ヤマジカズヒデ × 田渕ひさ子

2月15日 下北沢queにて。この数年で急にコンスタントにやるようになったのは、ヤマジさんの距離の取り方によるのだろうか。ひさ子ちゃんとだと「好きだけど女子ボーカルなのでやりづらい」曲も可能だし、なによりも「ギターの音色に共通性」があり且つ「自分のやりたいことを即理解してくれる」順応性と技術力が高いことが大きいように思う。
1曲目ヴェルヴェッツ「After Hours」 、ああそうか、ひさ子ちゃんとだからこそ、この曲出来るんだなあ。 後で「Femme Fatal」も。ひさ子ちゃんの透明な声が効果的で良かった。


そしたら2曲目がこれでビックリした!


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マスクの下で最初から最後まで出鱈目英語でシンガロングしちゃう自分にもビックリだ!ピクシーズよりもブリーダーズよりも好きかもしれない。



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続いてはなんとNav Katze!わーーー!中学の頃を思い出しながら心の中を冷静に保つように聴いた。



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「木枯らしに抱かれて」は遂に!だなあ・・・。予想外にラウドめなカバー。いつか御本人歌唱でできたらいいな。「この坂道の途中で」カバー(主演映画「空中庭園」主題歌)とセットでお願いしたい。



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なぜに埋もれたままなんだろなー・・・


The Vaselines は「Jesus wants me for a sunbeam」「Son of a gun」の2曲。楽しそうに笑ってたのが印象的。ただヤマジさんが「ほっこり(とかそういう言葉)でいいよね」と言ってたのはちょっと違和感。Vaselinesはパンクで狂ってると思うの!


toddleの曲の途中、ギターソロすごすぎてひさ子、ガン見しつつ「すごいな〜」って感じで笑ってたのがよかったな。


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zelda「時折の色彩」、80年代なエスニック風味が和らいで、歌詞に込められた真摯な想いが伝わるカバーで素敵だった。


最後は「日本のオアシス」とヤマジさんが言うので、えええ?と思いながらのイントロにくるりの「ばらの花」を思い出したところで、それはユニコーンの「すばらしい日々」だった。意外すぎる選曲・・・93年リリース。ってことはdipのメジャー1st出た年かー・・・。


・そうそう、ヤマジさんとひさ子さんのとき、前回もだったけどひさ子さんの「すかんちファン」話が主になって「dipファン」話はあまりされないのは何故。本人目の前じゃ言いにくいか・・・
・ひさ子さんは飲食店内でひとりで食べることが出来ない、テイクアウトで公園で食べるという話。なのにバンド活動、しかも大舞台でライブやツアーみたいな大勢との交流が必要なことを生業に出来るのは何故なんだろか。(単純に名指しされちゃうからとかはあるかもだけど、性質的に出来ないみたいな言い方だったので)
カホンで参加の高橋浩司さんの存在が素晴らしい〜。リズムの取り方含めて、コミュニケーション大事。
ぼくはザ・クラッシュが好きすぎて世界中からアイテムを集めました。
↑ 出版おめでとうございます〜〜!


《ヤマ語録》
・ギタリストのインタビューはギタリストがやったほうがいい。(ギタマガで「ヤマジが訊く!」て連載希望)・・・ひさ子さんとギター談義は面白くて好き。もっとも私は用語わかんないけど、、、。まあこういう話ならいくらでも聞ける話せるヤマジさんの興味の方向が伺える。
・(ライブで譜面台に置く)ファイルはセリアに行き着いた。
・寝るときにシクったところを思い出して落ち込んで1週間ひきづる。


「また1年かけて一緒にやりたい曲を集めたい」という言葉も、いいな。

↑ 拝借しました。

「ストップ・メイキング・センス 4Kレストア」

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予告編「デイヴィッド・バーンがクリーニング店に置きっぱだったスーツを取りに来て、自転車で帰る」ってのがもう、泣ける。「アメリカン・ユートピア」のラストを思い出させるこういうセンスが素晴らしい。


今までIMAXで観たことないからこの機会に(つか、シネコンかあ)・・・と調べたところ、夜上映のみ!平日会社帰りに映画なんてもはや無理・・・!と思ったけど、『ライブと思えば!」(だってライブ映像鑑賞だし)その上「座って見てられる!」と気づき、よーし奮発しちゃうぞと「殿様席(エグゼクティブシート)」で鑑賞、席周りに余裕あると気持ちも楽ねー。とはいえトーキングヘッズをシネコンのフカフカ席で観てしまうことへの敗北感・・・


