11月の終わり、12月の初め

年々、日々が過ぎてく体感速度が増しているけれど、今年はなんとも不可思議な感覚に包まれる。あっという間と言えるけれど、1月のことなんて随分と遠い過去になってしまった。


11月6日
仕事で文字起こし、「お前んとこはくそだな!」の連発に“ハイ!その通り!“と心の中で同意しながら、ククククほくそ笑みながらキーボード連打は楽しかった。 / で、帰りに喫茶店。席の横の棚にムーミンの卓上カレンダー。『気持ちよくねむれるあなぐらを見つけて、眠ってしまうことだ。そのあいだに、世の中は世の中で、かってにどんどん日がたっていけばいいのだ。そうして目がさめたときには、もうなにもかも、ちゃんと、そうでなければいけないようになっているはずだ (ムーミン谷の十一月  スクルックおじさんの心情)』 / そこまで落ち込んでいなくても胸にスッと入り込む言葉。ただ、でも、今はきっと、あなぐらで眠り込んで目が覚めたとしても、世の中はそうでなければいけないようにはなっておらず、もっとずっと悪化しているのではなかろうか。


11月7日
久しぶりに渋谷から歩く。閉まっている店が目立つかと思えば新しい店やテナントビルも目に付き、行列の飲食店もあちらこちらにある。空は明るいけれど通り雨。 / 毎年2回伺う和食屋さん。春は行けなかったから1年ぶりの訪問。しゃんとした空気、窓の向こうの葉が落ちる音、揚げる音、胡桃を擦る音、あたたかな出汁の薫り、いくつもの食感、様々な色合い……。ああ、嬉しいなあ。こうやってまたお店の中でいただけることをありがたく思う。/ バターナッツのすり流し。無花果の白和え•卵焼•菊の花甘酢和え•衣被・湯葉・万願寺唐辛子と舞茸の焼き浸し・牡蠣のオイル漬・茹落花生。白いゼリー寄せ(花びら茸百合根マッシュルーム)。柿の胡桃和え。鯛のソテー香味野菜添え。銀杏と松の実の粥。栗餅〜晩秋の献立。


11月8日
Y氏誕生日とはいえいつも通りに給水塔を見る散策へ、西武新宿線多摩湖線に乗り換えて(このあたりはホントに慣れない)武蔵大和駅下車、武蔵野うどん食べて、浄水場の銀色の円盤眺めて、多摩湖の取水塔見て、ぐるーりぐるーり歩いて再び武蔵大和駅へ。寒いと思って着込んだら荷物になっただけだった。途中から相当ぐったりしてしまい、体力つけろと命じられる。


11月9日
晩御飯、スープに入れた蓮根の濃厚な旨味。


11月10日
コンビニドラマ、んな会社ねえわ!と文句言われるように敢えてつくってんのかしら。主人公と上司の女性ふたりで打ちのめす的展開を求めるワー。


11月11日
会社ではアホかバカかと呆れてばかりなので、たまにはこの人凄いと感動したい。


11月12日
今日は結婚記念日でした。近所の中華屋で晩御飯。おいしかったなあ。これからもこんなふうに暮らしていこう。


11月13日
会社にいる間は慌ただしく過ぎるからか、会社出て晩御飯食べようと向かった店でドッと疲れていることに気づく。頼んでから料理が来るまでに半寝していた。まず味噌スープ飲んだらハッとして沁みて、カレーもハッとして痺れて沁みて、ああ美味しかった。/ その中へスッと入れるものと入れないものがある。あの人だからってなんでも受け入れられるわけではないんだよねえ。


11月14日
よく晴れて寒くなかったから、散歩したいと思いつつも席予約済みなのでシネコンへ。「ジオラマボーイ・パノラマガール」、瀬田なつき監督のファンだから楽しめたなあってモヤモヤさは「PARKS」同様。


11月15日
もう11月も半分過ぎちゃった! / 今日は知らない街から歩きはじめて用水を辿り、高速を超えて、まだ続く用水は景色が変わり、街も変わったのだと思いながらまだまだ歩いた突き当たりで急な階段を登り、くの字を3度曲がって頂へ着くと神社だった。さらに進み山へ入り、下りきりまた上がるとかつての集落になり、ぐるりと回るように元の地へと戻り、駅へ着いた。10キロほどの秋散歩。


11月16日
遂にステンレスジャーを購入し、お弁当に持って行った。レシピを見ながら生米を入れて昼に蓋を開けると、お粥が出来ていた、わーい。でもお腹痛くない日だとやっぱり物足りず。。。まあこれから色々試してみる。


11月17日
今日は久々に一日休みにして、昼は近所の店で3月以来のイートイン。かわいい店内にBGM、話し声に包まれて待つ。出来立ての香りの良さ、美味しいって声が聞こえてくるのも嬉しい。/ 目黒駅から歩いて原美術館へ最後の訪問。/ 帰宅途中で下車して、平日のみ営業の喫茶店で店主さんとお話し。「素敵な1日の最後にここへ寄ってくれてありがとう」と言ってくださるなんて。気持ちの良い言葉と空気で満ちていた。


11月18日
蕪のグリル、みずみずしくて美味しかった!


