少年、機関車に乗る

この映画はもともと大学の先生に薦められて見たんだった。多分そのころ私はクサクサしてたはずで、そういう私にこの映画を薦めてくださった恩師には感謝しなければ、とつくづく思う。
ビデオ化されてないころからもう、何度見たことだろう。
セピアカラーのフィルムはやわらかいひかりをたっぷりたたえる。
そこに乗る音楽が不思議な余韻を残す。
そしてデブチン。ぷっくりとした顔、眉をひそめてうえーんと泣き、はにかむこの子にはもう、お手上げ。
機関車は走る、ただ一本の線路を、荒野をずううっと続く線路を、のびやかにすうううっと走るその姿、美しさ、それを見てるだけで私のこころもすうううっとなる。
ただ、それだけでいいんだよー!