2月の終わり、3月の初め

戻ってきたことを実感した。みんな仰せの通りにおとなしくしてたんだなあ。会社でも「日本の社会」はこうやって成り立っているのだと落胆させられた。ああそれでも私は私の正しいと思うことをきちんとし続けよう、あちらがそのつもりなら私はやり方を変えればいい。

フルーツパーラーフクナガが閉店した。私と誕生日が1日違いなので今年行くの楽しみにしてたのに。よく行ってたの、20-15年前くらいと気づいて動揺。ネットのせいか行列が目立つようになり遠のき、アイスやパフェ食べないようにしたこともあって全く行かなくなってしまった、、パフェ食べてあの界隈散歩するの好きだったなー。そういえば実家の菓子屋も昔は若き父が始めた喫茶があり、今も「若い頃はここでパフェ食べるのを楽しみにしてました」と言われるらしい。思い出の片隅にうちがあることはありがたいことだ。その喫茶は祖父が亡くなったことで父は菓子製造をすることになり、閉店となった。長年続けた個人店舗の引き際をまた考える。このところ老舗で閉店が目立つのは店主の高齢化が理由が多い。店を続けることは大変なことだ。そして店は閉じても店主の人生は続くのだ。でも店=店主なわけで、特に飲食店の場合はそれが強い。だからこそ、客は閉店の報に胸を痛めるのだ。


2月4日(土) 渋谷区立白根記念郷土文化館にて「関東大震災から100年- 同潤会アパートと渋谷」を観る。当時の建具が並んでいて、造形の美しさに昂る。96年に解体された代官山の同潤会アパートは勿論何度も足を運んでいるはずなのに、鬱蒼とした古びた建物の感覚だけが朧げに残っている。

shibuya-muse.jp
daikanyama.life


北上して骨董通り裏手のヨックモックミュージアムへ。ヨックモックの現会長が集めた「ピカソのセラミック作品」を中心に展示する美術館で、栗田祥弘による設計の建物は白土の煉瓦タイルで覆われ、屋根はコーポレートカラーである青の瓦という落ち着きとインパクトを併せ持っていた。セラミックの皿や壺に描かれた絵は自由闊達でとても素敵!にこにこしてしまう。素晴らしき空間だった。

yokumokumuseum.com


そのあとは裏通りを進みながら表参道へ向かい、ヴォルフガング・ティルマンスの写真展を観るつもりが、長蛇の列に驚愕。。。この人こんなに人気だったっけ??しかも若い人たちばかり。 ルイ・ヴィトン7階ギャラリーという場所柄なのだろうか。観るのはやめて、人出を避けた道を選ぶもまだ人は目立ち、はー、ほんとに人が増えたなあと遠い目。



2月5日(日) 近所の徒歩圏内を巡った。パンジーを買って帰宅、花瓶がない家なので適当なグラスを・・・と棚の奥にあったものを引っ張り出して飾っていたところ、帰宅したY氏が「え!これバカラのグラスだよ!!」と言うのでびっくり。「まあ引き出物でもらったやつだし、キレイに洗ってね」 



2月6日(月) 「○○になる生き方」的な自己啓発本を読みたくなるほど、他人の不出来の尻拭いをし続けた一日だった。ダメな人は改心しないし、その割を食う人が世の中を救うのである。家の最寄り駅着いてコンビニでお菓子買いたくなったけど、食べたら食べたで気持ち悪くなる1時間後を想像し、いかんいかん負のスパイラルだぞ!と踏みとどまる。疲れた。



2月7日(火) 夜中目が覚めてなかなか再び眠りにつけず、寝てもまた目が覚めての繰り返し。/ 会社では元気だったけど帰り道、エクレア食べたいなあと思いながら今日は美味しいケーキ屋さんは休みだしなあと最寄り駅着いて家まで歩くところで、急にスイッチ切れてボーッとしてしまう。金曜はやっぱり雪だろうか(シャーマン音甘)



2月8日(水) 今日も楽しく仕事が出来てありがたい。金曜の雪予報が怖い。 / 今週の「ア・ターブル!」歳をとって出来なくなったことが増えたがそれも自分だ、という話。でも歳をとったから出来るようになったこともあるよって思う。自分がテンション低いとき相手はテンション高いの、よくあるよね笑



2月9日(木) 帰宅時たいていY氏のテンションが高くてあれやこれやと話しかけてくるのだけど(というと反論されるが)、私はドッと疲れて頭が回らない中で、適当で簡単であっても私には苦痛の夕飯の支度を始めなければならずイライラしているので、気持ちが合わない。/ そんななか届いた文明堂の封筒、仔グマキーホルダーが当たったの!嬉しい!!



