Another Day January 27

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これが今回のチケ。
元々は昨年3月25日ヤマジ誕生日ライブ。開催したものの当時の状況が配慮され、7月9日に“Another Day July 9”として振替になった。今思えば3ヶ月くらい経ってればなんとかなるでしょ、だったってことだよねえ。更に次年1月26日に再延期となったところ、会場であるZher the ZOO YOYOGI が年内で閉店となり、本公演は特別公演になった。
更にキャパを半分にする必要性から翌日27日が追加、チケ購入者に個別で日程調整がされ、漸く開催本決定。その上「夜の営業は20時までと」謎の取り決めで急遽1時間前倒し。既に閉店決定の中でスタッフの皆さんは、複雑な対応を行ない当日を迎えることが出来たわけで、本当に感謝でいっぱいです。

f:id:mikk:20210131202625j:plain:w400 階段に貼ってあった幻のヤマ字チラシ


フロアは椅子席。個人的には有難い。ザザズはよっぽど前に行かない限り、ステージ上が全然見えなくなるのが困ってたから。とはいえ、最後のライブがこの形態というのも歯がゆい気持ち。
まずは4曲、モモアナイキュウの3人で。teenage kicksにルースターズ ロッカーズ(またやりたいねえって話に「ボーカルの大河出演も終わったしね」と心の中で呟いたよね)スターリンとテンション高く駆け抜ける。
「ここはソロライブを一番やったとこだから残念」とモモさん。

モモさんがハケて、ヤマジさんが魚さんと登場。
「あなたが空飛ぶ鳴き鳥なら いますぐわたしに愛を届けて」
イントロなしで歌から始まる。その歌声が素敵だった。ヤマジさんの歌声好きだなあと改めて思った。そして鳴らされるギターは胸をすいた。これまで「痺れる」「キレキレ」なんて形容してきたけど、そんな音色とは明らかに違っていた。自分でも気づいていなかったモヤモヤがスッ、と晴れた。ヤマジさんは地下ではなくて、空でギターを鳴らしているのだなと思えた。それとヤマジさんの歌う「女言葉」が好き。そういえば普段から口調にテンプレな男仕草が無いんだよね。後でこの曲がシーナ&ロケッツ「CRY CRY CRY」と知った。


そのままシームレスに流れるイントロ、これは!
Modern lovers「She Cracked」・・・!やったーーーー! ザクザクかっこいいいいいいい!
魚さんのキーボードも良き彩りのアクセントで、座りながら頭振り回して盛り上がったッ。


次の曲のイントロ、どこかで聞いた事あるような?でもわからない。そしたらキュウちゃんが歌った!あんなドラム叩きながらなんで歌えるんだろう。後のMCでヤマジさんが「北見のハリー」と言ったので、ストリートスライダースだと察しがついた。セットリストによると「道化物のゆううつ」。後半でモモさんが歌ったアンジーや、さっきのシナロケにロッカーズルースターズ、今日はやってないけどゼルダなど、日本の80年代ロックを私は全然通ってないんだよなあと最近のセッション選曲でいつも思う。


「穴井さん誕生日おめでとうー」とヤマジさん。昨日お誕生日で、ハリーと山下久美子とは生年月日が同じだそう。そんな穴井さんのベースラインがかっこいい Lapiz「Painbreaker」!中盤のヤマジギターもギュインギュイン切れまくる。はー楽しい。


・・・ここで換気休憩タイム・・・


後半1曲目はルースターズ「good dreams」、モモさんの甘い歌声。
続いてヤマジさんが山口富士夫「からかわないで」!びっくりした!3rd特典カセットテープ収録曲。耳に残ってるスカスカでイガイガな感触はなく、ドシっとした土台が気持ちよくウネリ、ザクッカラッとした感触。マスクの下、声に出さずにシンガロングした。ヤマジさんの歌声もとても良いなあ。「からかわないで オレのこと 知ってほしくない オレのこと」こんな歌詞はずっとヤマジさんらしいなあと思ってたけど、そんな若さゆえの自己防衛な感傷は消え、タフにステージに立つ姿が眩しく、嬉しく思った。


んで、このイントロ、キターーーーー!
stooges 「I wanna be your dog」!ハイ、後半の定番。黙ってても座ってても盛り上がるのである。


モモさんのギターの調子がおかしくなって、合間にヤマジさんがハッピーバースデーをギターで弾いて、もう一度「おめでとう」、そしたら蛍の光を弾き出して笑ったり、こういうラフな部分がdipだとないんだよなあ。そして昔バイト先の古本屋の閉店時に流したという、「ヤマジギターで蛍の光」が今日の終演時にかかったりするのだろうか。なんて思ったところで


モモさんの「ロックンロールハート(イズネバーダイ)」
ベタなロックバラードに毎回胸を締め付けられる。思えばザーザーズーへ初めて来たのは2016年「対決」シリーズ、記念すべき第1回(うつみようこさん)だった。その第2回として2017年2月にモモさんと「対決」した時の、ネバダイのギターソロが忘れられない。私はモモさんの叫びの返歌として、「生命力」を感じたと当時綴っている。今回の後半も素晴らしかった。どこまでも高く飛んでいく伸びていくギターの音色。「この場所」は終わってしまうけれど、「ロックンロールなハートはネバーダイ」だし、私たちの想像力はどこまでも生き延びていくのだ。(そして私はヤマジさんの「対決シリーズ」復活を待っています……カジくん希望です……←しつこい)


そこからはグングンテンションUPで、「セル No.8」、アンジー「天井裏から愛を込めて」、Iggy pop「T.V.EYE」(セットリストでは「TV 愛」)、Louie Louieのイントロが聞こえてきたら、ほらあのヒトがやってくるよ、イマイさんー!シークレットだけど来ることみんな知ってた(笑)銀色マッシュな髪型は、こういう人ウォーホルのファクトリーを舞台にした映画に出てこなかったっけ? そして一気に掻っ攫っていくイマイイズム。


オーラスはミチロウさんver.「仰げば尊し」で明るく〆!


受付でスタッフの方に「今までありがとうございました」と声を掛けると、「ありがとうございました」と明るい声。今日で閉店のハコでライブ見たの初めてだ。ザーザズーは開場前の捌きがわかりやすく、受付やフロアの雰囲気も良かった。ここでのヤマジさんはdip以外のセッションのせいもあるけど、リラックスしてる印象がある。前にも書いたけど、モモさんとここでやるようになってからヤマジさんは開けた気がするのだよな。タイミング的にハマったのかもしれない、そういう流れだというか。UKP系列とはいえ、下北や中央線な従来のライブハウスとは異なる雰囲気があった。

f:id:mikk:20210131202343j:plain:w400 入口のボードもヤマ字!

f:id:mikk:20210131205044j:plain:w400 階段にあった、映画「PLANETIST」サイン入ポスター!

予定通り20時前に終了し、ダッシュで出ると電車の乗り継ぎがうまくいき、帰宅は残業後にご飯食べてきたような時間帯だった。ライブ見てきたとは思えない。この1年のあれやこれやの象徴とも言えるライブだった。
代々木駅横のボロボロのビルはもう更地だった。無くなるなんて考えたこともなかった。無くなるのはあっという間だ。ザーザズーは無くなるけれど、他の人が買い取り、違うライブハウスとして残るらしい。


(追記)①ヤマジさんのTシャツがspiritualized / Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space リマスターの黒ジャケだったので嬉しかった。②ラストにもはや恒例ドラムダイブ。dipだと絶対無い姿ね。