ZZZoo 1st音源T-shirt発売記念LIVE

ZZZooと書いてズズズーと読む。ヤマジさん参加の新バンド、デビューアルバムリリース記念なのに玄人感ありまくるライブ。それはツワモノが6人集まった故。そのキッカケはヤマジさんがソロでライブ出演を頼まれた際、誰かとがいいな→田畑さん森川さんの3人でやりたいなと思いついたことからだそう。ここから「更に倍」は、転がることを受け入れるからだろう。こういうときのヤマジさんは進んでイラスト書いたり積極的に楽しんでるのが、ファンとして気持ち良い。
https://thezzzoo.blogspot.com/2019/01/dark-side-of-zzzoon.html


さてライブは高円寺showboat。1曲めこそテレ東午後もしくは日テレ深夜を思い起こした演奏は、プログレ、ジャズ、即興……カテゴリをつければそんな感じだけども、次第にどんな道を辿るのかわからなくなって、不思議なワクワク感があった。6人それぞれが存在感あって、時折後ろに下がったりしながら、楽器で会話してるみたいだった。
腕の立つオッサン(と敢えて書く)たちが培ってきた自分の技を使って、本気で遊んでた。


ヤマジさんは心置きなくこういうギター弾いてみたかったってのを繰り出し
若林さんのサックスは華やか且つ骨っぽさもあって、演者を前面で引っ張る。アンコールで出てきたときの、ヤマジさんとのスリリングな応酬はすんごくカッコよかった!痺れた!
田畑さんの関西ノリ&年の功な、メンバーが自由に音を作り出せる場を用意しつつも、実は悪の総統感あるのもサスガで、ギターのさりげなくも、時にクッキリと主張する弾きっぷり。
KAZIさんのドラムは厚くも引き締まった、筋肉質な音がまったくヨレることが無い。凄。そのおかげで絡む音の有機的な呼吸が感じられた。
DENさんのパーカッションはたくさんの楽器を巧みに使いこなし、彩りと広がりを作り出す。次から次へと忙しかっただろうけれど、流麗で美しかった。
そして、森川さん。そうか、ベースかー!に加えて、お腹にズムズムズムと響く凶悪な出音にビックリ。更にVo.もやっぱり印象的で、耳に呪術のように声が残るのです。異国の方方を彷徨ってたのが森川さんのボイスによって、土着的になる。


どんな場でも如何様にでも作り出せるツワモノたちだからこそ、彼らのこれまでの経歴を知らない人たちが出会える場で演奏してほしいです。
https://thezzzoo.blogspot.com/2019/01/zzzoo-1st-album-sample.html


それぞれのコアがあって、鞄を持って徘徊し、出逢い、携えた鞄から道具を出し合って、旅をする、それを続けて思いがけないお土産もってコアへ帰る。次は何処へ行くのだろう。

食堂にて

今日の仕事は終日外だった。お昼はどうしようかなと、ちょうど近くにある店に入った。何回か行ったことがあるけれど職場も遠くなり、土日が休みのここで食べるのは実に10年ぶりだった。ドアを開けた途端、くるっと風が舞った。
通された席は窓に向かって店内が見渡せる場所だった。テーブル前にはヨーロッパの石細工。ずらりと並ぶ蔵書を眺めていたら、「よかったら自由にお読みになって」と奥様が声を掛けてくださり手に取ったのは須賀敦子のエッセイ。読みながら待つと、前菜のレンズ豆のサラダ。それからパスタ、食後にチャイ。美味しかった。量も味付けも適切で、ちょうど良かった。
60~70歳ほどと思われるご夫婦2人で営むその店は、前も好きだったけれど、あの頃よりももっとずっと好きだなあって思った。この数日弱ってたせいもあるのか殊更滲みた、なんだか泣けた。店内の空気も、並ぶたくさんの蔵書も、料理の味わいも、店主さんが長年積み重ねたものなのだなあ。店をはじめる前から暮らしの中で蓄えられ、店を営みながら培ったものがこの空間をつくっていた。
会計の時に一言告げると、「そんなふうにおっしゃってくださってとっても嬉しいわ」と微笑んだ奥様の表情こそが、この店をつくりだす源だった。