2月10日(金) 予報通り朝から雪が舞う。1日平和でありますようにと祈りながら出社。デスクでは外の様子は見えないのでトイレに行くときに随分降り続ける状況だと把握するものの、意外にも社内は静か。そのまま退社。ホッとした。帰りはカレーを食べてエネルギーチャージ。ヨラテンゴの新譜買って帰宅。雪が雨に変わり降り続いていて、駅から家までの距離が疲れた。



2月11日(土) うってかわって晴! 下北の飲食店は行列ばかり。レコードでは持ってなかったコレが安価だったし購入。ジャケにもときめくしね。



2月12日(日) 今日もよく晴れたけど、朝から気持ちが乗らず、行動を考えることもつらいし、人のいるところに行くのもつらくて、家からはちょっと離れてるけど歩いていける街の一角にある自然園へ行った。住宅街で駅前から一本進めば静かな通りをずっと歩くとぽっかりとした空間がある。だれもいなくて、聞こえるのは鳥の声と遠くに電車の走る音。街の中の、というのもポイントで、生活圏から離れた自然のなかにわざわざ行くのも疲弊するし、公園など絶対人が多い場所でもない、自分に合うぽっかり、が大事。



2月13日(月) 朝からある業務に関して同僚が話しかけてくるので、問題点や改善策などを伝えていて、帰り間際にどうなった?と尋ねたら、彼女は何かするつもりはなく、結局壮大な愚痴だったと判明し、一気にぐったりきた。/ 信藤さんのこともグサッと来た。 あああ。/ 録画で、牧野伊三夫さん出演の番組を観る。描線と色合いが好きで、展覧会にはよく行っているから油絵の具の重なりを思い出しながら、アトリエでの制作風景を垣間見れて嬉しかったし、惹きつけられる絵はこんな日常から生まれているのだなあと心がふあふあした。



2月14日(火) こういう日はみんなにお菓子配るの大好きな方々からありがたくチョコ頂戴するのである。わたしは会社でも家でもしないけど。/ ごはんの用意しなくていいからどこか寄ってもいいんだけど、めんどくさくて家最寄駅に向かう。洒落た店でもあればなあ。駅前のチェーン店で食べたけど、やはり心荒むと実感。外でお金出して食べるならば、食べる行為だけではない店で食べたい。



2月15日(水) 夕方仕事で外出、そのまま帰宅途中の商店街でコロッケを買って晩御飯に。こういうのいいな。今日は一日風が強く冷たかった。



2月16日(木) カーっとムキになって苛々しちゃうの、ホント浅はかだからいいかげんに自重したい。自分は正しい(キリッ)と思い込んでる幼さゆえだ。



2月17日(金) 早咲の桜やミモザなど景色が色付いてきた。



2月18日(土) 美容院へ行きパッツリと切る。美容師さんは同年代の女性で、疲れると「パタっとスイッチ切れて動けなくなる」なんて話をした。本日の歩行距離7.5キロ



2月19日(日) 朝気圧のせいかぼーっとしてしまうが実家へ向けて出発、駅は高齢者の団体旅行客が多く、ああもうほんとうに戻ったんだなとウンザリする。昼に地元の街に到着、ご飯食べようとしたいつもの店が臨時休業でガッカリするも近くの他の店で良き食事となる。にしてもこの街も選択肢がすっかり増えたものだなあ。そのあとは珈琲店で深煎のエチオピアを飲む。とても美味しい。静寂を保つ素晴らしい店に帰省のたびに伺うことが嬉しい。そのあとはオシャレな生活雑貨などの店で欲しかった本とハーブティーを買う。この街でこんな買い物をするなんてなあ。/ そして父に会う。電話と変わらずな印象でよかった。母との最後のやりとりを教えてくれた。



2月20日(月) お墓参り。見晴らしのよい広々とした景色を見ながら過ごすことが出来て母も喜んでいると思っている。店のことなどこうしたら?などとつい言ってしまうけれど、たいてい父はそれはもう試してみたけどと言う。夜ご飯食べながらいろいろ言っちゃってごめんねと言うと、お母さんにはもっと散々言われてきたからねと笑う。ご飯を食べ終わると雪が舞っていた。



