12月の終わり。

・AIに過去の日記を読み込ませて、過去の自分と対話させる試みがあるらしい。ヨシッ!音甘映画館も……って、恐ろしいよ!(震え)



12月5日 グッと寒くなった。遂に冬のコートを着てしまう。



12月6日 オフィスビル電気代節約のためか廊下が異様に寒いし、トイレの手洗い水栓は水しか出ない。/ 夕方の会議と不備指摘でドッと疲れて夕飯は買ったコロッケ。/ 気候変化のせいかY氏珍しく体調不良



12月7日 午後はお休みして、三菱一号館美術館の「ヴァロットン―黒と白」へ。何年か前もここで一部作品を見たけれど、やっぱり良いなあ。黒と白のバランスがバシッと決まっててカッコいい。木版なんて信じられない!でも今回は群衆や子供を描いた作品に目が行って、表情の描き方が愛らしい。それにしても平日午後なのにけっこう混んでてびっくりした。
mimt.jp
そのあとは銀座の外れにある森岡書店で「ポール・ヴァーゼンの植物標本」の展示を見た。標本の現物が並べられていて、枯れているのに生々しくて、豊かで、気品があって、100年の時がぎゅっとやってきて、素晴らしかった。彼女の、自分だけの、ささやかな愛おしさ、その喜びが伝わってきた。



12月8日 本日父81歳。今年はいろいろ大変だったけど、今もひとりで店に立ち、菓子を作る日々。今が一番楽しいと言うのはすごいとつくづく思う。長年作り続けている商品も材料を変えて去年の3倍売れてると嬉しがり、若い人から年配夫婦までお客様とお話しすることが楽しいし、生活費は自分で稼がなきゃとまで言っていて、尊敬する。



12月9日 ナンバーガールが朝の情報番組に出演でビックリだけど、キャラが出来上がっているのもやっぱりすごいなあと改めて思うのであった。こういう愛嬌と存在感ってロックミュージシャンに必要よね……(虚空に向かって)そのあと24時間限定配信のライジングサンでのライブを見た。ヒサコちゃんかっこいい〜〜。熱量を剥き出しにしてるからこそ、グッと惹きつけられるのだよなあとこの間観た某バンドのライブを思い返す・・・。ナンバーガールやミッシェルの演奏を聴くと、剥き出しな感情の激しい熱量とクールでソリッドな佇まいが同居してて胸の奥がカーッと熱くなる。オンタイムでは既に若かりし青春を過ぎていたこともあって、その熱に触れることをためらっていた。
『ライジングでのNUMBER GIRL』 24時間限定配信決定! | RISING SUN ROCK FESTIVAL 2022 in EZO



12月10日 夏の終わりに実家に帰ったときに廊下に掛けてあったコート、「あ、これお母さん着てたなあ」って見てたら父が「持っていって」と言うので有り難く頂戴した。着てみると不思議な気分。

この間レコ屋で迷ったけど買わなかったhis name aliveの12inchをY氏が買ってきたのでビックリした。



12月11日 広い公園の銀杏の黄色は青空に映えていて、隣の巻き貝な滑り台は愛らしかった。いつも1人では楽々と歩く距離もY氏とだとドッと疲れる謎(笑



12月12日 マニュエル・ゲッチングの訃報を知ったのち、「東京物語」を見ている。久しぶりに見たけど、変な映画だなあ。画面はキメキメなのに、のんびりしたテンポで淡々と人の心の奥底を射抜く。以前よりも画面構成にハッとするようになった。小津安二郎の生誕120年であり命日でもある日だった。



12月13日 仕事で依頼メールをしたところ、返答に「その人」が見えて面白い。目的や解答例を記しているのに、指示通りの回答をしない人がいる。回答に不足があったり、不要なことを書いたり。なんなんだろうか。わかりあえないことをわかりあうのさって気分である。/ エルピス第8話、重い暗さが増し続けるところにひょっこり飛び込んだ武田"松尾スズキ"信玄のテンション高い明るさに笑って泣いた。このシーン差し込んで終わりってすごい。



