それぞれのシネマ

カンヌ国際映画祭60回記念として「あなたにとって“映画館”とは何か」をテーマに世界各国の映画監督32人が「3分間」の映像で表現した作品。


こういったオムニバスで楽しいのはこの監督といったらコレだネ!ってトコで、「アキ・カウリスマキの色調と表情」にくふくふしたり、「デヴィッド・リンチの悪夢」に出たー!とココロのなかで手を挙げたり、「ラース・フォン・トリアーの後味の悪さ」にヤッパリネ・・・とげんなりしたり、「ガス・ヴァン・サントのかわいい美少年」に流石ダネ!と目を細めたり、「ウォン・カーウァイのナイーブでクールなカッコつけ具合」に90年代を思ったり、「チャン・イーモウのおさげ髪の少女」に相変わらずこのオヤジは・・・と斜め目線になったりする。ああ楽しいナア。
今回はテーマをどうとらえるかというところで大きく区分けがされ、中にはネタがかぶってるトコもあったりする。
でまあ、正直なところ途中ダレるというか集中力がなくなってきたのだけど、目の覚めるよな光強い南国の青空の下思わず前のめりになる生き生きとしたリズムと笑いに満ちた作品がありました。ウォルター・サレス監督作品。コレ作戦勝ちという感じもするけど、印象に残りました。
あと、なんといってもテオ・アンゲロプロス監督作品。「3分という一瞬も永遠である」ことを感じさせてくれ、うー。さすが。参りました。