間にテレビなどでも取り上げられることが増えたし、昨今のコロナの状況においては「遠くに行けないから、近所を散歩して見つけよう」な向きもよく見かけるようになった。そんな中で、大山顕さんによる文章の切り口語り口は、さすがの一言。
特異な視点を持とう!ではなくて、自分の暮らしを取り巻くこういったものをちょっと意識するようになると、自分がどのような世界でどのように生きているのかに気付かされる。目に映る風景がもっと楽しくなる。それって素敵なことだ。
さあ、街を歩こう。(今は暑すぎて無理!)