12月14日 業務に疑問を持つって大切だし、その意識を共有して動くことができる人が同僚にいるのは精神衛生上ありがたい。  



12月15日 今朝の空は雲と光が織りなす模様が美しい。オレンジの光が隙間からくっと出ていて目の奥底に焼きついた。



12月16日 今日も仕事で笑ったり怒ったり呆れたりして1日終わった。



12月17日 昨日の昼から消化不良が始まって、朝はボーッとしてダメダメだったので腰湯して、昼は近所のカレー屋さん行ってスパイス効果で血が巡る。/ 父から電話「人には笑いがあるのが一番だよ」/「おんがくこうろん」ジョン・ケージの回。司会進行は勿論、ゲストの人選(失礼ながら高橋アキさん存じ上げず、Y氏に驚かれた。お恥ずかしい)も的確で、意志が隅々にまで行き届いている番組だと改めて。「たくさんの音をこだわりなく聴いて耳の筋力を鍛える」という言葉にも納得。



12月18日 dipのライブを夢で見た。ステージに女性ゲストがいてスーサイドのカバーをしてた。今までと違うアプローチにめちゃくちゃ感激して興奮してるという夢が現実になるといいな。/あまり来ないエリアである石神井公園駅でチャーミーちゃん展を見てから、バスに乗った。歩きとは高さの違う風景も楽しいし、バス停の名前は街の歴史を考えてしまう興味深さがあった。/ バスを降りたのはなかなか足を運ばなくなった街で、通りの店舗の変化を感じながら珈琲屋へ。小さな店内は音楽を鳴らさず、湯を沸かす音、豆を挽く音、クーラーのモーター音が静かに響く。オレンジの灯の向こうのじんわりと結露する窓を眺めながらぼんやりしたり本を読んだり。不思議なクセのあるモカ、美味しいな。こんなひとときを有り難く思う。/ 夜は鎌倉殿最終回。開始前は三谷脚本に小栗くん主演がピンと来なかったことをお詫びしたい。たった1年で年十年も歳を重ねた説得力。凄まじい最期だった。チーム感は小栗くんだからこそ培われたものだろうな。笑いはもちろんのこと、サスペンスにも造詣の深い三谷さんだからこその展開。歴史として語られる縦線はスキマだらけなわけで、それを想像という糸で編み上げた1作。「真田丸」よりも明らかに作風が深まってた。2022年は「鎌倉殿の13人」を観た、という歴史が残ったのだなあ。



12月19日 鎌倉殿の残像のせいか、全然眠れなかった。たくさんの出演者すべてがあの時代に生きてて、その複層が楽しかったし、でも姉弟の物語として終わるという閉じ方 、1年間に何十年もの歳月が流れながらバッと幕を下ろした様がかっこよかった。



12月20日 テリー・ホールの訃報を知り、信じられない気持ちを抱えたまま帰宅時間になり家へ向かう電車の中で気持ちを書き留めたと同時に、マーティン・ダフィの訃報を知ったタイミングで最寄駅に着いた。テリー・ホールは私にとってはカラーフィールドが最初で、当時知ることはみなキラキラしていて、憧れに手を伸ばす感覚だったなあと思い返す。岡崎京子が描いたテリー・ホール思い出すよ。マーティン・ダフィはプライマルがオンタイムで、同時に「え、フェルトの人なの?」って驚いた気がする。どちらも高校の時からずっと私の近くにいた人たち。これからもずっとここにいていつも素晴らしき音を奏でてくれるのだ。



12月21日 同年代の同僚3人とも、1人でラーメンも牛丼もマックも入るの無理と言っていて驚愕。/ 歩き方教室、姿勢が良くなったのは確かだけどまだまだ課題が山盛りで、厳しいのぅ。



12月22日 朝方目が覚めると頭の奥がチリチリした。雨で暗く寒い。しかし今日は仕事を休んだので、ゆっくりと過ごした。そうだ、と思って柚子の絵を描いた。/ 昼前に外出すると雨足は弱まっていて、大きな街へ着くとほぼ止んでいた。今年開店したカレー屋さんへ。よく行く店の元スタッフさんで、常に丁寧で優しい接客のお人柄が滲み出ている味わいでとても美味しい。/ 移動して湯島のギャラリーにて「ユートピアのテーブル」、多摩ニュータウンを舞台にした展示ということで見たのだけど、参加者が語りたい"ナラティブ"の記号として団地を用いているだけと感じた。団地といっても住宅の区分で異なる生活を一括りには出来ないのに語り口が一辺倒なのも気になった。/ そして表参道へ。年末恒例のお二方の個展。HBギャラリー:牧野伊三夫さんの深く重い色味、OPAギャラリー:平岡瞳さんの柔らかなグラデーション、静寂で寡黙な風景画がじんと豊かにむねに響くのはお二方それぞれの心象が伝わるからだろうか。歳の瀬感が年々薄くなるけれど、このお二人の作品をしみじみ感じて毎年師走を過ごすのです。
HB Gallery | Blogお知らせ1 - hitohito1103 ページ!




