ニキチ!カズ!カズ!カズ!ギョッ!

穴井仁吉 64th Birhday Live マキシマム・ニキチ!カズ!カズ!カズ!ギョッ!」なんとも長く不思議なタイトルだけど、出演者:百々和宏ヤマジカズヒデクハラカズユキ穴井仁吉、細海魚の名前が由来。このメンツというと"代々木ザーザズー"だけどもう無いので(悲哀)、"新代田fever"。久しぶりに来たけど、観やすくて息吸いやすかったー!(このあいだのQがトラウマ) 駅前・出入りしやすい・開場-開演間30分なのも最高。


当初ヤマジさん不在で百々さんパート。モモさんのロックンロールでポップな唄声が気持ち良く転がるコステロの「pump it up」のあとに、オマージュのような自曲「オーバーヒート49」で魚さんのキーボード炸裂。そして「ロックンロールハート(イズネバーダイ)」、ヤマジギターじゃないのかあと寂しい気持ちはあったけどこの曲はやはり素晴らしい。特に後半のエモーショナルっぷりはライブだと更に強まって胸を締め付けられる。泣けた。想いを演奏に臆することなく載せることが出来るのは大切だな。pvも大好き。
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休憩挟んでモモさんからヤマジさんへバトンタッチ。モモさんがボーカル/ギターでヤマジさんはギター/ボーカルの、差異が感じられる選曲。kula shakerのほうを思い出しちゃう「hush」が以前やったときよりもしっかり唄っててよかったな。

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それと久々にピンクフロイド「Lucifer sam」!キュウちゃんドラムだとヨタっとしないから曲の骨幹が感じ取れる。「Break on through」はdipで定番化したカバーだけど、リズム隊が違うとこんなに違うんだ!と驚き。穴井さんの太いベースラインとキュウちゃんの強靭なドラム、魚さんの鮮やかなキーボードがクッキリと。音作りを任せギターを抑えていると感じた。これは全編に渡ってのことで、こういう場でヤマジさんが参考にするギタリストは誰だろうか。このところの音色の佇まいの変化にも今惹かれているギタリストは誰なのかと思わせられる。


後半はみんなで、ルースターズロッカーズ・ストゥージズなどお馴染みのカバー連投で、フェスぽい感じ。アンコールはまたしてもイマイアキノブさん登場。カーペンターズの「superstar」! sonic youth版のようなダークな雰囲気で嬉しい〜。

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「hush」はディープ・パープル、「superstar」はカーペンターズで有名な楽曲(且つどちらもカバー)だけど、前者を97年にクーラシェーカー、後者を94年にソニックユースが手掛けたカバーが私には印象的。今日の選曲は私にはやっぱり上の世代観があるなあ、なんて流れで聴くと諸々の分水嶺を感じてしまう。モモさんより下の世代だとロックカバーの選曲ずいぶん違う気がするし、今の20代には60年代も90年代もフラットだろう。私が80年代の終わりに古臭く感じた《ロック》、その代替としての《オルタナティブ・ロック》ももはや《オールド・ロック》であり、《ポストロック》ですらその枠に入っているよ…ねと震えてしまう今日この頃。ロックの伝統芸能化を思うのであった。