私とGW10連休

改元による10連休は、日本の人口の何割が該当するのだろうか。会社勤めで自動的に休みの人がいれば仕事柄ゆえ出勤の人もいるし、自営で営業し繁忙続きの人もいつもどおりの人もいるだろう。仕事は休みでも家業に追われる人もいるし、まさに人それぞれなこの10日間、兎にも角にも、みなさまおつかれさまでしたとしか言いようがない。
私はといえばちゃっかりすんなり10連休。メモとして文字ばかり、以下。


■0427と0428 紅茶教室へ。最近朝以外は紅茶が気持ちに合うと思うことが増えていて。”良い茶葉”ならば「200CCの熱湯に僅か1gの茶葉」で良いことが目からウロコ。香りと後味の良さったら。ポットでなくとも、高さのあるカップに茶葉を直接入れて熱湯を注いで5分後、上からちびちびと飲んでも良し。それに日本茶のように抽出後のポットに差し湯して飲んでもOK。「気軽に飲んでほしい」という言葉に納得。ダージリンには粉糖を使った口溶けの良いクッキー、または塩味のあるクッキーも茶の甘みが引き立つ。アッサムにはナッツやスパイスを使った強さのある味わいを、タルトやダックワーズなど。アールグレイにはレモンなど柑橘類を使ったお菓子があう。といった「お菓子との合わせ方」も楽しかった。紅茶の魅力再発見は、ダージリンのファーストフラッシュの香り高さにハッとさせられたことがキッカケなのだけど、セカントフラッシュの旨味も、アッサムのコクも美味しいなあと思ったり。いろいろ広がることは楽しい。


■0429 みそ野菜カレーを食べてから、府中市美術館へ。「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」を見た。まあ、なんて愛らしい!とキャッキャウフフしてしまう作品の数々。これまでも美術展で「これ、は?」とニマニマしちゃう緩い画を見たことはあったけれど、こうやって集められちゃうとたまらないですな。館内はなかなか混んでいて、みんなしゃべりながら見てたのも印象的。


■0430は表参道で「BONE MUSIC展」。”BONE MUSIC”とは、公式サイトの説明を一部拝借すると「1940〜60年代、冷戦時代のソビエトでは、音楽等のカルチャーが国家によって検閲されており、見つかれば“刑務所行き”だった。しかしリスクを犯してでも好きな音楽を聴きたいと、自作したカッティング・マシーンを使って、病院で不要となったレントゲン写真に音楽を録音して制作された」もの。そんな方法が!!音が刻まれたレントゲン写真をレコードに化するために、丸く切り取った周囲がガタガタなのが生々しかった。聴きたいという重い切望がそこにあった。随分前に見たソビエト映画「モスクワを歩く」は音楽が軽やかな印象で、キラキラ瑞々しかったけれど、あれは1963年の"雪どけ"の時代なのだなあ。あの開放感はそれ以前の時代があったからこそで、、、。BONE MUSIC展 | Ba-Tsu Art Gallery, 4.27 - 5.12


■0501 朝、ミチロウさんが亡くなったことを知る。昼は世田谷文学館にて「萬画家・石ノ森章太郎 展」。生原稿の美しさ凄まじさ。構図とか人物の動きとか、ホントにどうやって描いたの……。三茶に移動してキャロットタワー内での「世田谷線にのって」展。ちいさなスペースにギュッと詰まってて素敵だった。ここの展示はいつも素晴らしいなあ。世田谷線研究家の三瓶さんによる資料提供が濃厚で、といっても濃すぎずに。沿線紹介のネタも楽しくて乗って散策する楽しみが増える。嗚呼、世田谷線愛の素晴らしさよ。三瓶さんによる撮影編集の映像「旧型電車最後の一日」には見入ってしまった。こういうのって好きすぎるゆえなつくりになりがちだけど、三瓶さんの編集は無駄がないのもスゴイ。


■0502 朝から良く晴れ渡ったものの、午後に急変。激しい雷雨、数時間で晴れ。の夏な天気。たまプラーザ駅を出発し、住宅街の間を進む。尾根を歩くように起伏ある道なりと、それに準ずる風景の変化を楽しみながら新百合ヶ丘駅まで。たまプラの「東急文化圏」が尾根を下り、幹線道路の「ザ・郊外」なチェーン店の林立を超えると、古くからの里村感がわずかに残る景色となり、切り通しのような坂を上り下りしながらゆるやかに新百合ヶ丘の「小田急文化圏」に移り変わっていく。その間、バス会社も東急-川崎市-小田急と変わっていく。


■0503 埼玉へ。半蔵門線の終点近く。団地壁画を見て、ずずーっと歩いてパン屋さんへ。10年以上前だったか、まだ店舗を持たれる前に恵比寿の器屋さんで販売していて、以来時折どこかで販売されるたびに購入していたけれど、オープンされた店舗へは行ったことがなかった。いくつか買ったパンをその先の公園で食べた。その公園は川沿いに新緑の木々がずっと並んでいて美しかった。そしてまた駅まで歩いた。


■0504 神保町の裏通りから新宿まで。何度も歩いている界隈なのに、まだ歩いたことのない道があるのである。ステレオラブのリマスター再発、一番大好き(「人生のアルバム」レベルで)なのにタイトルが長すぎて覚えてない、いつも「黄色いやつ」で通しているアルバムを購入、嬉しい。