IMAXによるドーーーーン!感。ジェリー・ハリスンが監修したリマスターによる音はくっきり明確で、冒頭のデヴィッド・バーンの登場シーンから細かな音が浮き彫りになり、メンバーのバキバキとしたサウンドが心地よく響く。表情や手の動き、ステージの隅まで眺められて楽しい。
ライブを落ち着いて見られるってほんと良い。ライブ会場にいるような感覚になるけれど、クッキリと細部まで鮮明な立体的音像は現実のライブ会場ではこんなふうに絶対聴けないし、実際にこのライブを観てる気になるけどこんな目線では絶対に観れないし、歓声に包まれて自分も声を上げたくなるけど上げられない。極めて不思議な体感こそが「映画」だった。


トーキングヘッズはご存知の通りメンバーそれぞれが個性豊かで技術力も高い。それを「1バンド」として撮るのではなく、各メンバーの表情や仕草も的確に捉える映像は群像劇のようでもある。

スピーキング・イン・タングズ

スピーキング・イン・タングズ

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アルバム『Speaking in Tongues』を発表した83年12月にハリウッドのパンテージ・シアターで4日間のライブを行なったうち、3日間をジョナサン・デミが「アンサンブル映画」を意識して撮影、ベストカットをデミが"演奏面よりも視覚的側面で"選んで編集し「1夜のライブ仕立て」にしたのが『ストップ・メイキング・センス』。だからライブ映像として「臨場感」だけを抜き取ったのではなく、「映画作品」として成り立っていることがよくわかる。


今回の4Kに関する記事でこんなことを知る。
「バンド自ら制作資金を調達してた(からこそ版権が戻ってきた、しかも40周年目前に)」とか、レストアにあたり「オリジナルのネガフィルムとオーディオトラックがそれぞれ別の保管庫で眠っていたものが発見された」とか「1984年の段階で珍しく、バンドが音源をデジタルテープへと移し替えていた」というのもナルホド・・・奇跡が奇跡を呼ぶ。
『ストップ・メイキング・センス』4Kレストア版の驚くべき舞台裏 伝説のライブ映画はいかにして蘇ったか? | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

>ストリーミング配信だけだったら、アトモスで全編をリミックスしていたかどうか分からないよ。あれは空間オーディオだから、空間があることが重要なんだ
>「(リストアにあたり)修正できるテクノロジーはあった——でもどうして? この方がより人間らしい。それに、あのステージで起こっていたことの人間らしさこそ、ジョナサンが最も興味を引かれたことだったんだ」



トーキングヘッズを知ったのはミュージックマガジンからで、初めて聴いたのは高校の頃バイト先のお兄さんが好きなアルバムに「More Songs About Building And Food」を挙げてたからだった。解散後90年代はあまり語られず、ゼロ年代頭に登場してきたバンドにより(ポストパンリバイバル云々で)あらためて語られたというのが、個人的偏狭妄想印象で、「ストップ・メイキング・センス」自体はゼロ年代前半にリバイバルを見たのが最初、その後boidが配給権得て爆音映画祭ジョナサン・デミ追悼や「アメリカン・ユートピア」公開も相まって、何度か上映し鑑賞した記憶がある。
それがなんとまあ、夜のシネコン満席でトーキングヘッズを観てるなんて状況が信じられない!
boidの樋口さんが爆音映画祭の意義として「観た人が誰かにその凄さを語り、また誰かが『観てないの?』と伝えることにより、広がっていく」ことを言っていて、まさにソレだなあと思う。



余談:TOHOシネマズ7劇場にて「ストップ・メイキング・センス 4Kレストア」オールスタンディング上映会 開催決定!! || TOHOシネマズ
・ダンスOK スタンディング鑑賞で曲に合わせてダンシングOKです。
・声出しOK 応援、歓声、突っ込みなどOKです。
・音出しOK タンバリン、マラカス、拍手、手拍子などOKです。
サイリウム、ペンライト、応援グッズ持ち込み、ビッグジャケットなどコスプレOK

サイリウム、ペンライト、応援グッズ持ち込み 
さすがにコレする人いないだろよ・・・こういう上映増えたし作品自体に拠るだろうけど、オールドスタイルの身にはなかなかついていけないものがあるのことよ・・・