9月の終わり、10月の初め

9月5日 いくつか見たいライブがありY氏に告げると「うーん、もうライブはいいかなあ。ずっと突っ立って見るの辛いというか、歩いた方が楽しいかな」と言われた。元々ライブに積極的に行く人ではなかったけど、その域に達した感。



9月6日 イエセイセシーは20年後くらいに再評価されるといいな……(もはや諦め)



9月7日 姿勢教室の帰りは背筋が痛い。如何に今まで使っていなかったのか。



9月8日 疲れてしまい、夕飯はおにぎりを買う。栗ご飯。



9月9日 教えてもらったり指摘したり、さまざまな人がさまざまな在り方で暮らしていると実感したり、会社で日々勉強させてもらっているなと振り返る。



9月10日 掛井五郎さんの個展へ。亡くなっても作品は残り、お逢いできるのだなあ。夜空には中秋の名月がまあるく浮かんでた。/ ブラタモリ「恐山」行ったのは2014年。地形地質がつくりだした土地が様々な要因で何万年も掛けて出来た光景に、人間が畏怖を感じ、想起し、死者への想いを投じ、その想いを受け入れることが出来る特異な「巨大な空洞」なのだなとあらためて認識した。



9月11日 目の奥が寝てて動く気しない一日。/ USインディーを聴きたくなる空気を孕んだ曇天の朝から数時間経ち、floristの新譜を聴いているあいだに晴れてきた。ぼーっとしてしまう日は食べる気がなくなるし食べると怠くなるけど、食べないとエネルギー不足でぼーっとする。
https://magetears.bandcamp.com/album/cats-in-the-cold-2
たまたま見つけたアルバム、好きだなあ。盤で欲しい。ジャケもかわいい。



9月12日 このあいだ久しぶりに食べた某店のカレーはとてもおいしくて、そのおいしさは他とは全然違った。他の店もおいしいし通ってるとこはいくつもあるけれど、研ぎ澄まされ方にハッとする。音楽でもこういうの、あるよね。ギターの音色。隙間の深さ。



9月13日 会議で疲弊。



9月14日 ゴダールが死去。自分で「FIN」を付けた人生。その脳裏にはどんなショットが浮かんでいたのか。初期作品がメインに語られがちだけど、「ソシアリスム」の凶暴な音と映像が時折弛緩するバランスもスゴかったし、「さらば、」も新しい技術で遊んでいる様が面白かったし、歳を取っても過激な作品を作り続けるパワーに恐れ入った。だからこそ、編集出来ない自らの身体が苦しく、この手段を取ったのだろうか。



9月15日 会社お休みして、曳舟から京島、立花、向島、桜橋を渡って、浅草、千束、入谷、根岸、谷中、千駄木まで。歩行距離11キロ。久しぶりの街から街へ。秋の遠足楽しかった。



9月16日 仕事、細かなこと出来たし今日は一日気持ち良くこなすことが出来、夜は馴染みの店で食べた鰯コロッケが美味しかった。/ 「石子と羽男」良いドラマだったな、勿体ぶらずテンポ良く描くことで、深めることは視聴者に託すという信頼を感じた。



9月17日 夜は下北でヤマソロ。終了後高速で帰宅し「初恋の悪魔」を観た。



9月18日 朝からボーッとしてしまうのでY氏と出掛けて、中華食べたりレコード見たりして過ごした。台風接近中で雨足が不規則な強弱を続けていた。



9月19日 台風接近でガーッと豪雨・晴れの繰り返し。そんな天候のせいか、メディアにも頻出し行列店になったカレー屋の前を通りかかったら、まさかの並びゼロで急遽お昼をここで食べた。何年振りかのあいだに私の味覚が変化したのか、おいしいけどそこまで…な印象。/ 夜はエリザベス女王国葬を消音したテレビに映しながら、Y氏が買ってきたばかりのインストのCDをかけていた。暫くしたら雨音がぽたんぽたんと聞こえてきたので「降ってきたね」と言うと、「違うよ、今かけてるフィールドレコーディングのアルバムだよ」・・・紛らわしいよ!



9月20日 朝激しい雨。在宅勤務で7時から開始、雨は降ったり止んだりの中、業務終了。在宅だとお腹空かないなと思いながらスーパーに行き、きのこ豚汁にした。



9月21日 昼休み、晴れてるみたい(窓は自席から遠く、ビルに囲まれているのでよくわからない)なので外に出ると明るくて涼しく感じる気候が嬉しい。ぐるっと散歩 / 小出亜佐子さんのSarah Recordsに関する文章。小出さんの文章読むといつも言葉の端々が胸にクッと来る連続で、好きな音楽に対する愛情が正直で真摯な想いで綴られていてお人柄の素晴らしさを感じるし、素敵だし、こんな感情を伝えてくださって感謝の気持ちでいっぱいになる。
note.com