12月23日 会社、他部署の無責任な対応に激オコ / 馴染みの店で晩御飯、しみじみ美味しい。良いお年を、とご挨拶。脂ほぼ未使用だからか、私でも消化が早くて驚いた。



12月24日 クッキリ晴れた空の散歩は楽しい。立ち寄った店で本を買ったり、ギャラリーで絵を見たり。夜は近所のカレー屋さんでテイクアウトしてお皿に盛り付けて。/ ほりはたまお展「親愛なるもの」好き!こういう線と色、良いなあ。
ほりはたまお展「親愛なるもの」 | nidi gallery



12月25日 ケーキもチキンも食べないしプレゼントもしないけど。

昨日よりはあたたかく、カイロ無しで外出。/ 時折行く街でご飯食べて、今までならば西の大きい街まで歩くけれど人多そうだしつかれそうなので、東へ歩いた。私の中の選択の変化を感じる。今まで歩いたことない道の新たな発見もあり楽しかった。/ 小山田くん、元旦のラジオ番組代打出演だそうで。もうこの手の大きなマスメディア絡みの頼まれ仕事は断ってもいいのではないかしら。大きなお世話か。/ 欲しかった「ドイツの家と町並み図鑑」を今日訪れた街で見つける。デザインも写真もスッキリ素敵で、各地の建物を街と時代背景を踏まえながらディテールまで丁寧に紹介していることに意志を感じる。この手の書籍でこんなバランスって珍しいのでは。ふむふむと読んで眺めて。とても楽しい◎ 「わ、素敵なおうち!」とトキめくいつもの散歩をしているみたいに読み進める。
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12月26日 昨日は実際の街でも見かけたしネット上でもそんな話題があるくらいに、チキンやらケーキやらピザやらどこも行列で、そんな状況なのはいろんな無理と呪縛がかかってるんだろうなと思ってしまう。/ BS松竹東急で放送中の「幕末太陽傳」を流しながらの晩御飯。贅沢だねえ。



12月27日 年末恒例の無責任な放っぽり出しに頭沸騰しながら、数年前よりはマシかとは思う。/ 「エルピス」最終回。視聴者よりもマスコミ関係者に向けた「旗揚げ」で、台詞が「ザ・台詞」なところは気になった。わかりやすく語らせすぎで、映像に任せることはしていないというか、そのあたりはテレビドラマなのかなあ。先週の松尾スズキ演じた武田信玄の1シーンだけで私は救われたからそれでいいやという感じもある。 瑛太さん見ながら思い出していた豊田監督の「モンスターズクラブ」、どちらも撮影 重森豊太郎さんで、コーネリのmusicとかfit songとかも撮影手掛けてたー!わーこういうの嬉しい。



12月28日 年々益々のことだけど、今年は特に歳末感も少なく、仕事の恒例業務もけっこうサックリ終えてしまって、まあ結局年明けのことを日々考えてしまうわけだし、「納め」というものもよくわからないけど、良いお年を〜と会社を出た。/ いつも金曜にご飯食べに行くNo.1の店はもう休みで、もう1店舗は最近なんか行きづらく、それで今年から行き始めた店に行こうとしたけどなんか疲れるなあと感じてしまい、結局ウチの近所にある土日昼によく行く店に行った、年内行けなさそうだし。そしたら夜は店員も違うしBGMは昭和歌謡だし客と話してる飲み屋ノリな感じで、助けて〜と思いながらずっとスマホ見ながら待って、ごはん速攻で食べてしまった。/ 近所なので帰宅時間も早かったのだけど父と電話した後、テレ東で「閉店する老舗中華屋」の番組を見て悶々としてしまう。91才になっても2代目息子夫婦と厨房に立ちテキパキ仕事をするおばあさまは素敵だったなあ。孫が「閉店して同居しよう」と勧めた結果だそうで、「この歳まで仕事をさせていただいて」という言葉が胸に残る。「閉店を決める」って大変な決断を出来たことがすごい。店=店主なのだから。