内藤礼/Color Beginning

ギャラリー小柳にて。繊細で緊張感ある空気が印象的な彼女の作品がコンクリートやダクト剥き出しのギャラリーに置かれても、その場を変容させるマジックは起こらなかった。
淡いピンクのドローイング。ふぁさりふぁさりと漂う糸。しかし場内が静かになるのを待ってしばらく空間に身をゆだねてぼうっとしていると背中にすっと気配が入り込む。あ、って。その気配はじわじわと私のからだのなかに浸されて広がってゆく。
やっぱり彼女の作品は展示する場を含めてひとつのインスタレーションとした作品であるのがいい。