ラウダー・ザン・ユー・シンク

Slanted & Enchanted Luxe & Reduxe
原題は、「Louder Than You Think : A Lo-Fi History of Gary Young& Pavement」。ペイブメントの初代ドラマー ギャリー・ヤングを描いた映画があり得るなんて!しかも日本で上映されるだなんて!


タイトルの"Louder Than You Think"とはギャリーが経営しているレコーディング・スタジオで、スティーヴン・マルクマスとスコット・カンバーグが大学卒業後に地元ストックトンに戻った際にその扉を開いたことが、彼らの出会いのキッカケ。ちなみにスタジオ機材費用をどうやって得たかこそ、「ギャリー伝説」なのである。


破茶滅茶っぷりに翻弄されながらも愛と敬意を持ってしまう、ギャリーの唯一無二の存在感と身体能力。マルクマスさんの理知的なシニカルさと相反する感覚こそが、ペイブメントペイブメントたらしめたんだなー!「ローファイ」な音を求めた若きマルクマスにそれは「音楽じゃない」と苦言した一世代上のギャリー自身が「ローファイな人」であり、それが時代の空気にハマるという面白さ。


マペット使い含めて構成良くて飽きないし、最後にはホロリ。再結成ペイブメントしか知らない、ローファイって何?な若者も見て〜〜。(音質画質がクリアではない、レコードやフィルム写真がエモいとされる時代・・・)
イメージフォーラムという上映館が合わないし、渋谷はもはや音楽の街じゃないから、下北の駅横映画館で上映して、レコード屋巡り前の人やスタジオ帰りのバンドマンが見るといいよねえ!(下北はもはや古着の街か……)