11月19日
3月25日、緊急事態宣言をアンコールで聞いたあの日以来のライブハウス!楽しかった!!誰のかといえば当然ヤマジさんで、あとでアツくクドく書くの巻。


11月20日
会社帰りに渋谷パルコに寄ってコーネリカセット購入。ダウンロードクーポン付いてなかった。パルコ館内は土日は人いるかもだけど、来るかわからない客を待ち続ける店舗の集合体という百貨店形式は、今はやはり厳しいよなあ。


11月21日
カラッと晴れた風の強い日。秋の光がオレンジ色に輝く様を眺めながら歩き続けた。 /夜はテレビにヒロトが出演してたのをちょっと見る。「今の人は歌詞を聞きすぎてる」って話してたけど、ヒロトマーシーはものすごくレコードを買って聴いてることが伝わってくるのに、一般的に語られるのは「歌詞」ばかりなのが長年謎なんだけどな。


11月22日
久々に入ったうどん屋さん。美味しいし店主さんのあたたかさが心地よい。いい店だなあ。 / 今日もひたすら歩いたのだけど、駅から随分離れた立地でも大行列のカフェは点在しているのがオソロシイ。再び久々の店で本買ったりレコ買ったりお菓子買ったり。


11月23日
近所にちょっと出てケーキを買って帰宅。ジェームス・イハやEELSを聴きながらダラダラのんびり。テレビで日本各地の観光地の混雑風景を見る。


11月24日
GOTOで行ってきたという同僚の土産で「生もみじ」を食べる。生地がもちもちしてて好みと全く思わず、「もちもち食感」を「生」と呼ぶのかも謎すぎる。


11月25日
ネット上で見かけたことを記して申し訳ないですが、ちょっと衝撃だったので。おざわさんが配信でトークして「分かりあえやしないってことだけを分かりあうのさ」という若かりし日の歌詞をサラリと言及したことに驚き、今語ると「“他者への諦め“ではなく、“多様性を認めるもの“と受け取れることが出来る」というネット上の意見にハッとさせられた。17歳の夏にあんな言葉をあんなメロディで聴いてしまった私は以来、「そこ」から離れられない。いろんな苛立ちや歯痒さを“分かり合えやしないってことだけを分かり合うのさ“が救ってくれた。ああ、他者へわかってもらうことを諦めるという自分本意ではなく、他者を認めるという気持ちを持って接することを認識していたら、こんなめんどくさい人にならなかったのかも、ねえ。時代によって言葉の真意は変わる。


11月26日
定期的に通う中華屋で豊富なメニューを前に悩む時間が好き。お気に入りの品を他の人が頼んでると、ですよね〜って心の中で同意したり、ただのキモい人である。


11月27日
あー休もっかなーっと思うくらいにちょっとダルめで出社した途端に大トラブル報告で、終日対応に追われながら退社。美味しいもの食べたらグッタリがシャッキリして、気分良くなったし寒くなかったからこのまま歩き続けた。住宅街の細い路地をクネクネ歩き、珈琲豆を購入し、まだまだ歩き続けて、久しぶりに立ち寄った店でスコーンを買う。大通りへ出ると車の往来は激しく、流れるテールランプを眺めながらまだまだ歩いた。こんなひとときがある幸せ。


11月28日
晴れたけれど風がとても冷たく長時間歩くのは無理!とはいえ高円寺から浜田山まで歩いた日。


11月29日
久しぶりに大型書店へ行き、気になる本を見つけて購入。たくさんの本に埋もれて迷って決めて買うことの楽しさよ。デパ地下や大型スーパーだとその情報量の多さにグッタリするので苦手だけど、本屋は全然疲れない。


11月30日
tribute To-y本を読む。上條さんの新作の相変わらずの流麗さ!そして参加作家さんたちの愛情と敬意が素敵。私としてはやっぱり楠本まきさんの「Kissxxxx」“新作”!!!85年当時のシーンを描いた設定に泣けた。線の美しさ、端端の愛らしさに、随分と久しぶりの気がしなかった。ああ好きだなあ。それと、おかざき真里さんのイラストには神威と名乗ってらした頃を思い出して、ああ!っと中学の頃の私へ念を送る気持ちでいっぱい。


12月1日
さあさあいよいよ師走ですが、まだまだ走る気がしません。ぐったり疲弊。


12月2日
今日は久しぶりに胃の調子も良くて、嫌な感じが全くない。帰りに坂本慎太郎の7インチ買う。


12月3日
朝からイラ〜ッとさせられるも午後は穏やかに業務終了。/ いつもの中華屋、カウンターに座ったオッチャンが「ビール、それに木耳と卵の炒めも」なんてオーダーしてて痺れる。こういうこと出来る人になりたかった私は下戸。


12月4日
遂に先月買ったコートをシャツの上に羽織る。軽くて良い!ウキウキ。/ uminecosounds
新曲、シングルタイトルは「鮭と犬」。配信で先に聴く。イントロからして、これまでのウミネコなイメージと異なっているので驚いた。バンドサウンドの更新とでもいうのだろうか。ドシっとした印象があるし、何よりギターの音色がヤマジさんな音色ではなく、今のウミネコサウンドに添った音作りがなされている事に、軽く興奮。
DISCOGRAPHY - uminecosounds


今年の冬は特に体調管理をしっかりしないとな。穏やかに師走を過ごせますように。