joy divisionのヴォーカリスト、イアン・カーティスを描いたこの映画が何故つくられたかといえば、残された人々が未だに消化できていなかったからなんだろう、きっと。
イアンの妻による手記が元というストーリーは下世話になりかねない芸能ニュース的展開を見せるけれど、
アントン・コービンによる映像が「写真家としてのエゴを存分に」というよりは淡々と映したことで、イアンのコントロールできない部分がひいやりと浮かび上がってきて、最後はまさに鎮魂歌のようだった。でもそれは、イアンに向けてというよりは「あのころの自分に向けて」とでもいうような。
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雑誌のインタビューでdipのヤマジが「最近のバンドは鬱屈とした思いがなくてもjoy divisionみたいな音をつくれる」と言っていたのが印象的だったのだけど。
確かに今は「いまいる時代のなかで育まれた気持ちが音を生み出す」というよりは「ネットによって時代もジャンルも関係なく、カッコイイと思う音をアレコレひゅっひゅっと繋ぎ合わせる気分」のように思える。録音技術も発達して、ソレっぽい音を作ることだってできるんだよねえ。
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