2月21日(火) 東京へ戻る。こちらも寒い。



2月22日(水) 好きな店に行くのは精神安定になるなんていうと大袈裟だけど、根底が少しピリッとした穏やかな静かさに耳を浸すことのできる空間はなかなか無いのだ。/ 夜ご飯に作った白インゲン豆のスープも美味しくできた。/ とても良き日で終わるはずだったのに、過去の自分にどんよりさせられる事象があって一気に気重になった。はあ。



2月23日(木) 祝日。昨夜の一件のせいかまるで眠れず。わかりやすいメンタルだなあと更にがっかりする。昼はカレーを食べた。ミントが効いたチキンカレー美味しかった。目が覚めた。/ とはいえやはり根深く、歩いてもゆっくり呼吸しても気分が重いまま帰宅。自分の機嫌は自分で取るなんていっても無理だなあ。/ 夕飯後にY氏がかけたチューダーロッジで漸く溶けてきた。寒い冬から春に向かう音はそのまま私の心象と重なった。こういうときは自分から音楽を選ぶことは勿論、聴く気もしないから、Y氏のこういうところに感謝する。



2月24日(金) 久々の出社。ワイワイ笑った。夜はヤマジさんとひさ子さんの2マン。よいライブだった〜。感想はいつものとおり別途!しかし、無自覚に独り言・歌う・変な動きをしてそうで怖いお年頃。。。



2月25日(土) 風が強めで冷たい。近所のカフェに行くと、テーブルセッティングをして席を立ち10分以上写真を撮り続ける2人に遭遇し呆気に取られる。現実の行動よりもSNSに上がる写真だけ褒められれば良いのか。/ ヒヤシンスを買う。初めて。成長記録を描くことにする。



2月26日(日) 昨日よりはあたたかな晴れ。今日も近所。昔に比べてわざわざあの街へという意識が薄れたのは、近くに好みの店が増えたこともある。梅がほうぼうで咲いていた。



2月27日(月) 昼に会社で出た豪華弁当で胃もたれ



2月28日(火) 帰り道、スーパー寄るためにいつもと違う道を歩いたら、フッと沈丁花の薫りを感知した。



3月1日(水) 会社で相手方の無責任な言動に心底憤り、帰りに桜餅を買う。駅からのいつもの道のりで沈丁花の薫りがした。コートが暑く感じるほどのあたたかな空気のなかで漂うと、視界がぐんにゃりしてしまう。



3月2日(木) 昼思ったよりあたたかくなく風冷たいと思ったのに、帰宅後Y氏に「えー!あったかかったじゃん、薄着で外出たよ」と言われた。都内も広い。



3月3日(金) 上司の言葉に大層心が砕けたけれど、午後は時間休して久しぶりのエリアに向かい、ギャラリーで見た絵が素敵で嬉しくなって、界隈の散歩も楽しくて、今夜のライブも素晴らしく、ほぅっとした気持ちで帰り道見上げた木蓮の蕾が膨らんでいたからワクワクして、帰宅したらヒヤシンスが咲いてた!
Andy Brown『The Things We Share』 とても素敵だった。画像だとフラットでポップなイラストと思っていたら実は油彩で、細やかなグラデーション使いによる描き方にびっくり。構図も面白い。現在ケンタッキーにある美大講師とのことで、アカデミックな基本があるからこそだと納得。画像では伝わらない良さ。実際に観ることによる気づきやその日の光や気分で印象変わったり、ギャラリーのかたとお話して発見があったり、作品から作者の日々を感じたり。観に行くことって大事だなあ。
hiromartgallery.com



3月4日(土) 初めていく場所と場所のあいだを歩くこと1時間。意外と歩いてない道なりで、面白い発見も多くて楽しかった。何よりよく晴れてあたたかく、うれしい。/ 若い子が着てる上着に「1993」ってプリントしてあって驚愕。ワスが若い頃は「1969」とかだったよな・・・



3月5日(日) 市立吉祥寺美術館にて、常設の「浜口陽三記念室」はモノトーンの作品ばかりなのも新鮮。「飽きっぽいので、制作中に嫌になって他の作品を作り始め、それも嫌になって次の作品を作り始め、その後前に止めたままの作品に戻る」という逸話にびっくりした。彼の作品から感じる深淵さはそんな時間差も作用しているのかもしれない。「萩原英雄記念室」木版なので伝統的なイメージで見ていると、富士山の手前にあるのは新宿の高層ビルだったり、工場の看板だったりで、ハッとする。制作は80年代で自身は70歳を過ぎていたというから驚く。色合いもテカテカキラキラしたものがあったり、すごく面白い。
www.musashino.or.jp


今日は朝からダメな日で、そんな感覚が残ったまま過ごした1日だった。