■0505 町田市民文学館にて、大日本タイポ組合展「文ッ字-いつもの文字もちょッと違ッて見えるかも-」。タイポで遊ぶ企画。最近のEテレとか21_21 DESIGN SIGHTの世界観で今どきの洒落たエンターテイメントというトコロ。にしても町田は駅前賑わってるし、公共の文化施設に独自性あるし(版画美術館とか)、不思議な街だ。


■0506 ええっもう最終日!そういえば、昭和から平成になったときのことは全然覚えていない。今は自分で覚えて無くてもスマホ開けば「5年前は・・・」と教えてくれる。


写真記録はまた改めて。

私の「平成」音盤

巷のなんでもソレが付いて回って煩えよ状態のなかではありますが、私が過ごした平成の日々に鳴っていたアルバムを挙げることにしました。ありがちだけど、こういうの考えるの好きなのです。ちなみに「邦楽のみ」です。だって海外のひとは昭和も平成も知らないからね・・・。社会動向の年表と平行したほうがわかりやすいとは思うし、定義とか縛りについては深く考えてないですが、一定の時期に偏りがないように心がけたつもりです。



1.Flipper's guitar「ヘッド博士の世界塔」
2.ヤマジカズヒデ「sunday paffce」
平成3年=1991年。平成31年間の最初から最後まで、彼らの音楽活動の変遷と共に私の日々がありました。ヘッド博士をまず挙げるとして、dipならば平成5年リリースのUKP 1stを挙げたいところだけど、ヘッド博士と同じ年(思えばバブル崩壊の年!)にリリースのヤマソロ1stを。80年代の同調圧力から離れて屹立してる芯は今も変わらないし、そういうミュージシャンが好きなんだなと改めて思います。

※平成ヒト桁はとにかく渋谷でHMVとクワトロWAVEとZEST(あとciscoオルタナ店は遅れてやってきたね)とユニオンとレコファンを毎日のように巡回してた。



3.Sugar plant「cage of the sun」
平成8年=1996年。渋谷系を始めとする喧騒にうんざりしていた頃、HMV渋谷の太田さんがいなくなった邦楽フロアで掛かっていて、ああこれだなあと思った光景を今も覚えています。

※平成9年 フジロック第1回の2日目に向かう早朝新宿のバスターミナルで中止を知った思い出・・・。邦楽ロックが盛り上がった頃でもあるけど、UK/USばかりに耳が行ってたから、普通挙がりそうな盤が一切無いのよね。。。

4.Air「Usual tone of voice
平成10年=1998年。一人暮らしを初めて間もない頃の新高円寺の6畳和室で沈むように聴いていたのを思い出すのです。

※平成11年 この頃発売されたiMacを購入したはず。



5.Cornelius「POINT」
平成13年=2001年 まさに「ポイント」なアルバム。先行sgの”POINT OF VIEW POINT”で、これまでの感覚が一掃された。ソロ以降の加速する過剰が苦手だったので、・・・わあああ!となった。にしても特別感ある「2001年」も、平成で示すと変な感じ。。。



6.朝生 愛「ラヴェンダー・エディション」
平成16年=2004年 誰にも聴こえてなくても、ここで私は私の歌を紡ぐというひそやかで強い意志。聴くたびに泣く。

7.カヒミ・カリィ「Nunki」
平成18年=2006年 あのカヒミがこんな音のアルバムをつくるなんて!いろいろと感慨深い1枚。

はてなダイアリーを書くようになって、自分からこの音楽が好きー!と発信するようになったり良い盤を教えて貰ったり。更にYouTubeで聴き方も劇的に変わった頃。自分の生活もガラッと変わった。



8.ラジオゾンデ「sanctuary」
平成21年=2009年 この何年かで「音の聴き方」に気づきを得たところに知ったタイミングは時代の流れなのかな。空間の響きを大切にした音楽性は勿論のこと、starnetで録音、演奏会場や販売など一般的な手法とは一線を化す活動も時代の変化を反映してた。


9.EXTRUDERS「colors」
平成25年=2013年 低音でジリジリ昂ぶる音とアートワークがめちゃくちゃツボ。平成20年代の盤として幾つも挙がる中から敢えて挙げておきたい。

ウミネコ聴くようになって邦楽シーンはいろいろ変わってたんだなーと思ったりもした。



10.ミツメ「Ghosts」
平成31年=2019年 平熱で淡々としたつくりは、メンバーが皆ものすごく幅広く深い聴き手であるからこそ、丹念に複雑に編み出されていることがよくわかる。邦楽新譜で珍しくレコードのみ購入。バンド運営方法も含めて平成最後にふさわしい1枚。 


割礼挙げられなかった……。平成頭はソフトバレエもありました。平成10年代ならばゆらゆら帝国、Ghostも挙げたいし、20年代ならばNISENNENMONDAI、KURUUCREW、オウガ、ウミネコ、Sloopy Joe、Klan Aileenも挙げたかったな。オウガやウミネコなど、バンドの在り方の変化は、平成を語る上でのトピックスだと思う。
平成は、田舎にいて、上京して、学生から社会人になって、そっからのが長いけども人生のターニングポイントが順繰りにやってきた。
こんなことを考えながらも、昭和は30年代とかピンと来るのに、平成に入ると西暦のほうがピンと来るなあと今回つくづく思ったし、なんにせよ、元号に関係なくそのときの私が反応する音楽を聴き続けるのだ。