- 作者: 水戸岡鋭冶,原武史,野田隆,矢野直美,渡邉裕之,住友和子編集室,村松寿満子
- 出版社/メーカー: INAXo
- 発売日: 2008/09/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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黒の革張りシートがカッコよい「ソニック885系」、メタリックブルーが鮮烈な「ソニック883系」真白なからだにひらがなロゴが美しい「つばめ」、「リレーつばめ」はダークグレーでヨーロッパの列車のような精悍な顔、「はやとの風」の漆黒の車体は屈強で、「いさぶろう・しんぺい」の車体の赤はこの目で見たい深く良い色味…。いつか乗りたい、いや走っている姿を見たい、その風景の中にいたいのだよ。
水戸岡鋭治氏によりデザインされた列車はこれまでにない洗練された美しさで輝きを放ち、「乗りたい」と強く思わせるのです。
この展示では各列車の紹介は勿論模型にデザイン画、車両に使用されている部品や座席の実物(座れます!)、制服に至るまで狭い空間ではありますがJR九州の列車がぎゅぎゅっと詰まっていて、宝箱のよう!
アイデアスケッチを見ているとカタチになっていく様が見て取れてドキドキするし、座席などに使われている布地の柄や素材の多彩さには驚いたし、ジタバタジタバタもうココロは九州へ…。
単に”最先端”を突き詰めるのではなく「普遍性のある機能美を追求」し「地域のアイデンティティを洗練された形で表現」し且つ「ユニバーサルデザインの充実を図る」という高く高く掲げた志(「」内は図録の水戸岡鋭治氏インタビューより抜粋)を実現させたことはこと日本においては奇跡のようだけど、それだけJR九州の意気込みが強かったということでしょう。
九州は高速道路が発達している「車社会」らしく国鉄が民営化され発足したJR九州はこのままだと太刀打ち出来ないと考え、顔である車両を魅力的にすることで集客に繋げることを考えたようです。
九州は自然溢れた「観光地」として遠く離れた地に住むものにとっては魅惑的なところであり見せ場は点在しています。目的地である点と点を結んでくれる列車自体がひとつの見せ場/目的となって、山あり川あり海あり、豊かな田園風景が広がるなかを走り抜け旅を更に楽しく思い出深いものにしてくれるなんて、素敵だなあ。
とほくほく顔で1階へ下りて併設の本屋さんへ。ここのセレクトはINAXがやってるだけに建築関係が中心で学問的にはわからないけど関連書籍には気になるものいっぱい、それに音楽や食関係も充実しててそのセレクトには血がきゅーっと上がってしまう。ここ飽きないなあ。
そんで外へ出てすぐ近くのイデミで焼き菓子を買って帰る。ここのはケーキより焼き菓子のが好き。
とまあ、ウレシイおまけ付きで楽しめる幸せ気分の展示でした。