古き街並み竹原市

続いて向かうのは竹原市岡山駅から西へ山陽線呉線と乗り継いで2時間強、広島県中南部に位置しています。「安芸の小京都」ともいわれる古い町並みが残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているのです。

江戸時代に製塩業で栄えたその規模を静かに伝えてくれる、各家々の端正で美しい佇まい。

蛸? こんな遊びもあるのね。

各軒先には野花がさりげなく活けてあって素敵でした。この風流な暮らしぶりは、継承されてきた「我が街を愛する思い」のひとつなのかもしれません。

緑が濃く輝き色とりどりの花が咲き誇る庭を抜け、古い家屋を改装したような和風喫茶で、お母様と娘さんとで切り盛りなさっているようでした。
休息にちょっと入った店でお抹茶を頼んだら、わあ素敵!

お作法とは外れるけれど、庭の生き生きとした葉と組み合わせることで、店の方のお心遣いが表れています。



竹原は日本酒の街でもあります。

こちらは「竹鶴」で有名な竹鶴酒造。

ちょっとしたところまで手が行き届いています。素敵。

この竹鶴酒造、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴 政孝氏の生家だそう。

帰ってきてから知ったのですが、この街は映画「時をかける少女」のロケ地なんですね。

この日は地域のお祭というかイベントがあって、地元の人やGWで帰省したと思われる人々で賑わっていました。竹原を代表する3社3銘柄の日本酒を試飲できるスペースがあったけれど、出店は街の方々が作る焼きそばとかわたあめとか、地元コミュニテイー感満載で外様の旅行者としてはちと寂しかったナ…GWなので仕方がないですが、普段の竹原を見てみたかったなという気持ちもあり。
また、いくつかの豪邸は有料で内部を鑑賞できるのですが、あまり手入れが行き届いていなく、今も日常的に使われている各家々と「観賞用」の家々との差があったのが何ともかんとも。


保存地区を離れてお散歩。



なかなかカッコイイ建物ちらほら。川のたもとに小さな今川焼屋さんがあったので、頬張る。竹原では「二重焼き」というらしい*1んだけど、皮がパリパリ!普段食べてるのはふにゃふにゃなので、びっくりした。中の餡はとろとろたっぷり。美味しい〜。


商店街。うむ。やはりですか。スカーンと誰もいなくてシャッター閉まってて、赤白の煙突から煙がたなびいているこの景色はたまらんものがありました。

このシャッター、誰が描いてくれたのか、カワイイ。でも泣ける…
こういった例はこれまでにも幾度となく見ていますが、古き街並みは「観光地」として車や観光バスで乗り付けて眺める場であり、本来の生活の場であった駅前商店街との断絶が胸に痛いです。

この街も例外なく高齢化が進み、今後の街づくりに関して抱えている問題は大きいと思いますが、これからも軒先に花々が枯れること無く、ささやかに通りを彩ってくれますように。

*1:私には「じまんやき」デス