私の生活改善運動

先日開店したばかりの本屋へ行った。最近増えている「選書」がウリの個人店舗で、この手の店の蔵書は概ね似通っていて、乱暴に云えば柴田元幸岸本佐知子による翻訳や今なら韓国作家など、一定の海外文学を好む真面目な印象を感じてしまう。ただこの店は古書もあり、ギャラリーが併設されているので、もう少し幅が感じられる棚を眺めながら気になったZINEを手に取った。
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「私の生活改善運動」というタイトルでこれまでvol.3まで出ているシリーズは他の店で見かけたことはあったけれど、購入には至らなかった。しかし新刊のvol.4は、表紙イラストと副題の「まちへ、道へ、未知へ」に惹かれてレジへ向かった。この店の空気が手に取る気持ちにさせたのだと思えた。

八月末のある日、思い立って自転車を買った。自転車があれば、横浜のあちこちにもっと気軽に行けるようになるだろうという、生活改善の一環のつもりだった。だけど、自転車が納品されてから一ヶ月の経たないうちに、自分でも説明ができないような変化が起こった。

筆者の心の高鳴りが自転車に乗って、流れていく風のような文章を一気に読んだ。とても気持ちよかった。
とはいえ私も自転車に乗ろうと思わないのは、今の生活圏では危険すぎるからね……(死ぬようなものである、マジで)

何か一つのことが自分の中に小さな革命を起こし「生活が改善されていく」って素敵なことだなあと、じゃあ私はどうしようかなと楽しく考えているところだ。


作者の安達茉莉子さんはどんなかたなのだろうと調べたところ見つけたインタビューを。
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