ヤマジカズヒデ+田渕ひさ子

2人の共演は
JUST FOR ONE DAY - 音甘映画館 2018.5.20
JUST FOR ONE DAY - 音甘映画館 2018.10.27
ヤマひさ 誕生の巻 - 音甘映画館 2018.11.24
を記録している。2018年に立て続けなのね。この3回ともとても良かったし今回も良かったなあ。2月24日下北沢queにて。


1曲目は「cue」過去にもヤマジカバー有りだけど、今日はユキヒロさん追悼の気持ちもあるのだろうか。記憶の中の切なさと浮遊感ではなく、ひさ子ギターにより骨子がしっかりした印象。


続く2曲目は「諦念プシガンガ」!!!イントロでドキドキしてしまった。ひさ子さんの透明な歌声とヤマジさんの冴えたギターが重なると原曲が持つ深く鮮烈な想いが一層浮かび上がり、先程ユキヒロさんを思い起こしたからだろうか高く広がる空を想起した。真夏の真昼の、強い光で青が真白く飛んだ、高い空を。


3曲目は「days」!トム・ヴァーレインも空に行ってしまった。しかしギターの響きは継承され地上で生き続けるのだ。その想いが感じられる、2人の音は同じ波動で響いていた。


4曲目「one of us」前回聞いたのは去年近藤さんとのライブのときで、演るキッカケを知りたいなと思うのは、Joan Osborneによる95年の大ヒット曲がヤマジギターゆえに「90年代USバンドの曲だっけ?」と勘違いしそうになるからだ。「オルタナ轟音切なメロディ」に昇華されっぷりが凄まじく、終わり際のギターにdip「too far to want」的な霞む夕暮れを思い出す。


そしたら次5曲目がdipの「lung」ですよ!きゃー。久々に聴いたけどやーいい曲です。この切なメロディがたまらない。ヤマジさんの曲のあとはtoddleの「thorn」ひさ子さん、好きなギタリストの曲と自身の曲を共に演奏する気持ちってどんななんだろな。嬉しさと緊張と。
「好きなミュージシャンと一緒にやるのって嬉しいし弾く姿見ていたいんだけど、そうすると自分が弾けなくなるよね」
「そうなんですよ!さっきもヤマジさんのギター、ほーっと見惚れちゃって、でもやることあるし」
ひさ子さんが特に好きなdipのアルバム/曲はなんだろうな。前にモモさんが「dipを知ったキッカケは、ひさ子(さん)がUKP1st出たときに超オススメしてたから」と言ってたケド。


7曲目は「時の過ぎゆくままに」をヤマジさん、8曲目「スローモーション」をひさ子さんがそれぞれ歌う、子供の頃のヒット曲繋がり。ここでひさ子さんがカホンで参加の岩田栄秀さんに「今日やる曲知ってました?」と話を促すと、「全然知らないですね…」と返答。「やっぱり、、もしかしてとちょっと思ったんですよね…世代……」するとヤマジさんが「オレは大先輩とやることが増えて、フジの苗場食堂は直前にやる曲決まるんだけど『知っちょるやろ?』と当然のように曲振られるからね……知らなくても『なんとなく知ってます!』とか言うんだけど」と笑わせる。その後の「博多人」トークで、ひさ子さんのナチュラル博多弁かわいい。

カホン、当初は2人だけのつもりが、リズムあったほうが奥行きがでるよなあと高橋浩司さんに持ちかけたところ都合が悪く、高橋さんがスタッフでもあるqueでその日ライブだったThe Songbards ドラマー 岩田さんに依頼し了承、なんとわずか「3日前」! ヤマジさんから送られた選曲デモ(演奏のみ)で練習するも「知らない曲」ばかりとは・・・しかし、先輩の動きをつぶさに見据えて的確にカホンとシンバルでリズムをつくり、素晴らしかったです。受け答えも真面目でしっかりしててねえ(オバチャン目線)。調べたら岩田さん、94年生まれだったよ!ギャフン!カート・コバーンが死んだ年ダヨ!!(ワスらは恐らく上の世代にしたら"ジミヘンもう死んどるがな"だわな)


続いて9曲目は「shady lane」岩田さん3歳の頃の曲(しつこい)ですが、「この間行ったライブでやらなかったんだよ……」とヤマジさんの恨み節が入りつつも明朗で高らかなカバー。


「次の曲はギターがほんとすごいんで」とひさ子さんが上げたハードルを更に上回るイントロの構築が凄かった。繊細で揺らぎながらも強靭で、でもとろみがあって、息を止めてしまう。空気が変わったその曲はzelda「water lover」。ギターに徹することが出来る今回は、今までよりも深い深いところまで響かせていた。原曲だと頑なで閉ざした印象を受けるけれど、ひさ子さんは凛とした佇まいを芯に持ちながらたおやかな余韻を残して歌う。


11曲目「these days」を経てラストは「killing moon」。最後「delay」を絡めながら、2つのギターは両翼になって羽ばたき高い空へと広がる音は胸に響き全身が震えた。素晴らしかった。


アンコールは「son of a gun」めちゃくちゃ合うな〜〜。よいライブをありがとうございました。


今回はMCでギター談義を繰り広げるのも、お二人のお話し聞かせていただいてありがとうございますという感じでねえ。ひさ子さんの返答に「なるほど!発見!」な反応を都度するヤマジさんの探究心もすごいよなあ。「人柄出るのよ、音には」とボソッと言うのもなるほど。
選曲はヤマジさんが全部決めてデモ送ってひさ子さんそれに合わせて練習だったようで、言わばヤマジさん主導だからやりやすかったと思われる。先輩に喰らい付いたり可愛がられたりもいいけど、後輩や更に下の世代ともやってほしいな。あとロックフィールドにいないギタリストとの共演を聴きたい。