9月22日 仕事終わりに映画館行こうと思ってたけど、夕方には「無理!」と体と脳が叫んだ。



9月23日 雨が降りそうな空。イメージフォーラムで「アザー・ミュージック」を見た。昨年配信で見て熱く語ったけれど、また書くよ・・・



9月24日 雨を気にしながら外出、お昼に頼んだフォーはぬるかった。移動して六本木、ギャラリー巡り。六本木ピラミデとcomplexにて展示いくつか。ピラミデは91年竣工らしいデザインで好き。

当初のお目当てはあまり面白くなく、隣のギャラリーで見たwalfgang laibは主は立体だけど、アイデアスケッチのような素描が良かった。complexへ向かい、シュウゴアーツで丸山直文「水を蹴る」は夕空のぼやけた色が美しく、TomioKoyamaで上田義彦「Māter」は写真というよりもこの方の網膜を見ている気持ちになった。
shugoarts.com
tomiokoyamagallery.com
移動して花屋のなかのレコード屋へ。品揃えがウチの棚か!と言いたくなる傾向あり。良いの買えた。嬉しい。/で外へ出たらいかにも雨が来そうで早歩きで帰宅直後に土砂降り。/ 夜は「初恋の悪魔」最終回。この人の脚本は「大事なのはちゃんと自分のままでいること」をただひたすら伝えるために、変奏しつづけている。名言のオンパレードだけど、その言葉を発する役者あってこそで、言葉で語らない部分にこそ宿っていた。



9月25日 髪を切る。イメージ通りのスッキリさになったかな。その後は散歩。晴れた道では猫がいたり、樹木の葉がオレンジ色になっていたり。



9月26日 帰りは一駅前で下車して歩いた。暑くもなく涼しくもなく、"ちょうど良い"塩梅の空気に驚いた。



9月27日 今日に至るまでのアレコレはああいう人たちが飲み込まれずにはいられないほどの空洞なんだなあ。その空洞に装飾して平然と出来るのは厚顔無恥だからこそで。



9月28日 朝窓を開けたら金木犀が薫って、Y氏と話した。夜、うちの前に着いたら朝よりも濃厚に薫っていた。ネットでも金木犀の薫りの話題をいくつも見かけた。そんなことが希望だなと思う。



9月29日 仕事で憤ったり笑ったり感情が忙しい。



9月30日 若い子が「もう10月だってー、早すぎるよ!」と言っていて、年寄りの私もそう思う。



10月1日 会社お休みして帰省。電話で話しているとおりの父で良かった。



10月2日 電車に乗って大きな街へ。普段車ばかりの父は電車に乗るのは久しぶりのようで、電車に乗って通学した高校時代を思い出したようだ。駅に着いて最初はバスに乗ったけれど、あとは自ら歩くと言い出し、一日中歩き通した。私の方がくたくた。/ Y氏の発案で図書館へ。父が母親から聞いていた街の記憶の断片を、リファレンスサービスで伝えて司書さんにキーワード検索してもらうと幾つかの郷土資料書籍を出してもらった。写真で「コレ!」というものが見つかり、朧げな記憶は正しかったとわかり、父は嬉しそうだった。家のアルバムにもない、消えてしまった風景と朧げな記憶の風景が結びつき、自分のルーツの断片を辿れてほっとしていた。家族の歴史は街の歴史の中にある。こういった試み、まちづくりや高齢者対策にも役立つのではないだろうか。



10月3日 東京へ戻る前にローカル線に乗って降りた駅から歩く。ひとけの無い道をひたすら歩き続けるのなんて、随分久しぶりだ。日差しは強いけれど、少しづつ色づいた葉を見上げ、カラッとした風と広がる空が気持ち良い散歩。山の代わりにビルが増えて、東京へ。



10月4日 仕事、どうすれば改善するんだということばかりでどんよりする。諦めずに指摘続けるしかないのだろうけど虚しい。それは国に対してもなんだよな。/ 筋トレが自己啓発に繋がるのもわかる気がする今日この頃。筋トレはわかりやすいもの。



10月5日 天気痛アプリでは「強警戒デー」だけど特に不調もなく、何年もかけて、漸く影響を受けない体になってきたかなと嬉しい。/ 帰宅時、Y氏が妙に喋り続けるので元気だなーと思ってたのに、8時半過ぎに急にコクッと居眠りし始め、9時前には「寝る」と布団に入ってしまった。きっと明日は4時起きだね・・・爺や。



10月6日 急に寒さが襲ってきた東京。Y氏ワクチン接種。ちと腫れた程度で熱は今のところ無し。



10月7日 遂に中綿ジャケットに首巻きで外出。/ 優先順位の付け方に「今楽なほう」を取るか「今後どうあるべきか」を取るか。自分のことは棚に上げて考える。歳上世代と慣れた曲やるよりは、若い世代や新たな場で鳴らして欲しいんだけどな。

consequences

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