トモフ with ヤマジ「1対1」

TOMOVSKYヤマジカズヒデの2マンは初。前もあったよねえと思ってたら、これまでの共演は2012年uminecosounds@nest、2019年3人のバンド@queなので、代ゼミ津田沼校同級生が遂にソロで対バンです◎  今更の記録ですが2月19日(土)下北queにて。


ヤマジカズヒデ
のっけからスペーシーなSEを聴かせ「今日は宇宙に……」「(回転する音の後に)……あ!危ない!(笑)」といったMCで笑わせる。家でこういうのいじってはエンドレスで遊んで研究しているのだろうなあと微笑ましい。にしてもトラックの作り込みが更に向上、音質の良さに驚かされた。生のギターの響きに合わせても遜色なくて、選曲もあってか亀コアとかでヤマソロをよくやっていた時期を思い起こし、ホンジョウさんが舞台にいるような気がした。ベラさんとメールで情報交換しながら作ったのかなあって錯覚にも陥った。そう、実は今日の裏テーマは「召喚」かもしれない……


選曲はメモとして以下。流れもよかった。馴染みの曲も織り方が少しづつ変わって一段と深まったり。 garden,ハルシオン,sexy sadie,lost cause,ばるぼら,世界を止めて,天使,since yesterday,i’ll

MCもちょいちょい挟むリラックス具合。“ハルシオン”“ばるぼら”にはグッとくるなあ……。“i’ll”も最近の定番化かな?ふっと90年代初頭を思い出しつつ、歌い上げっぷりには若いときには無いまとまりを感じて嬉しくなる。
“大木がTシャツ着てきたということで”「世界を止めて」のカバー、以前もyoutubeに挙げていたけれど、甘い歌詞の後のギター炸裂がとても良い。


TOMOVSKY
ひとりトモフ、というのでしょうか。とはいえ何度も「トモフ、じゃない、大木」と言っていて、ヤマジさんが「大木」と呼ぶからなんだけど、「トモフ」でも「トモくん」でもなく「大木」呼びを崩さないヤマジさんの人柄も、それに合わせていつもとは変えて、自称「大木」なトモフの人柄も良いなあ。以前の共演の時に自曲にギターで急遽参加させ「オレはヤマジの無駄使いをしているーーー」て名言があったけど、今回はヤマジさんが「“タイクツカラ”をカバーしたかったんだけど難しくて諦めた(んでもヤマジさんがこの曲カバーするのめちゃくちゃ聴きたい!歌詞も曲調もヤマジさんに合う!)」「さっき唄った曲いいよねー」などと発言多数。こんな風に共演者に言うヤマジさんは珍しいと思うのヨ。

・「代ゼミ津田沼校時代からの知り合いなんて、実は一番古い付き合いなんじゃない?!」と言ってからの〜 “疎遠“ーー♪ また新しい疎遠 作ってしまいそうーー て歌詞に笑
・「この間自分の昔のCD聴いたらさ、丁寧に作ってるなあと今の自分を反省するよね」と言ってからの〜 新曲 “反省”ーー♪ そんなことないよ~ トモフは頑張ってるよ~ と客に強制レスポンス要求 に笑

てな塩梅でMCと曲がシームレスに繋がっていて、「漫談歌人」っぷりを実感。“ウイッキーさんの歌”とか、そうきた?!的な。
途中ヤマジさん呼んで、「リハでもやってないんだけど〜」と舞台上でざっくり説明して“ 地球最後の日“、これまでも対バン相手にいきなりやらせてると思うけど、ギターの凄まじさは最高峰であろう。
しゃら〜んと歌う様は、以前も思ったけどジョナサン・リッチマンぽい佇まい。ドラムセットの中に立ってギター弾きながらバスドラ踏んでリズム取ったり、シンバル叩いたり、、、な姿もあって、ヤマジさんがジョナサン・リッチマンとモーリン・タッカーぽいと書いてて、なるほど。
素質が純粋培養された絶対真似できないヘロヘロっぷり。でもギターフレーズにヤマジさんと共通のものを幾度も感じて、生まれた県も年も一緒だし、若い頃に好きで体に染みた音楽も共通してるよねえ。

最後は「補習」と称してセッション。何やるのかなーと思ったら、まさかのヴェルヴェッツ!“I'm Waiting for the Man“で驚いたー。トモフのバッタンバッタンした揺れにばっちり呼応するヤマジさん、そして “Femme Fatale”では「ハロウ〜」と裏声カタカナ英語、ニコを『召喚』させたトモフが素晴らしい。ある意味狂気なセッション。
それからトモフの“skip“、この曲の歌詞にも込められるトモフの諦念と虚無はヤマジさんと通じるものがある。ミュージシャンは影響を受けた音楽で繋がるものだけど、精神性な部分も本来的には大きいはず。
最後はシナロケ“レモンティー“、トモフがドラムセットを叩きまくるッッ!ヤマジがギターでそれに応えるッッ!!観客大盛り上がりッッッ!!!


やー、期待以上の楽しさ満載の対バンであった。トモフとヤマジ、代ゼミが生んだ長い友情に乾杯。“新しい疎遠”といわず、またお願いしまっす。