雨と写真と

旧 体育の日。そもそも「晴れの特異日」だから「東京オリンピックの開会式」になったこの日がそうではなくなったからか、会社を出ると雨が降っていた。折りたたみ傘をさして六本木、AXISにて「ゼラチンシルバーセッション08展 」を見る。


デジタルカメラの出現により市場規模が急速に縮小し消滅しつつある「銀塩写真」の技術や機材、フィルム、印画紙等を守っていく思いを繋げていくプロジェクトによる展覧会。
数多く撮影したフィルムの中から選び抜いた一枚、何故この一枚になったのか思いを馳せたり。誤って蓋を開けてしまい感光してしまったことで生まれた不思議な写真、こういう想定外からの面白さが愛おしい。そして参加カメラマンの子供の頃の写真。アルバムの1ページがそのまま飾ってあって親御さんが書いた直筆の文字が添えられた銀塩写真から立ち上る、ほこほことしたあたたかさ。
ノスタルジーとか精神論ではないところで、ビジネスとして割り切ることができないことをきちんと考えて残していくことができればと思う。私は携帯のカメラ機能で撮ることが殆どだけど、それは日々のラフスケッチのようなものだと思って使っている。


そのあとAXIS内のリビングモチーフなどを見る。ここで年寄りの懐かし話をすると(毎度すみませんねえ)、今でこそどこでも手に入るiittalaとかスタルクを始めとするオサレ食器類や雑貨類がたくさん揃っている店はあんまりなかったんですよー。ということで学生時代さすがに買えないから見るだけで嫌な客なんだけど、よく行ってはくわえ指していつかいつかと思っていたのでありました。そんでそのあと坂道と路地が多くて楽しい麻布のほうへ散歩するのが楽しかったのだ。(今と変わらん)