10月15日のこと。今回で何夜目だろうか。配信によりお家で堪能したその夜は、クラウトロックなアンビエントで始まった。反復リズムの間をゆらゆら揺らぎ燻るぎ浮遊する 。キラキラと冷たい光を帯びて跳ねては拡散する音の粒。序盤から力強い色彩を描くとは思ってなかった。
頭上からのショット!こんな光景、映像ならではで感激!ヤマジさんの魔法陣の美しさはそのまま音に繋がっていく。
歪んでいるのに研ぎ澄まされた音。それはまさに刃だ。スパッとした切り口は時に瀞み、婉曲する。
極めて繊細な指の匙加減で音はこんなにも変わるのだ。スピーカの間に身を置いて、双方からの音がぐわんぐわんに巡る様に蕩けていた。
足元とエレクターに手元とギターが重なり合う。
ダークでひんやりとした空気は重厚な圧と熱を帯びてもアツくなることはないけれど、フツフツと沸き出てきてグルグルになる。と思うとスッと切ない風が吹いて泣きそうになる。こんな舞台変化がヤマジさんと魚さんならではで、幾層にも重なり合い、風次第で如何様にも変化する。映像的だなあ。配信でPC画面で見ていることもまた、映画みたいでよかった。紅茶を飲みながら、秋の夜にゆったりと微睡んだ。